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二人の世界  作者: 降木 星矢
学校編
63/100

柔道部

「わぁ〜畳だ〜」

 ここは武道上。

 二人の前には畳の部屋が広がっています。

 どうして武道上に?と思いますが、この二人の行動にいちいち頭を使っても分かるわけがないのでやめます。

「見て見て〜。畳の上にあがるときは靴下を脱ぐんだって〜」

 武道上の壁に注意書きが書かれているのをA子は見つけました。

「あっ、ほんとだー」

 最初の反応といい、今の反応といい、この二人はあまり畳の部屋に慣れていないのでしょうか?

 日本人なのに、と言ってしまえばおかしなことなのでしょうが、今の時代、畳なんてものは女子高生とは全く縁のないものなのかもしれませんね。

「じゃあ脱ごー」

 そうして早速、二人は畳の上にあがるため靴下を脱ごうとします。

 ――女子高生が靴下を脱ぐ。なんかエ…………いや、なんでもありません。

「ちょっとちゃんと脱ぎなさいよ〜」

 きちんと座って靴下を脱いだB子でしたが、A子は立ったまま靴下を脱ごうとしていました。それも手を使わず足だけで。

 相変わらず大雑把というか、なんというか。

 とにかく立ったまま足だけ使っているので、当然思うように脱げません。

「代わりに脱がせて〜」

 としびれをきらしたA子がB子にお願いします。

「もぉ〜……。分かったからはやく座りなさいよ」

 そしてB子も相変わらず面倒見がいいというかなんというか……、A子のお願いに素直に答えるのでした。

 ……しかし脱がす為に座ったのならば自分で脱げばいいのでは?と思うのは私だけでしょうか?

「じゃあいくわよ〜」

「ひゃっ!」

 靴下を脱がそうと手を伸ばしたB子でしたが、A子の肌に触れてしまい、A子が変な声をあげました。

「ちょ、ちょっと変な声出さないでよっ!」

「ご、ごめん……」

 お互い少しずつ赤面しながら、B子は作業を再開します。

「んっ」

 また肌に冷たいB子の手が触れたのか、A子は声を漏らします。

「…………」

 B子はそれを気にしなさいよう無心でやろうとしますが、余計に気になってしまい時間がかかります。


 結局、両方の靴下を脱がすのに十分もかかってしまいました。

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