表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プチプリンセスの恋  作者: 花見さくら
夏菜のはじまり
3/29

 次の日、お琴の稽古があり、花に叱られてばかりいた。つまらないので、花にイタズラしてやろうと思っていた。

(今日は、どんなことをしようかしら?)

 ウキウキして、森に出かけた。昨日、妖精がいた木の下にも向かった。

 美しい金の髪の毛を思い出して、惚けていた。

(ステキだった)

 ただ、美しいと、あの男の子の事を知りたいとそう思っていた。

 しばらく時間が経ち、川の近くにカエルがいたので、袖の中へ入れた。帰ろうとして、城を見た所。

(! 燃えている)

 城がたくさんの煙に包まれ、赤い炎を上げている。

(お父様、お母様、そして、花、みんな無事だろうか?)

 夏菜は、城まで走った。


    〇 ◎ 〇


 城に着いて、辺りを見回すと、知らないおじさんが、甲冑を着て、並んでいるではないか。

「花革国の城を打ち取りました」

「あなた達、だれよ、私の城を燃やしたの?」

「誰だお前」

 それは、こっちが聞きたかった。

神月かみづき国の者だ。名を名乗れ」

「月島夏菜、花革国の姫よ」

 お前達が憎いと、顔に出して、力強くそう言った。

「そうか、全員死んだと思ったが、生きていたのか」

(私も、殺されるの?)

「まあ、生き残ったのなら、わが国で拾ってやろうではないか、まだ、小さい女の子みたいだしな」

 武士は、さすがに子供を切るのは、忍びないと思ったらしい。

輝希国てるきこくと手を組もうとするからこうなったんだ」

「あの、金髪坊ちゃんとな」

(金髪!)

その時、夏菜は、頭の中で、あの金髪の男の子が、父も母も殺すように、言ったのかもしれないと思った。

(あんなにきれいな髪だったのに……)

 ふつふつと怒りが湧き上がってくる。

(金髪の人間は、もう二度と信じない)

 強くそう思った。




 三日後、父と母の遺体が見つかり、埋葬された。夏菜は、神月国の家臣の子供として、引き取られた。大きくなるまでは、家の手伝いをして、暮らすことになった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