表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん  作者: ケンタシノリ
第5章 敬太くんと人食いザメとの戦い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/115

その13

 「獣人め! どうしてこの島にいるんだ?」

 「理由だと? ちっ、そんなの知るか!」


 敬太は、この小さい島で獣人の姿を見るのは初めてです。それ故に、敬太はどうしてこの島にいるのか強い口調で言いましたが、獣人は小さい島にいる理由など一切知らないと横暴な口調で吐き捨てました。


 「おめえのおかげで、わしはこんなにひどい目に遭ったからなあ…。わしの腹部や急所を強く蹴り上げた上に、寝小便をわしの顔に大量にかけやがって…」


 獣人は、自分が真夜中に敬太を襲いかかろうとしながら、逆に敬太から強い足蹴りやおねしょの顔面命中を食らってひどい目に遭ったと怒声で言い放ちました。しかし、敬太は獣人が怒鳴っている内容に戸惑っています。


 「そんなことを言われても…。ぼくは寝ているときに、獣人に足で蹴り続けたり、おしっこを獣人の顔にぶっかけた夢は見たけど」

 「黙れ! たとえ夢の中であろうと無かろうと、おめえがわしの顔に汚い寝小便を命中させたことに変わりないからな!」


 敬太は、獣人が怒声で言い放った内容はあくまで夢の中の出来事であり、実際に獣人を撃退したというのは全く覚えていません。しかし、獣人は再び怒声を上げながら、夢の出来事であるか否かに関係なく、自分の顔面に敬太のおねしょを命中されたというのは紛れも無い事実であると言い放ちました。


 「獣人め、よくもぼくのおねしょを汚いと言ったな! え~い! え~いっ!」


 敬太は、粗暴な態度で怒声で言い放つ獣人への怒りが爆発しました。そして、敬太は獣人に向かって突進すると、獣人の腰を両手でつかんで持ち上げました。


 「このチビめ! おれを高く持ち上げてどこへ行く気だ! やめろ! やめろ!」

 「どうだ! 獣人がどんなに強くても、ぼくは絶対に負けないぞ!」


 獣人は、敬太にいきなり持ち上げられたことで、わめき声を上げながらうろたえています。しかし、敬太は約30貫(約112.5kg)の重量があるといわれる獣人を軽々と持ち上げると、雑草をかき分けながらそのまま山道へ出ました。


 「このチビめ! わしを早く下ろせ! 下ろせ!」

 「えいえ~い! とりゃあっ!」


 獣人は、自分を持ち上げた敬太に向かって早く下ろせと何度も強く口調で叫びました。しかし、敬太はそんな獣人の声をよそに、両腕に力こぶを入れながら獣人をできるだけ高く放り投げました。敬太に思い切り放り投げられた獣人は、浜ノ沖島の頂上にある巨大な岩に強く激突しました。


 敬太は、傾斜のきつい上り坂を駆け上がって行くと、巨大な岩が少しずつ大きく見えてきました。巨大な岩がある場所こそが、浜ノ沖島でもっとも高いところになります。ワンべえも、島の頂上へ向かって坂道を上っていく敬太の後をついて行きました。


 敬太は、小さい島の頂上へ到達すると、目の前の巨大な岩のそばでぐったりしている獣人の姿がありました。


 「これだけ遠くへ放り投げれば、どんなに強い獣人であっても…」


 敬太は、島の頂上まで獣人を思い切り放り投げたことで、あっさりと獣人をやっつけたことに拍子抜けしています。しかし、獣人は敬太が油断している隙を見逃すことはありません。


 「ウリャアアッ! ウリャアアッ!」

 「うわっ! 獣人め、いきなり何をするんだ! いててててっ」


 獣人は、敬太が巨大な岩に近づくのを見計らって、頭突きを2回も続けて食らわしました。その頭突きはあまりにも強烈だったので、地面に尻餅をついた敬太は相当痛がっています。


 「敬太くん、大丈夫かワン?」

 「こんなことなんかで、ぼくはくじけたりしないぞ!」


 ワンべえは、尻餅をついた敬太に大丈夫かと声をかけました。その声を聞いた敬太は、獣人の攻撃でくじけないというと、すぐに立ち上がりました。


 「今度はこっちから行くぞ! えいっ! え~いっ!」


 敬太は、獣人の胴体に飛び蹴りを食らわすと、左右の拳で交互に繰り出しながら殴り続けています。敬太がこれだけ攻撃を何度も加えれば、獣人は真後ろにある巨大な岩にぶつかる衝撃でぐったりと倒れ込むはずです。


 「ぼくがこれだけ何度も蹴り上げたり殴ったりしているのに、どうして平気なんだ?」

 「ふはははは! わしが他の獣人と同じ力と思ったら大間違いというのがまだ分からないようだな!」


 敬太がどんなに蹴り上げても殴っても、目の前にいる獣人は平然とした表情を見せています。獣人は敬太の前で、改めて他の獣人とは違うということを不気味に笑いながら言い放ちました。


