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キスさせてくれませんか・・・? お兄ちゃん  作者: 赤屋 颯妃
第1話 巡り合わせ
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住人たちの言葉談義


「気をつけて帰るんだぞー」


「はーい、ありがとうおじいちゃん、

また明日~」


小さく手を振って日の暮れかかった神社から出て歩き出す。


(雅!今日はスイーツを買うんですのよ!)


いつものように13時に起きてから今日はスイーツの気分だ、スイーツを買えとサファイアがうるさい。


「はいはい・・わかったよ・・・」


全部のわがままを聞いてやることはできないけれど、適度に、たまにはいうことを聞いてあげないとストレスが溜めて暴走しかねない。


(スイーツって、何を買うんだ?)

(ミルフィーユがいいですわ!)


サファイアが知ってるケーキの種類なんてチョコレートケーキとショートケーキとモンブランとそれくらいしかないもんね。買ってあげたことのあるものしか知らないし。


(うっせぇな・・黙れよ)


(あら、ぶしつけな犬は黙らっしゃい!)


「ちょっとちょっと・・喧嘩しないでよ」


視線を伏せたまま小さく言う。


(目覚めてからずっと馬鹿の1つ覚えのように『すいーつ』『すいーつ』言っている貴様の方がずっと不躾だと思うがな)


スイーツが甘味だということは知っているようだけれど、相変わらず外来語には慣れていない翡翠の言う『スイーツ』はなんだか別のもののように聞こえる。


(なんですって!?)




(おいおい、だからもう、やめろって・・・!!

毎日毎日同じことばっかすんなって)


ほんとう・・ほぼ毎日毎日絶対喧嘩するなぁみんな。とはいえ、BGMのように聞き流せるほど穏やかなものじゃないし、毎日息をするように呆れている感じがする。

喧嘩自体はそれほど問題はないのだけれど、それで誰かの感情が活発になってしまったり殺気立つような、浮足立つようなことになってしまう可能性が大いにあるので困っているのだ。

みんなの性格上、全員が全員突き抜けているから喧嘩がなくなるとは思わないし当然だとも思うけれど・・少しくらい感情を抑制するなり制御するなりの努力をしてほしいとは思う。

それをした結果、溜めに溜めて大惨事になる、ということを経験したことがあるから簡単には言えないのだけれど・・・。


(うるさいわね!!)















(ミルフィーユ、やはり人気ですのね、

数少なくて焦りましたわっ)


おほほほ、と上品なんだか野蛮なんだかわからないくらいけたたましい声で笑うサファイア。


聞きなれているとはいえ元気だなぁ・・・。


ミルフィーユ、と言っていたはずがもっとほかのスイーツもみたい、他の菓子もみたいといつも以上に元気なサファイアにああだこうだ言われながら店の中を回っていたらあっという間に時間は18時を回っていた。

ずいぶんと店の中にいたんだな・・暗くなってきたし、さっさと帰らないと。


(サファがほかのものを見るのに時間をかけすぎたからそこにたどり着くまでに時間がかかっていただけだろう)


冷静にツッコむ慧太さん。


(あら、ウィンドウショッピングというものがあるのを知らないんですの?)


なぜだか偉そうだ。


(食べ物にそれはないだろ・・・)



(”うぃんどうしょっぴんぐ”

とはどういう意味だ?)


(あ、俺も知りたい)


アクアは眠っているのか、アクアがいないだけまだましだ。


(ウィンドウショッピングというのは、

外に並ぶものを見て、ショッピングを楽しむことのことですわ~っ)




(外に並ぶもの・・・?)



(・・・ショーケースとか外に展示されているのを窓ガラス越しに見て四季の移り変わりを感じたり、流行を読み取ったりして楽しむ買い物のことだ)


(実際に買ってないのにショッピングっていうのか?)


(所詮下賤な庶民の楽しみだな)


ひどい言われようだ・・・。


それに対して、またサファイアが何かを言い返していたがバッグに入っている携帯が鳴ったのでこんな時間に誰だろうと思いながら画面を見る。


・・・・・・藍子さん?

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