表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人の世界  作者: 降木 星矢
学校編
76/100

かまくら部

「かまくら作りましょっ!」

 突然、というかいつものようにA子は提案してきました。

「かまくらって、あの雪でつくるドームのこと?」

「そうそう、それだよ!」

 それにしても一体どうしていきなりかまくらなんでしょうか?

 いくら雪があるからといって、実際にかまくらを作る人なんてあまりいないでしょうに。

「かまくらの中は暖かいんだよ〜」

 と言ってA子は早速作業をやり始めました。

「暖かい……?」

 A子の言葉を聞いてB子はなにやら思い当たる節があるように目を開きました。

 そうです。A子は、先ほどからB子が「寒い、寒い」ばかりいうので、暖かいかまくらを作ろうとしているのです。

 いつも破天荒なA子ですが、やっぱりB子のことをしっかり見ていて、しっかり考えているんですね。

 そのことに気づいたB子は、さっきまで寒くていやだと言っていた雪を平気な顔でさわり、A子とともにかまくら作りを始めました。




「完成っ!」

 作業から約十分後。

 二人の目の前には、丁度二人分ぐらいが入れそうな少し小さなかまくらが出来上がっていました。

「私、かまくら初めて作ったかも……」

「うん!私も!」

 どうやら二人とも、かまくらを作ったのは初めてだったようで、それにしては中々なクオリティでした。

「じゃあ早速入ろう!」

「う、うん」

 せっかく作ったのだからと、A子は待ちきれない子供のようにせっせと中に入ってしまいます。

 そしてその後を恐る恐るといった感じにB子がついていきます。

 どうやらかまくらが崩れるのを恐れているんでしょうね。

「……意外と暖かいわね」

「でしょ〜?」

 かまくらに入ったB子はまずその暖かさに少し驚きました。

 雪の中だというのにも関わらずかまくらの中はどうしてか暖かく感じますものね。本当に不思議です。

「でも、こうしたらもっと暖かいよー!」

 なんて言っていきなり、A子がB子に抱きついてきました。

「ちょ、ちょっと何するのよ!」

「えへへ〜、暖か〜い」

 A子はB子に抱きついたまま気持ちよさそうな顔を浮かべ、B子はA子を鬱陶しそうに引き離そうとします。

 しかしやがて、B子もA子の体温を感じたのか、その暖かさに動きが止まりました。

「暖かいでしょ?」

 それを見越したのか、A子がB子に尋ねます。

「…………そ、そうね」

 B子は少し顔を赤らめながら答えました。


 そうして二人はやがて辺りの雪が溶けるまで、抱き合って暖をとっていたようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