 「それだったら、これならどうだ! え~いっ!」

 「おめえの攻撃なんかとっくにお見通しなんだよ! ふはははは!」


 敬太は再びジャンプすると、右足で獣人の胴体を蹴り上げようとしました。しかし、獣人は敬太の攻撃を見抜くと、すぐに自らの左手で敬太の右足をつかみました。


 「うわわっ! わわわっ! 離してよ! 足を離してよ!」

 「いてっ! いてててっ! よくもわしのアゴに何度も蹴りやがって!」


 敬太は、自分の右足を獣人の左手で強く握られているので、左足をバタバタさせながら早く足を離してほしいと叫びながら言いました。すると、バタバタさせていた敬太の左足が獣人のアゴに何度も命中しました。獣人は、痛々しい表情を見せながら強い怒りをあらわにすると、すぐさまに敬太を地面に叩きつけました。


 「ウリャア! ウリャア! ウリャア!」

 「うぐぐぐぐっ、ぐぐぐぐぐっ…」


 獣人は、今までの恨みを込めながら、自らの左手で敬太の右足を持ったままで何度も叩き続けています。これだけ地面に叩きつけられれば、普通なら大ケガどころか死んでもしおかしくない状況です。しかし、敬太はどんなに地面に叩きつけられても、決して弱音を吐くことはありません。


 「おめえには、わしの顔に寝小便を命中させた仕返しをたっぷりとしないといけないなあ。ふはははは!」

 「ぐぐぐぐっ…。んぐぐぐぐっ…」


 獣人は、おねしょを顔面に命中させた敬太に対して、その仕返しとして徹底的に地面に叩き続けています。それでも、敬太は痛いという言葉は一言も言わないで、ひたすらガマンし続けています。


 「もうやめてほしいワン! このままでは敬太くんが死んでしまうワン!」


 あれだけ地面に叩きつけられている敬太の姿を見たワンべえは、このままでは敬太が危ないと感じました。ワンべえは4本足で走りながら獣人に立ち向かうと、そのまま獣人の左腕に噛み付きました。 


 「わわわっ、何するんだ! このチビを始末しようとしている途中でじゃましやがって」

 「早く敬太くんを離すんだワン! 敬太くんを離すんだワン!」


 獣人は、敬太を地面に叩きつけている最中に、いきなり自分の左腕にワンべえが噛み付いてきたのであわてふためいています。ワンべえは、敬太をなんとかして助けようと、敬太の右足を強く握っている獣人の左手に噛み付きました。


 「いたたっ! いたたたっ! いたたたたっ!」


 獣人は、ワンべえに右腕を何度も強く噛まれたので、ガマンできないほどの痛々しい表情を見せながら大声で叫びました。そして、獣人はワンべえに噛まれた左腕をかばうために、自らが強く握っていた敬太の右足をそのまま離すことになりました。


 「こんなに背中が赤く腫れているけど、大丈夫かワン?」

 「ワンべえくん、心配してくれてありがとう! どんなことがあっても、ぼくは獣人を必ずやっつけてみせるからね!」


 敬太の背中は、獣人によって何度も繰り返して地面に叩きつけたので、かなり赤く腫れています。これを見たワンべえは、心配そうに敬太を見ながら大丈夫かと言いました。すると、敬太はワンべえに感謝の言葉を述べながら、獣人を必ずやっつけてみせると元気な笑顔を見せながら言いました。


 一方、獣人のほうはワンべえに噛まれた左腕をかばいながらも、すぐに目の前にいる敬太とワンべえを鋭い目でにらみつけています。


 「ちっ、わしの手でおめえを徹底的に始末しようとしていたのに、あの子犬がじゃましやがって…」

 「獣人がどんなに強くても、ぼくは絶対に逃げたりなんかしないぞ!」


 獣人は、ワンべえがじゃましたおかげで、敬太を地面に叩きつけて地獄送りにするという目論見が崩れました。そのため、獣人は笑顔を見せる敬太とワンべえを見るたびに、ふつふつと怒りが湧き上がっています。しかし、獣人がどんなに鋭い目で敬太をにらみつけても、敬太は決してひるむことはありません。


 「今度はこっちから行くぞ! えいえいえいえいえ~いっ! えいえいえいえいえ~いっ! えいえいえいえいえ~いっ!」


 敬太は、獣人に目掛けてジャンプすると、獣人に右足で飛び蹴りを食らわしました。獣人は、敬太の飛び蹴りのはずみで、背中が後方の巨大な岩に強くぶつかりました。これを見た敬太は、獣人の胴体に再び飛び蹴りをすると、続けざまに両足を使って何度も強く蹴りました。


 「ウゲッ、ウゲッ、ウゲゲッ!」


 獣人は、敬太からわき腹への強烈な蹴りをまともに受けたことで、呼吸ができないほどの大きな激痛でそのまま足が止まってしまいました。


 「え~いっ! え~いっ! えいえ~いっ!」

 「いてててっ! いててててっ!」


 敬太は、再び獣人に向かってそのまま強く体当たりしました。敬太の体当たりが胴体に命中した獣人は、後方にある大きな岩にそのまま背中を強打しました。獣人は、大きな岩に背中が激突したことにより、ガマンできないほどの激痛でそのまま地べたに座り込むように倒れました。


 「えいっ、えいっ、えいっ!」

 「いたたたたたたたたっ!」


 敬太は、地べたでぐったりしている獣人の右足に膝十字固めをかけ始めました。続けざまに繰り出してくる敬太の攻撃に、獣人は顔をゆがめるほどの激しい痛みで苦しみながらもがいています。


