フェンシング部
「何これ〜?」
A子が何かを見つけました。
それは一本の細い棒が伸びている剣のようなものです。
「それフェンシングじゃない?」
「フェンシング?」
そうです。B子の言うとおり、A子が見つけたものはフェンシングで使う道具のことでした。
「それを使って相手に向かってつきだしてポイントを穫る――みたいなスポーツだった気がする」
「へぇ〜」
どうやらA子はフェンシングを知らなかったようで、先ほどから興味津々の目でその道具を眺めています。
まぁ、確かにあまりフェンシングを実物で見る機会は普通にないでしょうから。
「すごい柔らかいね」
「あっ、ほんとだ」
A子が試しに棒に触れるとフニャリと曲がってしまいました。
普通は固いはずなんですけど、この世界はたまにおかしく再現されている物があるので不思議です。
「じゃあ早速やってみよう!」
という事でルールも知らずにA子がフェンシングの提案をしました。
ルールを知らずにどうやってやるのでしょうか?
「私やり方知らないよ?」
「いいよいいよ。これでつつけばいいんでしょ?」
そう言うと同時にB子に向かって突き刺しました。
「ちょっ!」
A子はねらい違わずB子のわき腹に命中します。
「ちょ、ちょっ、くすぐった、いっ!」
そしてB子はというと笑いをこらえるのに必死のようです。
「ほらほら〜?私が勝っちゃうよ〜」
笑わせたら勝ちというわけではないんですが……まぁ、二人が楽しそうなのでいいんでしょう。
そうしてA子はしばらくの間、B子の笑い声を聞いて楽しんでいたのでした。




