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《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん  作者: ケンタシノリ
第8章 敬太くんと獣人の赤ちゃん

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その21

「このチビめ、まだ分からないようだな」

「おねしょ小僧! おれたちの言っていることがどういう意味か分かるよな」

「ぐぐぐぐっ……。今度はこっちから行くぞ!」


 敬太は、獣人たちの挑発にそのまま黙っているわけではありません。今までの力を獣人たちにぶつけようと、敬太は体当たりするように真正面からぶつかっていきました。


「んぐぐぐぐぐぐっ! ぼくの力がどれだけずごいか見せてやるぞ!」

「あれだけ痛めつけたのに、なぜあれだけの力を出すことが……」

「ぐぐぐぐぐぐぐぐっ! え~い! えええ~いっ!」


 敬太は、獣人たちに痛めつけられたのがうそのように次々と攻撃を加えていきます。投げ技から蹴り技、そして拳を握りしめて何度も殴りつけたりと自由自在です。


 あまりの凄まじい敬太からの攻撃に、獣人たちもたじろいでいます。そんな中、力獣はなぜか不気味な笑みを浮かべながら眺めています。


「まったく、あのチビにやられまくっているとはなあ……。おれが前に出て戦わないといけないようだな」


 その間も、敬太は立て続けに獣人たちへの攻撃を続けています。軽い身のこなしで飛び上がってからの攻撃に、獣人たちはなすすべもありません。


「え~いっ! とりゃああっ! とりゃああっ!」

「グエグエッ、グエグエグエッ……」


 獣人たちは、敬太からの蹴り技と投げ技を次々と食らって倒れたまま立ち上がることができません。これを見た敬太は、すぐさま獣人の体の上に立ちました。


「いくぞ! それっ! それっ! それっ!」

「グエッ、グエエエエエエエッ! い、いてててててっ……」


 敬太は、倒れたままの獣人の上で何度も飛んだり跳ねたりしています。獣人たちは、敬太のさらなる攻撃を受けてのたうち回っています。


「や、やめてくれ……。グエエエッ、グエエエエエッ……」

「まだまだ! え~いっ、それっ! それっ!」


 獣人たちの反撃を与えずに攻撃し続ける敬太ですが、それに集中するあまり後方から強敵がいることに気づいていません。


「どうだ! ぼくの強さはこんなものじゃ……」

「おりゃああっ! おりゃああ~っ!」


 敬太は、力獣による後方からの強い蹴りを食らってしまいました。そのまま地面に倒れ込んだ敬太の目の前には、筋肉ばかりの体つきである力獣が現れました。


「よくもまあ調子に乗りやがって……。おれの仲間をこれだけ痛めつけたのなら、それなりのお返しをしないといけないなあ」


 敬太に痛めつけられた獣人たちも、それに呼応するように地面から立ち上がりました。そして、敬太が起き上がれないように獣人の1人が敬太の体に乗っかりました。


「おめえにはこうしないと気が済まないんだよ! おりゃあっ! おりゃあっ!」

「い、いてててっ、いてててててっ……」


 獣人たちは、自分たちが受けた攻撃と同じ攻撃を敬太に対して行っています。さすがの敬太も、獣人による立て続けの攻撃を食らううちに激しい痛みが襲ってきます。


 敬太が痛がっている様子に、力獣は仁王立ちで不気味な笑い声を上げています。


「おれたちに歯向かうようなやつは、どうなることになるかたっぷりと味わうことだな。ぐははははは! ぐはははははははは!」

「まだまだいくぜ! おりゃあっ! おりゃあっ! おりゃあっ!」


 獣人たちの攻撃はまだまだ続きますが、そんなことであきらめる敬太ではありません。敬太は痛みをこらえながら、この状況から抜け出す方法を考えています。


「こ、こんなところで……。こんなところでやられてたまるか! ええ~いっ!」


 敬太は痛みに耐えながら上体を起こすと、飛び跳ね攻撃をしていた獣人の両足首を手で握りました。