 しかし、そんな不利な状況にあっても、獣人は敬太の背中を見ながら一瞬の隙を見つけました。獣人は右手を握りしめると、その拳で敬太の後頭部を思い切り殴りつけました。


 「うわわっ! いててててっ…」

 「よくも、わしにさんざんと痛い目に遭わせやがって…。おめえには、それ以上の苦痛をたっぷりと受けてもらうからな!」


 敬太は、獣人に後頭部を強く殴打されて気絶すると、そのまま膝から地面に崩れ落ちるように倒れました。これを見て、獣人は背中や右足の痛みをこらえながら、ようやく立ち上がることができました。


 敬太から続けざまに攻撃を食らった獣人は、体のあちこちに相当なダメージを受けました。そして、獣人は気絶して倒れ込んだ敬太の姿を見ながら、改めて強い怒りが湧き上がりました。


 「背中がこんなに赤く腫れ上がっているのを見れば見るほど、このチビをさらに痛めつけて地獄送りにするのが今から楽しみだな、ふはははは!」


 地面にうつ伏せの状態で倒れている敬太の背中は、獣人によって何度も叩きつけられて赤く腫れ上がっています。これを見た獣人は、敬太が気絶している今こそが自らの手で敬太を地獄送りにするチャンスと考えています。


 不気味な笑みを浮かべた獣人は、自分の左足で軽くジャンプすると、そのまま敬太の赤く腫れている背中の上に両足で着地するように強く踏みつけました。


 「いてっ、いててててっ…」


 敬太は、獣人に強く踏みつけられたことに気がつくと同時に、ものすごい激痛で顔をゆがめました。


 「ほらほら、死ぬほど痛いだろ。おめえが参ったと言うまで、何度も何度も死ぬほどの苦痛を味わうことになるぞ、ふはははは!」

 「獣人め…。どんなことがあっても、絶対にあきらめないぞ…」


 敬太がとても痛々しい表情を見せても、獣人は決して攻撃を緩める気配はありません。獣人は、赤く腫れ上がった敬太の背中を何度もジャンプしては強く着地し続けています。しかし、これだけ獣人が拷問同然の集中攻撃を加えても、敬太は弱音を吐かないで必死に耐え続けています。


 「もうやめてワン! もうやめてワン!」

 「この子犬め! またじゃましやがって!」


 ワンべえは、敬太への攻撃を続けている獣人に向かって飛びかかると、獣人にこれ以上攻撃を加えるのをやめてほしいと必死に訴えました。


 しかし、獣人はそんなワンべえの願いを聞く耳を一切持ちません。そして、獣人は自分の左腕に噛みつこうとしたワンべえをそのまま地面へ振り落としました。


 「よくもじゃましてくれたな! おめえみたいな子犬には、こうでもしないといけないなあ」

 「いてててっ! いててててっ! ぼくに何をするんだワン!」


 獣人は地面へ下りると、自ら振り落としたワンべえの小さい体を自分の左足で踏みつけました。ワンべえが大きな声で叫んでも、獣人はその声に耳を傾けることはありません。


 そのとき、地面にうつ伏せ状態で倒れている敬太の耳にワンべえの大きな叫び声が入りました。これを聞いた敬太は、赤く腫れている背中の痛みに耐えながら、少しずつ立ち上がりました。


 「何だと? そんなことなんか知るか!」

 「痛いワン! 痛いワン! うええええ~ん! うえええええ~ん!」

 「ふはははは! こうやっていたぶることで、大声で泣き出す姿を見るのがわしにとって楽しみなのさ!」


 獣人は、冷酷な表情を見せながら、ワンべえをまるで地面に生えている雑草のような扱いで踏み続けています。ワンべえが泣こうがわめこうが、獣人は左足で踏み続けるのをやめる気配を見せません。獣人にとって、ワンべえが大声で泣き出す姿を見るのが一番の楽しみなのです。


 「よくも、ぼくの大事な友達であるワンべえくんをこんなにひどい目に…。絶対に許さないぞ!」


 敬太は、ワンべえが獣人の左足で踏まれ続けて痛々しい姿になっているのを見て、獣人に対する怒りが爆発しました。そして、敬太はワンべえを痛めつけた獣人を絶対に許さないと心に決めると、猛烈な勢いで獣人に向かって突進しました。


 「とりゃあっ! えいえいえ~いっ! えいえ~いっ!」

 「わわわっ! いきなり突進しやがって!」

 「ワンべえにひどいことをする獣人にはこうだ! えいえ~いっ!」


 敬太は、ものすごい突進をする勢いで、獣人に強烈な体当たりを食らわせました。敬太の体当たりを食らった勢いで、獣人はワンべえを踏みつけていた左足が離れてしまいました。その間に、ワンべえは獣人の左足が離れたのを見て、すぐに草木の茂っているところに逃げ込みました。


 敬太は、足元がふらついている獣人の姿を見ながら、そのままの勢いで地面に押し倒しました。そして、敬太は仰向けに倒れ込んだ獣人の胴体に両脚で馬乗り状態でまたぐと、獣人の胸の上からそのまま強く押さえ込みました。


