敵3
「はぁ……さっきから散々な目にしか遭ってないよ……」
「ほんとだねー」
B子は深くため息を吐きながら、A子のあとを着いて歩いています。
どうやら先ほどのスライムとの戦闘が相当参ったようでした。
「でもこの迷路どこまで続くんだろうね?」
なんていいながらA子はなんとなしに分かれ道を進みます。
B子としては、順調にマッピングしながら進みたいのですが、A子の大雑把な性格によって、こうして適当に進んでいるのです。
なので、入り口の場所も分からず、二人はただ何となく進んでいるのでした。
「あれ?扉があるよ?」
「ほんとだ」
先頭を歩いていたA子が扉を発見します。
見るとそこには扉があり、扉の前には開けた空間が広がっていました。
「入り口……ではないからここがゴール?」
「そうなのかな?」
なんていいながら二人はゆっくりと扉に近づいていくと……、
「むーっ!」
突然目の前に大量のスライムが出現したのでした。
「きゃっ!」
A子は可愛い声をあげて真っ先にB子の後に隠れます。
「もぅ!なんなのよこいつらはっ!」
そしてB子はというと、なれた手つきでスライム達をさばいていきます。
「頑張ってー!」
それを安全な所で応援するA子。流石のB子も少しは手伝ってほしいなんて思っています。
「怪我したらいつでもヒールしてあげるからね〜」
と、A子の応援を聞いたB子は少しだけ動きが鈍くなります。
(――わざと怪我でもしてみようかな……)
そうです。A子の声援を聞いて、なんともろくでもないことを考えていたようです。
とはいっても、自分から怪我をするわけにもいかず、B子は結局無事にすべてのスライムを倒してしまったのでした。
「んっ。――お疲れさま」
しかしそんなB子の元に、A子が駆け寄ってきて頬に唇を当てます。
「ほら、疲れたからヒール」
A子はそれだけ言ってさっさと扉の方へと駆け足で行ってしまいます。
「……あ、ありがとう」
B子は短く呟きながらA子の後を追いかけたのでした。




