表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

僕の儀式と不思議な体験

掲載日:2017/07/23

ホラー初挑戦です。テンポの良さと高校生が書く文章として感じられるかを意識しながら書きました。怖いというよりは悲しいとか切ないというほうが近いかもしれません

 はじめまして、こんにちは。

 

 僕は高校二年生の男子です。ときどきこのサイトで小説を投稿しています。ちょっと困ったことがあるんですけど誰にも相談ができません。考えもまとまらないしどうしようかと思ってた時に、このさいとでよく自分の考えをまとめるということで投稿している作者の人がいることを思いだしました。そこで僕も今困っていることを小説風に書いて考えをまとめて見ようと思います。 


 パニックは通り過ぎて一周まわって冷静にはなれているんですけどわかりづらいところがあったらすいません。それじゃあ、始めます。


 僕は困っている。これから僕の退屈な、それでいて居心地のいい日常が音を立てて崩れさるのは火を見るより明らかなのだ。


 ありふれた高校二年生の僕の日常なんてこんな感じ。


 アルバイトもしていなくて勉強も好きではない大抵の帰宅部の男子高校生がそうであるように、僕は、リア充な高校生活をすごしたいなあ、と思いながらもとりあえず自分の部屋でゲームをして一日の大半を過ごす。


 それに飽きると台所に行ってジュースを飲んだり、テレビを見たり、なんとなく引け目を感じながら健康な十代男子なら日課にしているであろうイメージトレーニングを主体とした自己鍛錬を行い、風呂に入ってご飯を食べてまた部屋に戻って眠くなるまでゲームをする。そしてときどきオモチャの指輪をなんとなく手の中で弄ぶ。


 このオモチャの指輪は、中学時代、男子みんなの憧れの綺麗で優しい加藤美咲さんと一緒に修学旅行先の土産物屋で買ったチャチなものだ。男子みんなの憧れの高根の花、加藤美咲さんと僕が修学旅行で一緒に行動したのにはそれなりに理由はある。もちろん僕達が付き合っていた、なんてことではない。


 僕の中学の修学旅行は高校入試の受験勉強に配慮して三年生の春先に行くことになっていた。そして二泊三日のうち一日が自由行動であった。そして僕と彼女は自由行動をする班わけであぶれた者同士だった。班は好きな者同士で作ることになっている。


 そのとき僕と彼女は教室の壁際で盛り上がるクラスメイト達を見ていた。理由は今ならはっきりわかる。僕と彼女は敵もいないけど味方もいないタイプ。誰とでも仲良くなれるけど特別に仲がいい相手はいなかった、ということだ。一生の思い出となる修学旅行なんだ。お互いに特別に思っている者同士で班を組みたいのは当然だ。男子も女子も。


 そんな中、僕たちを指さして誰かこいつらを混ぜてくれとでかい声で叫ぶ担任の男性教師の雑な対応に内心憤りながらも適当な班に話をつけて形だけ紛れ込ませてもらった。自由行動の時は別行動しようという密約は当然受け入れた。


 そして僕は自由行動の当日、観光客が集まっているであろう古都の建造物を一人で見学するくらいなら冒険してみようと最寄りの駅に行ってみた。そこで彼女とばったり出会う。お互いに微妙な微笑を浮かべながらどちらからともなく誘い合った。


 僕たちはそこで一つ企てた。せっかく修学旅行で歴史と伝統の街に来ているのに、あえて地元でもできることをやってやろうと。そして電車で数駅の遊園地、裏野ドリームランドに向かった。


 平日で空いていた遊園地で僕たちは飽きるまで繰り返しアトラクションを楽しんだ。ずっと二人で過ごすている中で、お互いに意外な一面を見せあうことにもなった。無邪気にはしゃいだり、怯えたり。教室では見せない顔をお互いに見せあった。そうやって一日過ごした。そして夕焼けが始まりかけたころ誘ってみた。


「観覧車に乗らない?」


彼女は笑顔で頷いた。観覧車の中で向い会って座っていた。勇気を出して尋ねた。


「隣に行っていい?」


「私のこと、好きなの?」


「あ、いや、その……」


それ位しか言えなくて観覧車が止まるまで僕は黙ってただ夕焼けを見ていた。観覧車を降りると彼女は言った。


「ここでバイバイしよっか」


「なんか、ごめん」

 

