雅のことを話す中の人たちと考えたくないもしもの話
改めて玄関に戻り、靴をそろえて部屋に戻って荷物を置く。
(世話って、結局家事だろう?
なぜ雅がそんな召使のようなことをしなければならないのだ)
(都合よく利用されてるだけだろ、どう見たって。
謝っていたが、建前だ)
翡翠と慧太さんが言った。
(そうですわよ!
第一、そちらの世話をするなら、あなたはどこに住むんですの?
男だらけのところにいくなんて、わたくしはごめんですわ!)
いや、そこで生活するのは私なんだけど・・・。
そんなこと言い出したら、私が着替えたりするとき中に入ってるみんな、男たちはどうなるの?って話だし。
(・・・利用・・は少し嫌です・・・)
峰藤まで・・・。
(うーん・・・なんか嫌な予感しかしなーい)
(俺はお前が決めたことだから、家族だし、
別にいいと思うけど、一緒に住むって言うのはちょっといくらなんでもな・・・)
(兄弟だから平気とか思ってんなら後で痛い目見るぞ、男は獣だからな)
ショートまで・・・。
(母親にまでやめておいた方がいい、自分勝手と言われるほどの人間たちだ、
ひどいことをされる可能性だってある、
やめておいた方がいい)
(・・・男の人・・・には・・勝てません・・・)
・・・・。
「忠告はありがたく聞いておくけど、利用されてるとか、そういうのは違うんじゃないのかな。
私は家族だと思ってるから引き受けたし、結局は心持次第だと思うよ。
一緒に住むかどうかは、まだわからないけど・・そこはお父さんと話して決める。
なるべく、みんなにも嫌な思いをさせないように努力するから」
(ちっ、
人の話を聞け!)
ショートにだけは言われたくないなぁ。
(・・はぁ・・・いざとなったら、俺が出て行けばどうにかなるか)
慧太さん・・助かります。
(きちんと、話し合うんだぞ)
(雅は自分をかいかぶりすぎですわ!あなたはただの女の子ですのよ!?)
いちいち声が大きいよ、サファイア。まぁ、力の面ではそうかもだけど、ただの女の子では・・ないよね、みんなが体の中にいるんだし。
(まーさすがに雅が犯されるなんてことになったら大変だし、俺も協力するよ~)
っ・・・!?
「アクア!!」
何が犯される、なの!
っていうか、みんな今日の朝言ってたことと今言ってることすごく矛盾してるんだけど。
(男に犯される気分を体験したくはない。
我も協力しよう)
いや、いやいや!!
妙なところで団結しないで!?
っていうか、女の私の体に入っておいていまさらそれいう!?
「いざとなったら完全にシャットアウトしちゃえばいいじゃん、
できないことはないんでしょ?」
はぁ、とため息をつきながら言うと
(見捨てろっていうのか!?)
と次は斗真が大声を出した。
「・・うるさいなぁ、もう・・・。
そうじゃないでしょ、私がもしも二十歳すぎて大人になって結婚して子供作ろうかって話になったらって話」
もう・・なんかみんなと話してると恥ずかしさとか吹っ飛ぶよ。
(えぇ、作るの!?)
「アクア敏感に反応しすぎ・・・そういうこともあるでしょ、ってあくまで可能性の話!」
(・・ふーん・・・)
何その含みのある言い方は・・・。
(・・・自分は嫌です・・・)
・・峰藤・・・・。