 「ぐええっ、ぐえええっ! 上から押さえ込みやがって…」

 「獣人め、よくもワンべえを痛めつけやがって! えいっ! え~いっ!」

 「ぐええええっ! 息苦しい…」


 敬太は獣人の胸の上に馬乗りした状態で、自分の左腕で獣人の右肩と首を抱え込みました。そして、敬太は獣人の左腕を右手で抱えてから自分の頭で押さえると、そのまま獣人に肩固めをかけ始めました。敬太の肩固めによる攻撃を受けている獣人は、次第に首が強く圧迫されると同時に息苦しくなってきました。


 「えいっ! え~いっ! えいえ~いっ!」

 「このチビめ…。うりゃ…、うりゃあ…、うりゃああっ! うりゃあああっ!」

 「うわあっ、わわわわっ!」


 敬太は両腕を使って、獣人の首をさらに強く締め付けようとします。獣人は、あまりの息苦しさに思わず口にしますが、何とかして敬太による肩固めを解こうと激しく暴れ始めました。すると、獣人が敬太による肩固めを解くために激しく暴れまくったので、敬太はその弾みで地面に落ちてしまいました。


 「いててっ、いてててっ…」

 「うりゃああっ! うりゃああああっ!」


 敬太は、地面に落ちたときに痛めている背中を打ったので、痛々しい表情で顔をゆがめました。これを見た獣人はすぐさま立ち上がると、地面に仰向けになっている敬太を両手で胴体を抱きかかえると、そのまま逆さまにして持ち上げました。


 「獣人め、ぼくにいったい何をするつもりだ! 早く下ろしてよ! 下ろしてよ!」

 「何をするつもりだと? 早く下ろせだと? おめえがどう言おうと、そんなことわしの知ったではないわ!」


 敬太は、獣人に早く下ろしてと必死に叫びました。しかし、獣人は敬太の叫び声を無視すると、抱きかかえている敬太の胴体を自らの腕力で強く締めつけました。


 「んぐぐぐぐっ…。んぐぐぐぐぐっ…」

 「ほれほれ、おめえがそうやってガマンしているようだが、そのガマンがいつまで続くのかな? ふはははは!」


 敬太は、獣人の両腕でお腹を締め付けられて苦しそうですが、決して弱音を吐かないでガマンし続けています。それを見た獣人は、ガマンできないようにするために敬太のお腹をさらに強く締め付けようとします。


 「ふはははは! このチビめ、痛いとか苦しいとか言わないなら、ずっと逆さまのままで死ぬまで苦痛が続いてもいいのかな?」

 「んぐぐぐぐっ! 絶対にそんなことは言わないぞ!」


 獣人は、逆さまのままで両腕で持ち上げている敬太にさらなる苦痛を与えるために、お腹を圧迫するように両腕できつく締め付けようとします。それでも、敬太は痛いとも苦しいとも一切口にすることはありません。


 逆さまのままで獣人に持ち上げられた敬太は、赤い腹掛けが下にめくれておちんちんが丸見えになっています。それに気づいた獣人は、すぐに不気味な笑みを浮かべました。


 「かわいいおちんちんが丸見えになったままで、ここがおめえの死に場所になってもいいのかな? ふはははは!」

 「おちんちんが見えたって…。ギュルギュル、ゴロゴロゴロゴロゴロッ~」


 獣人は、ここが敬太の死に場所になってもいいのかと、おちんちんが見えたままの敬太に大笑いしながら言い放ちました。しかし、敬太は獣人を倒すためだったら、たとえおちんちんが丸見えになっても全く恥ずかしがることはありません。


 そのとき、敬太のお腹から大きな音が聞こえてきました。獣人によってお腹を強く締め付けられたこともあり、敬太は急にお腹が痛くなってきました。そして、敬太が思わずお腹に力を入れたそのときのことです。


 「プウウッ! ププウウウウッ! ププウウウウッ!」

 「うわっ! このチビめ、わしの顔にくさいおならをしやがって…」

 「でへへ、元気なおならがいっぱい出ちゃったぞ」


 敬太は、獣人の顔面にでっかいおならを3回続けて命中させました。これには、獣人も敬太のおならを直接食らったので、とてもくさくてたまらない様子です。


 「えいえいっ! えいえいえ~いっ!」

 「いたたたっ、いたたたたたっ! いきなりかかとで強く蹴りやがって…」


 獣人が敬太のおならに動揺している隙に、敬太は逆さまの状態から両脚のかかとを使って、獣人の両肩に強い蹴りを食らわしました。獣人の両肩へ敬太のかかと蹴りが命中したことで、獣人は上半身に強烈な痛みが襲ってきました。それは、自らの両腕で敬太のお腹を強く締め付けると激しい痛みを伴うものです。


 「いてっ、いててっ…。おめえにはこの手で地獄送りにするからな!」

 「お、おしっこ…。ガマンできない…。ガマンできない…」

 「わわっ! やめろ! やめろ! かかとでバタバタするな!」


 獣人は、両肩の激痛に耐えながらも、自らこの手で地獄送りにしようと敬太のお腹に強く圧迫するほどの締め付けを続けています。


 すると、敬太は苦しそうな表情を見せるとともに、両足を再びバタバタしています。敬太は、獣人にずっとお腹を締め付けられているので、急におしっこがもれそうになりました。敬太が両足を何回もバタバタしているのは、おしっこがもれるのを必死にガマンするためです。