 彼女とはそれきり話すことはなかった。ときどき一緒に買った指輪を取出して眺めるくらいのことはしたけれども、特に失恋をしたとまでは思っていない。


 たまたま空気に流されて勘違いした僕を彼女が優しく注意してくれただけ、というのが今の僕の考えだ。そして、あまり彼女のことも思いださなくなったころに最悪の形で彼女のことを思いだすこととなった。


 今年の、ゴールデンウィーク、ニュースで騒がれていたことがある。現在は廃墟となってしまった裏野ドリームランドの周辺で巨大なワニが数匹発見された。そして人を襲ったというのだ。そこでワニがどこから現れたのかという調査がされた。


 その結果、裏野ドリームランドのアクアツアーというアトラクションで使われていた人口の川を住処にしていたことがわかりその川を調べてみたところ何体もの遺体が発見された。そのうちの一人が彼女だった。そして犯人は捕まっていない。


 それから僕は夏休みに入るまでの間に少しづづ、だけど確実に決意した。それは彼女と一緒に買ったオモチャの指輪。これを彼女の遺体が見つかった裏野ドリームランド跡地に捧げたい、ということだった。


 意味があるかなんてわからない。だけどあのときたったの一瞬だけだったけど窓から外を眺める夕焼けに染まる彼女の横顔に見惚れていた。この世界で僕と彼女しか存在しないみたいに感じていた。あのとき僕の世界は彼女だった。今なら言葉にできるあの時の感覚を彼女に伝えたい。


 意味があるのかなんてわからない。ただこれは僕にとって必要な儀式、そういう確信だけはあった。


 そして僕は夏休みを利用して自宅から300キロメートル以上も離れた、廃園となってしまった裏野ドリームランドに向かったのだった。


 始発の新幹線を使うと裏野ドリームランドには午後のまだ明るい時間に着くことができた。駅からはタクシーを使わないといけないような人里離れた広大な土地にあった。正門前でタクシーを降りて、柵の隙間から中の様子を窺う。夏の強い日差しに照らされた広場が見えるだけだった。アトラクションはすでに取り壊され始めていて大部分がシートで覆われていた。ネットで裏野ドリームランドのことを調べたときに書かれていたことを思いだして納得する。


 ネットの情報によるとこの遊園地は廃園になっていからいろいろな噂を立てられるようになってしまった。今回の事件と結びつけて解説しているサイトもある。大まかに言うと廃園になってからこの遊園地は人里離れた自然豊かな場所にあるということで裏社会の人たちが死体を処理するのに使っていた、という説が有力らしい。こじつけみたいなことも書いてあったけどそれなりに納得した。


 ただの工事現場としか思えないような場所を見ながら思い出の指輪をはめた。両手を合わせて瞼を閉じ彼女のことを頭に思い描く。あの時、言葉に出来なかったことを言葉で伝えた。記念に自撮り棒を使って遊園地をバックにスマホで写真を撮った。指輪はこんな寂しい場所に、そして何よりひどい事件のあった場所に埋めておくのは残酷な気がして持って帰ることにした。そして家について来てから数時間後に不思議な体験を味わうことになった。そして今も味わい続けている。


 僕のパソコンの横に置いてあるスマホに異変が起きているのだ。勝手にSNSアプリが立ちあがりメッセージが作られてどんどん送信されていく。その中で彼女、修学旅行の時の姿の加藤美咲さんが叫んでいる。どんな理屈かわからないけど彼女の魂が僕のスマホに入ってしまったらしい。スピーカーをテープで抑えたらら聞こえなくなったけど何をいっているかわかる。繰り返しこう言っている。


『お前が悪いんだ』


もちろん僕は犯人じゃない。僕はただあの日、観覧車から降りて見知らぬ男について行く彼女の背中になにも言えなかっただけなのに……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
[良い点] 世にも奇妙な物語、御馳走様です 一人称で描かれているゆえに 誤字すらも少年の混乱具合を示す為のフレーバーになっているし、 不条理の中の法則の一つがいい具合に書かれていると思います。 人は弱…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