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プチプリンセスの恋  作者: 花見さくら
これからの未来
28/29

 そうしているうちに、祝言の日取りが決まった。

 二日後、城主の輝太郎も帰って来ていた。

「夏菜ちゃんと言う子は、どんな子かね~」

「アドルフ様の事を差別しなかったいい子らしいですよ」

「会ってみたいな」

「輝助様の奥方も懐妊なさりましたものね」

「それは、急がなくてはな」

 輝太郎が豪快に笑った。

「夏菜ちゃんって、もしかして、アドルフの初恋の子なんじゃないか? 名前が同じじゃないか」

「そうなんですか、自分、アドルフ様とあんまり話さないもので知らなかったです」

「それは、アドルフが信頼のおける人物にしか話さないからだと思うぞ」

 輝太郎は、城の中へ入って行った。

 一方街では、アドルフと夏菜と遊んでいた子供達が、食い入るように瓦版を見ていた。

「アドルフって、あのアドルフ?」

「この前連れて来ていた姉ちゃんと結婚するんだ」

「おめでたいな」

 子供達は、口々に喜びを表現した。


   〇 ◎ 〇


 そんな時、夏菜は、白無垢に着がえる前だった。

「今日の料理の順番は、ですね」

「夏菜さん、祝言の日まで働かないで下さいよ、準備は、私達がちゃんとやりますから、心配しないでください」

 桃と宮に取り押さえられている途中、輝太郎が帰って来た。

「おう、働いておるな、夏菜ちゃんはおるか?」

「え、ええ」

 桃は、夏菜の色々な所を結んで働いている姿を見せるべきか悩んだ。

「輝太郎様~」

 夏菜は、お構いなしに返事をしてしまった。

「これは、元気なお嬢さんだね」

「えっ……」

 夏菜は、急に我に返った。今の姿で輝太郎と会うのは、失礼に値する事だと思い、慌てだした。

「あ、あの~、すみません」

「何を謝っている」

「だって、このような姿で城主と会うなんて~」

「飾らない姿の方が、本心が見える物だ。夏菜ちゃんは、アドルフにピッタリな女の子の様だね」

「そうですか」

「私が保障しよう、だけどね、早く着替えないと、祝言に遅れちゃうからね」

「はい」

 夏菜は、勢いよく返事して、自室へ向かった。

「アドルフの選んだ嫁じゃな」

 輝太郎は笑っていた。


 〇 ◎ 〇


「夏菜さん、動かないでください」

 白無垢を着せる桃と宮は、一所懸命に着せようとして、手こずっていた。

「えっと、こうして、こうして?」

「そっちをこうするのよ」

 結局、夏菜が仕切っていた。明姫の結婚の時に着せるために一応勉強しておいたので、夏菜は、完璧な指示を出した。

「いいですか、おしとやかにしてくださいね」

「わかっているわ」

 夏菜は、気合を入れた。

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