ラグビー部
「いつも思うけど、これ変な形しているわよね」
B子がグラウンドに落ちていたラグビーボールを拾い上げました。
確かに、通常の丸いボールとは違い、ラグビーボールは横に長い形となっています。
「確かに蹴りにくそうだね〜」
と横にいたA子もラグビーボールにさわり首を傾げています。
ラグビーは女子がやるイメージは全くないですから、二人がラグビーのコートに立っている姿はとても新鮮に見えます。
「これって確かあの棒の間に入れるんだよね?」
とB子がラグビーボールを掲げて、コートの中に立っている二つの高い棒を指します。
「うん、確かそうだった」
流石にA子もラグビーまでは知らなかったようで、いつもより自信なく答えています。
「ちょっと蹴ってみよっか」
そうしてA子がおよそ初めてのラグビーを体験します。
ラグビーボールをコートの上に置き、距離をとります。
そして助走をつけた勢いでボールを蹴り上げます。
「はっ!」
勢いよく蹴ったボールはそのまま棒へと吸い込まれていき……およそ数メートル離れたところに落下しました。
「やっぱり蹴りにくいな〜……」
運動が得意なA子は、一発で入らなかったことに少し不満を抱いたようです。
「まぁ、ラグビーって持ち運ぶスポーツだから、持ちやすい形がいいんじゃないの?」
よく分からないB子ですが、自分なりに考えたようです。
「じゃあ次私〜」
とA子に真似てB子もボールを蹴ろうとします。
「え〜、私でも無理だったんだから無理だよ〜」
とA子は軽く言います。
――確かいつかのバスケットボールの時もそんな事を言っていると、B子がゴールを決めたのですが……まさか今回も?
「えいっ!」
助走の勢いでB子は高くボールを蹴り上げます。
「おぉっ」
その高さに思わずA子も声をあげます。
そして高く高く――――空に真っ直ぐあがっていったラグビーボールは、やがて、B子の目の前に落ちてきました。