 「んぐぐぐぐっ! んぐぐぐぐっ! も、もうガマンできないよ…」

 「いたたたっ! このチビめ、かかとで何回も強く蹴りやがって!」


 敬太はおしっこを必死にガマンしながら、両足のかかとで獣人の両肩を何回も蹴り続けています。敬太によるかかと蹴りを何度も食らったことで、獣人はただでさえ痛めている両肩にさらに大きなダメージを受けることになりました。


 「おめえには、その頭をわしの手で地面に叩きつけて…」


 獣人は敬太への怒りをあらわにすると、敬太を逆さまにしたままでその腹部を両手で持ち上げました。獣人の狙いは、敬太の頭部を地面に強く叩きつけることで、敬太をそのまま地獄送りにすることです。


 しかし、敬太のお腹を持ち上げたその瞬間、獣人の顔面にいきなり噴水らしきものが命中し始めました。


 「ジョパジョパジョパ、ジョパジョパジョジョジョ~ッ」

 「うわうわっ! わわわわっ! このチビめ、また汚い小便をぶっかけやがって!」


 獣人の顔面に命中したのは、敬太がずっとガマンしていた大量のおしっこです。敬太にとっては、今までガマンして苦しい思いをしていたのとは一転して、元気なおしっこがいっぱい出ることですっきりとした表情になりました。


 獣人は、敬太によるおしっこの噴水で顔面がよごれたので、あわてながら両手を使ってぬぐいました。そして、敬太は今までお腹を強く締め付けた獣人が手を放したことで、逆さまのままで頭から地面に落ちました。


 「敬太くん、頭を打っているけど大丈夫ワン?」

 「でへへ、頭を打っちゃってたんこぶができちゃった」


 草木が茂っているところに隠れていたワンべえは、頭から落ちた敬太を見てずぐに駆け寄りました。すると、敬太はすぐに立ち上がると、ワンべえの目の前でいつもの元気な笑顔を見せました。敬太の頭には、地面で打ったときにできたたんこぶがありますが、そんなことは気にしていない様子です。


 「獣人の顔に元気なおならとおしっこをいっぱい命中させちゃったよ! どんなことがあっても、獣人をやっつけるまであきらめないよ!」


 敬太は笑顔を見せながら、獣人の顔面におならやおしっこを命中させたことをワンべえに言いました。そして、獣人がどんなに強くても最後まであきらめないと明るい表情で自ら誓いました。


 そのとき、獣人が鋭い目つきで敬太とワンべえの前へきました。獣人は、怒りに震えながら敬太のいる方向を見ると、声を吐き出すようにぶちまけました。


 「このチビめ…。よくも、わしの顔に小便を何度も何度もぶっかけやがって…。おめえには…、この島から生きて帰れないようにしてやるからな!」

 「獣人め、それはどういう意味なの?」

 「どういう意味だと? だったら、こっちから教えてやろうか! それはなあ、おめえを粉々にして殺してから、わしの手でここにおめえの墓場を作るのさ」


 獣人にとっては、おしっこを顔面に何度もぶっかけられた屈辱を忘れていません。獣人は、この島から生きて帰れないようにしてやると敬太の前で言い切りました。これを聞いた敬太は、正面にいる獣人を見ながら憤然とした面持ちになりました。敬太は、獣人が言い放った死の宣告とも言える言葉を聞いて黙っていられません。


 「獣人め、ぼくはこんなところで死んだりなんかしないぞ!」

 「おめえがそう簡単に無事に戻れると言ったら大間違いだぜ、ふはははは!」


 敬太は、吉之助や常助といっしょに無事に戻ってくるという約束をおみかや新吉と交わしている以上、この島で獣人にやられて死ぬわけにはいきません。しかし、獣人は敬太が言い返した言葉に全く耳を貸そうとせず、逆に無事に戻れると言ったら大間違いと不気味な笑いを浮かべながら言い放ちました。


 「これでも食らえ! うりゃああっ!」

 「んぐぐぐぐっ! んぐぐぐぐぐっ!」


 獣人は、正面にいる敬太に向かって頭突きをしようとしました。しかし、敬太は力こぶを入れながら、頭突きしようとした獣人の頭を両手で食い止めました。


 「このチビめ、わしに対して相変わらず食い下がっているな」

 「ぼくは、獣人をこの手で倒すまで絶対にあきらめないぞ!」


 獣人は、何とかして頭突きで敬太を突き飛ばそうと試み続けますが、敬太も両手でそれを受け止めながら獣人を後方へ押し戻そうとしており、敬太と獣人との戦いは一進一退の状況となっています。


 すると、獣人はこの状況を打開しようと先手を打ってきました。


 「おめえは、わしの攻撃に対して執念深く耐え続けているけど、それも間もなく決着がつきそうだな!」

 「わわっ! わわわわっ!」


 獣人は、自らの頭を強引にそのまま敬太のほうへ突っ込みました。これには、両手で食い止めていた敬太も思わず手を離してしまうと、そのまま尻餅をつきながら地面に倒れ込みました。


 「うりゃああっ! うりゃああっ!」

 「いててててっ…。決着がつきそうって、どういうことなんだ…」

 「それはだな、わしの手でおめえの息の根を止めるからさ! うりゃあっ! うりゃああっ、うりゃあああっ!」


 獣人は、地面に倒れ込んだ敬太の赤い腹掛けを右手でつかむと、いきなり敬太の頭に強烈な頭突きを食らわせました。敬太は、獣人の頭突きを食らった頭を押さえながら、痛々しい表情を見せています。


