奇術部
「レディースアンド〜ジェントルメン!」
突然A子が大声で叫ぶ。
「っ!ど、どうしたのよいきなりっ!?」
そして当然のようにB子は驚きの声をあげる。
――二人は今日もいつも通りですね。
「このなんの変哲もない棒ですが〜」
そう言ってA子は妙に太いくて黒いただの棒を掲げる。
一体何をしようとしているのか……。
「はいっ!」
「わっ!」
A子がかけ声をかけながら棒を振ると、棒から一本のバラが出てきました。
「え〜!すごいじゃない!」
その光景に思わずB子は拍手をしました。
「いやいや、これくらいどうってことないよ〜!」
珍しく褒められたA子は照れたように頭を掻きます。
いつもB子には怒られることが多いですからね、嬉しかったのでしょう。
しかしやはりB子はいつものB子です。
「――で、その道具はどこで手に入れたの?」
流石B子。A子が持っている棒は元々何か仕掛けが施された物だと見破ったようです。
「べ、別にこれは私の……」
しかしA子は自分の力だと言い張ります。
「じゃあ、私もマジックしてあげる」
「え〜?出来るの〜?」
突然のB子の発言に、A子は半信半疑で答えます。
「私は今からあなたの思考を読むわね」
そう言って、B子はA子の頭に手を起きます。
……まさか本当に出来ると言うんでしょうか?
「ズバリ!あなたは今、『そんな事出来るわけないでしょ〜』って思っていますね」
「なっ、なんでっ!?」
どうやら当たっていたようです。
……それでも、そんな事は誰だって出来ますよ。でもA子は単純なので、すっかり信じ込んでいます。
「じゃ、じゃあ私だってマジックする!」
と今度はA子が対抗するようにマジック宣言をしました。
「どんなマジックよ〜」
別に大した事ないだろうと、B子は思っているようです。
「あなたの今日のパンツの色は――ピンクですっ!」
「なっ!ど、どどど…………!!」
B子さん、とても動揺していますが、まさか……?
「すごいでしょ〜」
「なっ、なんであなたがそれをっ!?」
B子さん、とても顔が真っ赤です。
「え?だって今日の朝見えたんだもん」
パンッ!
「いたっ!!」
B子さん、思わずA子さんにビンタしてしまいました。
「変態っ!」
珍しくB子さんが怒っているようですね。
「ご、ごめんってば〜!」
怒って出て行くB子をA子は慌てて追いかけます。
喧嘩でもしたのか?と心配してしまいましたが、でも次の瞬間にはA子が新しいものに興味を惹かれ、B子がそれに付き合っているので、そういう心配はいらないんでしょうね。




