ドッチボール部
「ドッジボールしよう!」
そう言ってA子は体育館へと行きボールを手に言ってきた。
「ドッジボールね」
もはやB子に拒否するという選択肢はないようで、A子からボールを受け取りました。
いやはや、慣れというものは怖いですね。
「よし!じゃあやるよっ!」
ちょうど体育館にシールでコートが区切られていたので、二人は向かい合って立ちます。
恐らくB子が運動が苦手なので、B子にボールを持たせたのでしょう。
……でも外野のいないドッジボールは成立するのでしょうか?
「じゃあ行くわよっ」
二人はそんな事考えていないようで、とにかくゲームは始まりました。
先行であるB子が勢いよくボールを投げます。
「ほいっ」
しかしいくら勢いよく投げたボールでも、B子の場合は弱いボールなのです。A子が難なくボールをキャッチします。
……運動が出来ないとなんだか悲しくなりますね。
「じゃあ行くねー!」
B子に倣ってA子も勢いよくボールを投げました。
しかし悲しいですね。同じ「勢いよく」なのにA子のボールの方が圧倒的にスピードが速いです。
「うわっ!」
当然そんなボールB子にはとれるはずもなく、B子は必死に逃げ回ります。
しかし逃げるのが少し遅かった。ボールはB子の体にあっけなく当たってしまいました。
「きゃっ!」
けれどもあろうことかボールがB子の体に当たるとゆっくりと上へとあがっていったのではありませんか。
そしてそんなゆっくりなボールなので当然B子は普通にキャッチする事が出来ました。
しかしボールを取ったB子はなんだか顔を赤くしています。
「……変態!」
そう言ってB子は自分の胸をボールで隠しました。
――どういう事かというと。A子が放ったボールは見事B子の胸に辺り、その弾力でスピード遅くなったというわけです。
いや、なんとも素晴らしい光景でしょうか。
「あなた、自分は嫌だからっていって私のを狙うのはよくないんじゃない?」
「い、いやっ、今のは、偶然であって……!」
B子の背後にメラメラと燃え上がる炎が見えてしまいそうなほど迫力満点のB子。
どうやら相当怒っているようだ。
「……自分でやるという事は、やられてもいい証拠。――くらいなさいっ!」
そうしてB子はボールを放ちます。
先ほどのボールより明らかに速度が違います。
これがB子の全力でしょうか。
「ご、ごめんなさいー!!」
それからしばらくA子は、B子からの集中を攻撃をくらったのでした。