 それでも、敬太は痛みに耐えながら上半身を起こすと、その場で獣人の言うところの決着がどういう意味なのか聞きました。しかし、獣人はそんなことに耳を貸そうとせずに、再び敬太に対して何度も頭突きを食らわせ続けました。獣人は、敬太を徹底的に始末するためだったら手段を選びません。


 「ぼくは…、まだまだあきらめないぞ…」

 「ちっ、しぶといなあ。おめえには、この手でお仕置きをしないとまだ分からないようだな」


 獣人による頭突きを食らった敬太は、仰向けになるように倒れ込みました。敬太の上半身には、顔面を中心に痛々しいアザが何ヶ所もあります。それでも、敬太はどんなに痛めつけても音を上げる気配を見せません。


 これを見た獣人は、敬太の体を片手でわしづかみにすると、すぐさま目の前にある巨大な岩に敬太を真正面から叩きつけました。大きな岩に叩きつけたときのすさまじさは尋常ではありません。普通の人間が巨大な岩に叩きつけられたら、大ケガどころか命を落としかねないからです。


 「いててっ…、いててててっ…。獣人め、何をするんだ!」

 「これからおめえのかわいいお尻に、この手でたっぷりとお仕置きをするんだよ!」


 大きな岩に叩きつけられた敬太は、、ガマンできないほどの激しい痛みを感じています。しかし、獣人は敬太に更なる苦痛を与えようと、自らの左手で敬太の後ろ首を大きな岩に押さえつけました。そして、獣人は敬太のお尻を見ながら、右手を思い切り真上まで振り上げました。


 ワンべえはこの状況を見ると、敬太を助けるために急いで駆け足で走りながら、獣人に向かって大きくジャンプして飛びかかりました。


 「敬太くんに何をするつもりだワン!」

 「ええい、このチビ犬が! このわしに歯向かうつもりか!」


 ワンべえは大きな口を開けて歯をむきだしにして、獣人の右腕に噛みつこうと試みました。しかし、獣人はワンべえの動きをすぐに察知すると、自らの右腕でワンべえを強く叩きつけました。地面に叩きつけられたワンべえは、あまりの痛さに地面をのたうち回っています。


 「よくも、よくも、ぼくの大事な友達であるワンべえを…」

 「さあ、次はおめえのかわいいお尻にたっぷりお仕置きをするかな。おめえがこのお仕置きで死ぬ姿を見るのが今から楽しみだな、ふはははは!」


 敬太は痛みをこらえながら少し後ろへゆっくり振り向くと、ワンべえが痛々しい表情で転げまわりながら泣き続けています。これを見た敬太は、ワンべえを痛めつけた獣人に対して、怒りの表情を見せながら大声で叫び立てたいような憤りを覚えました。


 しかし、獣人はそんな敬太の強い憤りに耳を傾けようとはしません。獣人は、不気味な笑みを浮かべながら、敬太へのお仕置きを行うのが今から楽しみでたまらない様子です。



 そのころ、新吉の家では、いつものように物干しに新吉がやってしまったおねしょ布団が干されています。そして、物干しの横で立っている新吉の下半身を、おたつが水にぬらした布で拭いています。


 「ばあちゃ、きょうもでっかいおねしょをやっちゃったよ!」


 「ふふふ、新吉くんは敬太くんと同じように、いつもこんなにでっかいおねしょをするんだね。でも、おねしょするのは元気な子供だったら当たり前のことだわ」


 新吉は、今日もでっかくて元気なおねしょをしちゃったことを笑顔を見せながら言いました。それを聞いたおたつも、子供がでっかいおねしょをするのは当たり前と新吉にやさしい言葉をかけました。


 おたつは、井戸から水を汲んだ桶に布を入れて絞ると、その布で新吉のお尻やおちんちんをきれいに拭いています。


 「ばあちゃ、拭いてくれて本当にありがとう!」

 「そんなことを言わなくても大丈夫だよ。わたしは、おねしょのことを全く気にしていないからね」


 新吉はおたつに感謝の言葉を述べると、おたつはそんなことを言わなくても大丈夫と笑顔を見せながら言いました。おたつは、新吉がおねしょしちゃっても全く気にしていない様子です。


 「それにしても、おみかさんは時折苦しそうな顔つきになっているけど、赤ちゃんが生まれる気配がないねえ」


 おたつは、お腹の中に赤ちゃんがいるおみかのことが心配なので、すぐに新吉の家の中へ戻りました。すぐに板の間へ上がると、おたつは昨日からムシロの上でずっと同じ姿勢で座っているおみかの様子を見ました。


 「長老さま、赤ちゃんを生むためにあれだけ苦しい顔つきを見たら、おみかさんの体が本当に心配だわ」

 「う~ん、これだけ大きいお腹だし、いつ生まれてもおかしくないのだが…。あまり時間がかかると命にかかわるからなあ」


 おたつは、おみかの苦しそうな顔つきを見るたびに、もしかしたら命を落とすかもしれないのではと本当に心配になってきました。これを聞いた長老も、出産がおみか自身の生死にかかわることなので、無事に元気な赤ちゃんが生まれてほしいと願っています。


