弓道部
「見てみて〜。かっこいいでしょ〜」
そういうA子さんが着ているのは袴でした。
確かに本人の言うとおりなかなかに似合っています。
「……またどこから持ってきたのよ」
しかしB子が最初に言ったのは呆れた言葉でした。
B子さん。女子がおしゃれをした時はまず褒めてあげないといけないですよ?
まぁ、この二人の中ですから今すらそんなのは必要ないと思いますが。
「別に〜、そこで拾っただけ」
あ、いや。やっぱりA子は少しだけ拗ねてるようでした。
「そこ?」
しかしB子さんはそんなA子の気持ちに気づかずにA子が指さす方向を確認します。
そこには弓道部と書かれたプレートがかかった部屋がありました。
「なるほど弓道ね……」
A子が着ているのは弓道で使う袴なのでしょう。
というか、どうしてこの世界にはそんなものがあるんでしょうかね。
もしかして弓矢も一式あるんでしょうか?
B子も弓矢を探してか、弓道部の扉をあけます。
「あ、弓矢なら無かったよ〜」
そして後からA子が入ってきて、B子が探し求めている物の存在を語りました。
しかしそれならなおさら、どうして袴だけあるのでしょうか?
「なんだ、ないのか……」
どうやらB子さん、多少弓道に興味があったらしく、少しだけ落ち込んでいるようでした。
「まぁ、まぁ、私のかっこいい姿がみれたんだからいいでしょ」
しかしそんな落ち込んでいるB子に、A子は再度自分の格好を見させます。
「ふっ」
「なっ!?」
だがB子はあろうことか、A子の姿を見て鼻で笑いました。
そして今度はA子がショックで落ち込みました。
B子さんどうして……。
なんて思っていると、ふいにB子が頬を赤くしながら呟きます。
「……あんたの場合かっこいいじゃなくて、可愛いよ」
やっぱりB子さんは最高ですね。
しかしながらその小さな呟きはA子さんの耳に入ることはなかったのでした。




