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キスさせてくれませんか・・・? お兄ちゃん  作者: 赤屋 颯妃
第2話 初めまして
16/17

私は何も変なことしてるとは思ってないよ



「・・・・。











ゴミ箱、見ました」


「は?」


一言一言が、すごく乱暴に吐き捨てられて、どんな言葉でも馬鹿じゃねぇの?って言う風に聞こえる。言葉って・・恐ろしい。


「ピザが何枚も何枚も捨てられていました。


・・・あれ・・・前に頼んだものですよね?」


食べきれなかったんだとわかったから減らしただけだ。


「そうだけど?」


また何か問題ある?って言う目。見なくても分かる。本当なら、きちんと目を見て話せばもう少しわかってくれるのかもだけど・・今ここで、のりうつらせるわけにはいかない。


もう・・みんな一旦落ち着いてよ!


「それを食べて、まだお腹が空いているようなら私、めぐみさんのリクエストどおりになんでも、どんな量でも作りますから。


それで、勘弁してもらえませんか?」








「・・・超生意気・・こっち向けよ」






ぐいっと乱暴に腕を引っ張られた。


うわ、みんながもっと怒りだした・・・!斗真が宥めてるけど、その斗真さえ熱くなってるし・・・!

みんな、怒りすぎて無口だし・・!!


「おい、向けって」


「す、すみません!!


お話は、またあとで聞きますから・・・!!

私、ご飯作ってる途中でした!!」


きちんと話したいのは山々だったけど・・仕方がなく厨房に逃げる。


「はぁ・・っ・・・」


本当なら逃げたりはしたくないけど、こんな体質上それが1番最適な方法の時が多い。悲しみの感情がリンクするときより、どちらかというと怒りとかがリンクするときが多いから、そうなったらもう、逃げるしかない。性格的には嫌でも、それをすることが多い。

めぐみさんは、さすがに追いかけるのは面倒だったのか、馬鹿馬鹿しくなったのか、また乱暴に扉を閉めて出て行った。


「・・・もう・・みんな、お願いだから一旦落ち着いて・・!!」


なんだかどっと疲れて、ため息をつきながら動きを再開しいう。


(あんなの許せるわけねぇだろ!!


くそっ、マジ次会ったらぶっ飛ばしてやる!)


あぁぁぁ、絶対ショート表に出さないようにしなくちゃ・・・!ああなって初めてわかったけど・・・めぐみさん、のりうつりやすいタイプの人だ。

藍子さんもそうだったところからして・・他の人もそういう可能性が高い。

あぁもう、せめてそうじゃなければって最後の望みだったのに・・・!


(・・許せない・・・)


(我を怒らせたらどうなるか、我に逆らったらどうなるか、我の半身である雅を侮蔑した罰を、わからせてやらなければな)


おいおいおいおい・・・!!ことごくみんなのマイルールに逆らった出来事だったみたいだ・・・!


(・・っ・・・)


峰藤も怒ってるし、珍しくアクアまで怒ってる・・・。アクアって全然怒らないけど、怒ったら逆に無口になるんだよね・・・。


(マジでむかつく!

ほんとう、俺も一発殴ってやらないと気が済まない・・・!)


「と、斗真まで・・・何を言うの・・・!


殴ったりしたらこれから普通にめぐみさんと話せなくなっちゃうよ」


こんなところで、そんな癇癪ですべてを終わらせるわけにはいかない。サファイアがいないだけましかな・・・。


(話せなくなってもいいだろ、あんなやつ!)


「みんな、本当に落ち着いて?

お願いだから・・・・!

殴ったりしたら、私も怪我しちゃうよ。

みんなは男の感覚かもしれないけど、私は女なんだから・・怪我したり、痛い思いしたりするのは嫌だよ」


(雅はむかつかないのか?あんな初対面の男に罵られて)


(・・・許せない・・)









「もう・・むかつくもむかつくもないよ、

みんな。






初対面の人に罵られても、別に何も思わないって」


(は・・?

なんで)


「だって、私のこと何も知らないじゃない。


そんな人に罵られたって、別に何も思わないよ。私のいいとこ1ろも悪い所も、何も知らないんだから。


それに、それと同じで私も相手のこと何も知らない。

相手がどういう気持ちで罵ってるのか、本当は何が言いたいのか、何もわからないのに、真意がわからないのに怒れるほど、私は早急にはなれない」


本当は、めぐみさんもみんなみたいにむしゃくしゃする気持ちがどこかにあるんだろう。こういう家で育ったからこその、苦悩もあるんだと思う。

決して、そういう気持ちがあってもああいう扱いは普通の人は怒るものだし、人に対して失礼だからこのままでいいとは思わないけど・・・少なくとも私は、怒りの気持ちはない。

勝手だなぁ、って思うくらい。


「みんな・・・これは、これから私がここで暮らしていくにあたって大切なことだから、きちんと聞いてほしいんだ。


いいかな?」

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