 そのとき、おみかの顔つきが急にかなり苦しそうな表情に変わってきました。おみかは、大きなお腹にいる赤ちゃんを生もうと必死です。


 「ううっ…、ううっ…、うううう~んっ!」

 「おっかあ! おっかあ! 苦しそうだけど、大丈夫なの?」

 「新吉くん、大丈夫だよ…。元気な赤ちゃんを生むからね…」


 おみかは、目の前にある力綱を持ちながらいきみ始めました。そこへ、庭から戻ってきた新吉がおみかのところへやってきました。新吉は、苦しそうな表情で力綱を持ち続けているおみかを心配そうに見ています。新吉の姿を見たおみかは、苦しそうな表情をできるだけ新吉に見せまいと努めようとしています。


 そうは言っても、強い痛みを伴う陣痛が襲うだびに、おみかは苦しい表情を隠すことができません。元気な赤ちゃんを生むためにも、おみかは命がけで力綱を握っています。これを見た長老とおたつは、どうかおみかが無事でいられますようにと祈り続けています。



 浜ノ沖島の上空では、トンビの群れが大きな翼を広げて威風堂々と飛んでいます。


 そのとき、島の頂上から「バシンッ! バシンッ!」と強烈な尻叩きの音が上空に響き渡りました。その凄まじい音が響き渡ると、さすがのトンビもびっくりした様子であわてて島から離れるように去って行きました。


 島の頂上では、獣人が敬太を巨大な岩に押さえつけながら、敬太のお尻に平手打ちによるお仕置きを行っています。獣人は、敬太におしっこやおねしょを顔面に命中されたことへの恨みを一気に晴らそうと右手に力を入れています。


 「バシンッ! ピシャンッ! バシンッ! ピシャンッ!」

 「いてっ! いてててっ!」

 「ふはははは! どうだ、わしの強烈な張り手の威力は! おめえには、わしの顔に寝小便をぶっかけた罰をたっぷり受けてもらうからな!」


 獣人は、おねしょを自分の顔面に命中させた敬太に対する罰と称して、強烈な張り手で敬太のお尻を何度も叩き続けました。その威力は、敬太でもガマンできないほどの凄まじさです。


 「ふはははは! わしが他の獣人と違うのは、どういう意味か分かるか?」

 「どういう意味かだと…」

 「この張り手で、おめえが死ぬまで永久にお仕置きを続けることなのさ! おめえがどう言おうとも手加減は一切しないぞ、ふはははは! ふはははは!」


 獣人は、敬太が死ぬまで一切手加減しないで張り手によるお仕置きを続けることを、不気味な笑い声で言い切りました。敬太は獣人の不気味な笑い声を聞くと、歯ぎしりしながら怒りをにじませました。


 「バシインッ! ピシャンッ! バシインッ! ピシャンッ! ピシャンッ!」

 「んぐぐぐぐっ…。どんなお仕置きを受けようとも、ぼくは絶対に負けないぞ…」


 獣人による敬太へのお仕置きは、決して手を緩めることは一切ありません。それは、まるでお仕置きというよりも、拷問といってもいいくらいの激しいものです。


 強烈な張り手でお尻を叩かれたら、普通なら大人であっても思わず飛び上がるほどの凄まじい痛みを伴います。しかし、敬太は張り手でお尻を何度も叩かれ続けても、必死に痛みをこらえながらガマンし続けています。


 「ふはははは! そんなにガマンするのなら、おめえの息の根を止めるまで叩かないといけないな! バチンッ! ピシャンッ! ハシンッ! ピシャンッ!」

 「どんなことがあっても、ぜったいにあきらめないぞ! んぐぐぐぐっ…」


 弱音を吐かない敬太の姿を見た獣人は、敬太の息の根を止めようと張り手による強烈なお仕置きをそのまま続けることにしました。獣人によるお仕置きを何十回も受け続けたことで、敬太のお尻は見事な紫色になって腫れ上がりました。


 だけど、敬太はお仕置きでお尻の痛みが凄まじくても、それを表情に出すことはありません。お尻を叩かれ続けても、敬太はガマンを続けながら獣人への反撃の機会をうかがっています。


 「このチビめ、まだガマンする気か! まだまだ、この張り手で尻叩きのお仕置きを続けなければ…」


 獣人がお仕置きを何十回続けても、そのたびに敬太はずっとガマンし続けています。これには、獣人もいらだちを隠せない様子です。


 獣人は、敬太でもガマンできないくらいの張り手で叩こうと、自らの右手を真上へ振り上げました。すると、敬太はここぞとばかりに、思い切り自分のお腹に力を入れながら、両膝をしっかりと曲げました。


 そして、獣人が張り手で敬太のお尻を叩こうとしたときのことです。


 「んぐぐぐぐっ! ププウッ! ププウッ! ププウッ!」

 「うっ! わしに向かって、思い切りくさいおならをしやがって…」


 敬太は、お仕置きを受ける寸前で大きなおならを3回も続けて出てしまいました。獣人は、敬太のくさいおならが顔面に直接命中したので、あわてて自分の鼻を右手でつまみました。


