表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
千年魔京と成長チート  作者: 荒葉千歳
2/3

1話

=========================


千年魔京


曰く、力を求めるモノへ。

曰く、富を求めるモノへ。

曰く、材を求めるモノへ。


然らば願いは叶えられん。


それは力を手に入れた英雄が。

それは富を手に入れた商人が。

それは材を求めた鍛冶師達が。


『 俺達はここ場所から始まった 』


そう告げながら未来の若者達を奮い立たせた。


=========================


「かっこいぃ……!」


その張り紙は迷宮前にどうどうと木の枠組みと一緒に立たれていた。

俺ことエリクは、6歳ながらにもそう思った事がある。

文字だって教会で神官のお兄さんに教わってやっと覚えた頃だ。

俺はそんな張り紙と迷宮を頭を上に向けながら思っていたのだ。



俺の名前はエリク。一応歳は今年で成人出来る12歳になった。

家は迷宮都市よりは離れている、小さな町にある。要は村人の息子と言った所だ。


だがそんな小さい町でも、人の死と言うのは存在するもので。

両親は共に他界。

原因は魔物。

でも俺は魔物を恨んではいない。


【 そんな事はないだろう。12歳だ。両親の死というのは辛いはずだ。 】


そう思うだろうが本当だ。

なぜならば、その両親の死に場所と言うのが先の『千年魔京』という迷宮だからだ。

両親は共に『冒険者』という職業だった。


『冒険者』・・・まだ見ぬ秘境を探索したり、魔物と戦ったり、お宝を発見したり、そんな人生を冒険するものを冒険者という。そして冒険者とはギルドに加入して初めて資格を与えられる。


そう。俺の家族は冒険者一家なのだ。

なぜ一家なのか。それは俺も冒険者ギルドに加入をするのが将来の第一ステップだからだ。

俺の両親は仕事と言ってはもっぱら森へ狩りをしに行っていた。

俺が住んでいるのは、迷宮都市よりは離れている。

なので森に行ってもそこまで強い魔物がいるというわけではない。

だが、両親は冒険者という職業に誇りを持ちながら狩りをしていた。


そんな狩りの日の夕ご飯では必ずと言っていいほど『千年魔京』の話が飛び交っていた。

俺は小さい頃から聞いていたので耳に蛸ではあった。

だがそんな耳に蛸でも、ずっと聞いていたいと思っていた。

そう俺も小さいながらも『千年魔京』の話が大好きだったのだ。


ある日に出た話では、小さな町の村人が『千年魔京』で冒険者を始めて、

最期には長い年月語られるような【英雄】が誕生したという話。


またある日の話では、田舎から出てきた商人が『千年魔京』がある迷宮都市、

昔では小さな村だったそうだが、その迷宮都市が出来たのは、

その商人が大きな成功を遂げた時に出来た都市だという話。


またまたある日では、迷宮都市で鍛冶師として働いていた者が、

魔剣を打った事で一躍有名になった話し。などなど。沢山あるのだ。


そんな冒険者になる為には必須事項として一つやらなければならない行事がある。


この俺の住んでいる世界には12歳の誕生日に教会へ赴き、神官の人から『成長の儀』というものを受ける。

『成長の儀』というのは神官が神から、儀を受ける子供の一番初めのスキルを告げるというのが内容になる。

それはどんな子供でも必ず受けられる儀式。それは俺にだって受けられる。

そして俺は今日。この日を。凄く待ちわびていたのだ。

俺の今いる場所は教会の前。

行列が出来ている。

やっと俺の出番がくる。


「エリク、来なさい」


「はい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