宝箱
「宝箱だ〜!」
広場を進むとそこには一つポツンと宝箱が置いてあった。
「怪しい……」
しかし、こんな所にポツンと宝箱があるのは相当怪しく、B子は警戒しながら宝箱に近づく。
「そんなに怪しまなくても大丈夫だって!」
それでもA子は全く気にしない様子で宝箱に触れる。
……A子さんはもう少し警戒という言葉を覚えた方がいいと思う気もします。
「はぁ……」
これで何か起こったらどうするつもりなのか、きっとB子はそんなことを思っていると思います。
しかしそま反面、「やっぱりな」とすぐに宝箱に触れるA子を想像していたのかもしれません。
「あれ?開かない?」
しかし宝箱を開けようとするA子の手が一向に動いていません。
どうやら宝箱は鍵がかかっているようでした。
しかしその宝箱に鍵穴は見つからず、一体どうやって開けるのかさっぱり分かりませんでした。
「――あっ、もしかして」
するとB子がなにやら思いついたように宝箱に触れました。
「ん?どうしたの?」
「ちょっと試したいことがあって……」
さて、一体B子は一体何を試そうとしているのでしょうか?
「開けっ」
B子がそう言うと同時に宝箱がほのかに光を帯びます。
「おぉっ!」
その光景を見てA子は歓喜の声をあげてます。
このところいろいろあって、きっとテンションがあがっているのでしょうね。
そんなA子をさておき、やがて光は弱くなっていき、完全に消えると同時に宝箱からカチリ、という音が聞こえました。
「あっ、開いた」
B子はすぐに手に力を入れ、宝箱を開けます。
どうやら今の盗賊ならではのスキルだったようですね。
「あーナイフだー」
宝箱を開けると、そこには一本のナイフ――もとい短剣が置いてありました。
「これは……短剣?もしかしてこれでさっきのスライムを倒すのか……?」
B子はゆっくりと短剣を拾い上げてぶつぶつと呟きだします。
「じゃあそれは泥棒の武器だねっ」
そんなB子に、A子はあっさりと言いました。……それがB子の心に刺さるとは知らずに。
「わ、わかったよ……」
多少ダメージを負ってしまったB子はそのまま短剣を腰のベルトに差し込みます。
「よし、これでいつでも守ってあげれるね」
と言ってB子は再度広場を進み始めます。
その後で、A子の頬が若干赤くなっているのを気づかずに。




