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あらすじ
寒い日の夜だった。
その日は、
いつにも増して風が強く、
戸の隙間から漏れる風音は、
少し煩かった。
雨は降らず、
ただ雲が厚く、
月の光を閉ざしていた。
風で雲が動く。
垣間見えた月陽は、
私を照らしながら逃げるように、
小鳥の囀りを呼び戻す。
ただ、
ただただ、
私は貴方を待つ。
その日が来るまで。
わタシは 待 チつヅけ ル…。
◇
千年魔京と呼ばれる迷宮にはそれはそれはと冒険者が集まっていた。
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千年魔京
曰く、力を求めるモノへ。
曰く、富を求めるモノへ。
曰く、材を求めるモノへ。
然らば願いは叶えられん。
それは力を手に入れた英雄が。
それは富を手に入れた商人が。
それは材を求めた鍛冶師達が。
『 俺達はここ場所から始まった 』
そう告げながら未来の若者達を奮い立たせた。
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