100話 メイド服を見せちゃダメですか?
別荘のフカフカな大きなベッドで休んでいると、ノックの音と同時に扉が開かれた。
「見てください!」
瑠璃が、飛び込んできた。
「急にどうしたんだ」
あまりにいきなりのことで、状況がつかめない。
少し落ち着いて入り口のところに目をやると皆越先輩と更にその後ろに弥久先輩が居る。
「どうしたもこうしたも無いですよ。見てくださいほら」
瑠璃は、スカートをつまみ礼をする。
そうしてやっと気づく。
まあ、気づかなかった僕も僕だが、瑠璃はメイド服を見せたかったらしかった。
昼寝をして寝ぼけていたので許してほしい。
「えっと、どうしてメイド服?」
「えへへ、可愛いでしょ?」
彼女たちは普段弥久先輩が着ているようなコスプレ用ではなく、ロングスカートの本物のメイド服を着ていた。
瑠璃に聞いてもダメだと判断して、皆越先輩に目を向ける。
「瑠璃が、楽しそうだから着てみたいって言ったのでな。幸い、余ってるのがいくつもあるから準備してもらったんだ」
「で?まあ、皆越先輩はわかりますけど、なんで弥久先輩まで?」
「だって2人が着てるんだし着ないわけにはいかないでしょ」
「別に嫌なら着なくても良いんじゃ……」
「ふ、2人にどうしてもって言われたし……」
「弥久先輩ノリノリじゃなかったでしたっけ?「しょうがないわね〜着てあげるわよ〜♪」ってかんじでしたよ」
「余計なこと言わなくていい」
「違うの、違うのよ」
必死に否定しようとしているが、苦しい。
僕は瑠璃と皆越先輩に顔を寄せるように合図する。
不思議に思った2人は僕によってきた。
弥久先輩が来る前にすかさずスマホのアルバムを起動する。
そしてスワイプして、目的の写真を見つけるとそれを拡大表示にした。
「なるほど」
「やっぱりそうだったんですね〜」
2人はさして驚く様子もなく、納得する。
「何、どうしたの?」
僕のスマホを覗き込む2人が何しているのか気になったのか弥久先輩も覗いてきた。
「なっ、あんたこの前消したって言ってたじゃない」
「ええ消しましたよ。言われた写真だけは」
「それ盗撮っていうのよ。分かっててやってるの?」
「そんなこと言ったって、撮るって言ったら撮らせてくれないじゃないですか」
「当たり前でしょ」
「お客さんからは断らないのに」
「良くしてもらってる人なんだからそう簡単に断れるわけないじゃない」
「パシャ」
その時シャッター音がなった。
弥久先輩は僕を睨む。
「僕じゃないですよ。だいたい目の前に居るから分かるでしょ」
僕も誰が原因かあたりを見回すと、皆越先輩がスマホを向けていた。
「相変わらず仲がいいな、お前たちは」
「どうも」
「なんであんたそれを受け入れるのよ。あーもう!」
弥久先輩は顔を真赤にして出て行ってしまった。
少しやりすぎて怒らせてしまったのかもしれない。
後であったら謝っておこうと思う。
「あ、私はメイドさんのお手伝いするので行ってきますね」
瑠璃もどこかへ行ってしまう。
「先輩はどうするんですか?」
「私か?そうだな。面白そうだから瑠璃君についてでも行くかな」
そうしてまた静かになった部屋。
特にすることもなかったので再びベッドにダイブして、もう一生経験しないだろう雲のようなマットレスを堪能しておいた。
ついに100話目になったので記念に瑠璃のイラストを描きました!
これからもよろしくおねがいします!




