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異世界召喚に死亡ルートはつきものですか?


今までの人生で後悔したことは・・・


沢山あった。


普通に生きて普通に高校生になって・・・


他人より少し出来が悪い普通の女の子だったと思う。

このまま就職して社会人になっていままで通り少し不運で出来の悪い私のまま生きていくのだと思っていたのに。


「あっすみません・・・」


春休みに何気なく電車で出かけた帰りのことだった。

少し思い切って可愛いスカートを買って、調子にのってそのままお店から着て帰って好きな本を買って気分が上がっていた。


帰ったら好きなアップルティーでも飲みながら買った本を読もうなんて考えていたさきがこうだ。


前にぐらりとずれる視界。

周りの叫びとどよめきが遠くに聞こえて頭がくらくらする。


耳の奥が詰まるように鋭い耳鳴りとじわりと思考が麻痺していく感覚に追いつかないからだが先ほどまで隣にいた他人へ縋るようにもがくように伸びて空を掴む。


いやだ、死にたくない。

まだ、まだ全然青春だって恋だって・・・!

友達だっていないのに・・・


甲高い女の人の悲鳴にも聞こえる汽笛が地響きのような物凄い爆音を連れて駅構内に入ってくる。


・・・私にめがけて。


焦る私に対して周りの景色はやけにゆっくりで。

必死に体をひねって振り返っていた私の目に映ったのは私とぶつかった男の人の驚いた顔と電光掲示板の人身事故と通過列車の文字。


ああ、私も死ぬんだ


あの人身事故の誰かみたいに。


ゆっくりと体が上にのけぞって視界が天井でいっぱいになった時、不意に電車の方を向けば必死な形相をして恐らく慌ててブレーキをかけているだろう車掌さんをぼうっと見る。


ごめんなさい、きっと私が調子に乗ったからかな?

いつも私が少しいいことがあって気分が上がったり調子に乗るとその何倍もの嫌なことが起きるもん。

それにまきこんじゃったかもしれないな・・・


電車の風圧で落ちていたからだが一瞬ふわりと浮く。


周りの音がどんどん遠くなって痺れる身体を最後に動かす。


本当に、死ぬのかな

死んだらどうなるんだろう?


必死に伸ばした手はまた何も掴まない。


いやだ、死にたくないよ・・・!


ぼやけた視界に涙が浮かんで見えた時、私の身体が光に包まれた。


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