「お、おい! 何をするんだ!」

「まだまだあきらめないぞ……。えいっ! えいっ! とりゃあ~っ!」


 敬太は力こぶを入れての腕力で、獣人を後方の地面に強く叩きつけました。獣人は、敬太からいきなり攻撃を受けて倒れたままのたうち回っています。


 一方、敬太のほうは痛々しい表情を見せながらも何とか立ち上がることができました。敬太は歯を食いしばりながら、獣人たちへ向かって体当たりしていきます。


「う、うわわっ! いきなり何を……」

「獣人め、これでどうだ! え~いっ! えいえ~いっ!」


 獣人は、敬太による強烈な体当たりをもろに受けてしまいました。獣人のたじろぐ姿を見て、敬太は一気に両足を交互に使った蹴りを何度も食らわせていきます。


「グエッ、グエグエエッ……」


 続けざまに攻撃を受けた獣人は、痛々しい顔つきでそのまま後方へ倒れ込みました。敬太が向きを変えると、不気味な表情を見せていた獣人たちの表情が一変しました。


「今度はこっちから行くぞ! とりゃあっ! とりゃあっ! とりゃあっ!」

「いててっ、いてててててっ……。や、やめてくれ……」

「まだまだ! え~いっ! とりゃあっ! とりゃあっ! とりゃとりゃあっ!」


 敬太は、周りにいる獣人たちへ立て続けに強い蹴りを命中させました。そして、獣人の1人の体の上に乗っかると、両手でその首を絞めようとします。


「グエグエッ……。苦しい……。息ができない……」

「獣人め、これで参ったか!」

「参ったなんて……。絶対に言わないからな……」

「それじゃあ、これならどうだ!」

「グエッ、グエグエグエエッ……。も、もう……。勘弁して……」


 敬太の首絞め攻撃に、獣人は口を開けるのが精一杯でなかなか言い出すことができません。このような状況に、獣人は自らの言葉を振り絞って敬太の前で降参することになりました。


 これを見た他の獣人たちは、敬太の凄まじい力に恐れおののきながら次々と逃げ出して行きます。


「獣人め、ここから逃げるつもりか!」

「あのチビからこれ痛い目に遭うのは……」

「こ、これ以上おめえと戦うのはもうごめんだ……」


 こうして、獣人たちは力獣を残したままその場から去っていきました。盛兵衛たちの家の庭には、敬太と力獣の2人が拳を構えながらお互いに向き合っています。


「力獣! 今度はぼくと勝負だ!」

「ぐはははは! いくら下っ端の獣人をやっつけても、おれには何の意味もなさないぜ」


 口を真一文字に結ぶ敬太に対して、力獣は相変わらず上から目線で不気味な声を上げています。


 そんな力獣の背後に、図体の大きい2人の獣人が槍を持って現れました。その獣人たちは不気味な笑みを浮かべながら、力獣に何か言いたげな表情を見せています。


「双獣炎! 双獣雷! 何しにきたんだ!」

「決まっているだろ。これから、あのチビを処刑するためさ」

「相変わらず役に立たないザコどもを率いるとは、おめえも大変だなあ」


 双子の獣人から続けて言われると、力獣は体を震わせながら怒りをにじませています。力獣にとっては、大権官からの命令を受ける自分たちと別行動を取る双子の獣人のことが気に入りません。


「きさまら、よくもこのおれの前で……」

「まあまあ、そんなことよりもおれたちといっしょに戦ったほうがおめえのためにもなるぜ」

「ぐぐぐぐぐっ……」


 力獣は、横から割り込んできた双獣炎と双獣雷へのいらだちを隠せません。そんな力獣を横目に、双子の獣人は敬太に向かってこう言い切りました。


「ぐはははは! ここが敬太の死に場所になるとはなあ」

「敬太め……。どんなに逃げようとも、おれたちがこの手でおめえを地獄送りにしてやるぜ」


 不気味な笑い声を上げる双子の獣人を前に、敬太は歯を食いしばりながら拳を握りしめています。それは強い相手であっても、決してひるまずに立ち向かおうとする敬太の決意の表れです。

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