放送部
「……どこいったんだろ?」
B子がキョロキョロするように廊下を歩いています。
その隣にA子がいないことから、恐らくA子を探しているのでしょう。
でも二人が一緒にいないのはすごく珍しいですね。
一体何があったんでしょうか?
「全く……。トイレに行ってる間にどっか行くなんて……」
なるほど。そういう事ですか。
確かにいつも一緒にいるからといってトイレまで一緒というわけにはいきませんものね。
――この二人ならワンチャンありそうな気もしますけど。
「とにかくあいつが行きそうな所は……」
とB子が順々に教室を回ろうとしたその時、
『あー、あー、もしもし〜、聞こえてますか〜?』
突如、放送が鳴り始めました。
「こ、この声っ!」
そして咄嗟に反応するB子。
そうです。この声は、たった今B子が探しているA子の声なのです。
という事は今A子がいる場所は放送室。
そうと分かればB子は一直線で放送室へと向かいます。
「ちょっと!何してるのよ」
勢いよく扉をあけると、そこにはマイクに向かって声を出しているA子の姿が。
「ん?ちょっと一回放送してみたいな〜って思って」
しかしA子は対して悪びれる様子もなく、ただ純粋に放送がしたいという気持ちがあるだけでした。
「全く……。それなら一人で勝手にいかないでよ」
「ごめん、ごめん。ちょっと思いついたら体が止まらなくて」
なんですか、A子さん。あなた一度動き出したら止まらない、暴走列車か何かですか?
「――次からはちゃんと私も一緒に連れて行きなさいよ」
少し恥ずかしそうにB子がいいます。
「分かってるよー!」
そんな可愛い姿を見たA子は思わずB子に抱きつきました。
「ちょ、ちょっとくっつかないでよー!」
「えぇ〜、いいじゃ〜ん!」
今日もこの二人の仲は平和そのものでした。