 「でへへ、イモをいっぱい食べたおかげで、今日も元気なおならがいっぱい出たぞ!」

 「よくも、わしの顔におしっこやおならを次々と命中しやがって…」


 敬太は照れた顔つきを見せながら、お仕置きで腫れ上がったお尻の痛みも忘れて、元気なおならが出ちゃったことを言いました。一方、獣人はせっかくのお仕置きを台無しにした敬太に対する怒りをあらわにしました。


 すると、敬太はありったけの力を振り絞ると、後ろ向きのままでそのままジャンプしました。突飛な敬太の行動に、獣人は反撃することなくあわてふためきました。


 「とりゃああっ!」

 「うわっ! わわわっ! いきなり何をするんだ…」

 「えいっ! えいえい~っ!」


 敬太は、後ろ向きでジャンプしたままで自分のお尻を突き出すと、そのまま獣人の顔面に体当たりしました。すると、獣人は顔面が敬太のお尻とぶつかったはずみで、地面に後ろから倒れ込みました。


 地面に倒れ込んだ獣人は、敬太に対する反撃を行うためにも、すぐに立ち上がりたいところです。しかし、獣人が上半身を起こそうとしているそのときです。


 「よくもわしの顔面に…。わわわっ! わわわっ!」

 「え~いっ! これでも食らえ! ププププププウウウウ~ッ!」


 獣人の顔面に体当たりした敬太は、地面から起き上がろうとしていた獣人の顔面へお尻から直接命中するように落下しました。そして、敬太は自分のお尻に力を入れると、でっかいおならを獣人の顔面の上に命中させることができました。


 「うっ! このチビめ、何度もおならをしやがって…。本当にくさいし…、お尻に口が塞がれて息ができない…」

 「どうだ! ぼくの力を思い知ったか! ぼくのでっかくて元気なおならはこんなにすごいんだぞ!」


 獣人は、もろに顔面に食らった敬太のおならが本当にくさくてたまらない様子です。敬太は、獣人の苦しそうな表情を見ながら、出たばかりのでっかいおならの威力を誇らしげにアピールするように言いました。


 「えいっ! えいっ! えいえいっ! 獣人め、これでどうだ!」

 「グエッ! グエッ! グエッグエッ…」


 敬太は一旦立ち上がると、獣人に反撃の機会を与える前に、すぐさま軽くジャンプしながら両足を上げました。そして、自分のお尻を下に突き出しながら、獣人の胴体に体当たり攻撃を何回も繰り返しました。敬太によって何回も強烈な攻撃を受けた獣人は、仰向けの状態のままで失神しました。


 そのとき、小さい島の頂上に吉之助と常助がやってきました。常助の両手には、敬太の大好きなでっかい親イモを右手に、登美蔵の形見であるモリを左手にそれぞれ持っています。2人は、敬太とワンべえが戻ってこないのが心配になったので、傾斜のきつい坂道を上って頂上まできました。


 「おおっ、敬太くんもワンべえくんも無事だったか」

 「吉之助さん、常助くん、どうしてここへきたの?」

 「どうしてって、敬太くんたちが戻ってこないから、心配になってここへきたんだぞ」


 吉之助も常助も、敬太たちが戻ってこないのでかなり心配そうな様子でした。それだけに、敬太たちが無事だったのを見てとりあえず一安心しています。


 「それにしても、あんなに体が大きい獣人がいるという噂はよく聞くけど、実際に見たのは初めてだなあ。もしかして、この獣人を倒したのは敬太くんなの?」

 「ぼくは、背中とお尻をいっぱい叩かれてこんなに腫れ上がったけど、めちゃくちゃ強かった獣人をこの手でやっつけることができたよ!」


 吉之助は、地面に仰向けで失神している獣人を見ながら、初めて見る本物の獣人に驚くとともに、小さい体で獣人をやっつけた敬太の凄さにもびっくりしています。


 敬太は、驚きを隠せない様子の吉之助たちに、凄まじい力を持つ獣人を自らの力でやっつけたことを元気な笑顔で言いました。そして、敬太は腫れ上がった背中とお尻を吉之助と常助に見せました。それは、獣人との激しいバトルの証拠ともいえるものです。


 「うわあっ! 敬太くん、背中とお尻が紫色に腫れ上がっっているけど、本当に大丈夫なのか?」

 「こんなに痛々しい姿になっている敬太くんが本当にかわいそうだワン!」


 吉之助たちは、敬太の痛々しい後ろ姿を見て本当に大丈夫なのかと心配そうに見ています。敬太のそばへやってきたワンべえも、心配そうな表情で敬太の姿を眺めています。


 「みんな、そんなに心配しなくても大丈夫だよ! ぼくは獣人をやっつけるためだったら、どんなことでもガマンすることができるよ!」

 「ははは、どんなことがあっても元気で明るいところが敬太くんらしいところだね」

 

 敬太は、みんなが自分の痛々しい姿を心配する声に耳を傾けました。それでも、敬太は獣人をやっつけるためなら、どんなことだってガマンできると元気な声で言いました。これには、吉之助も敬太の元気さと明るさに感心している様子です。


 「ぼくも、敬太くんみたいに強い男の子になりたいよ!」

 「ぼくも最初からこんなに力持ちで強かったわけではなかったよ。常助くんだって、そのうち絶対に強くなるから大丈夫だよ!」


 敬太と吉之助の会話をそばで聞いていた常助が、敬太に強い男の子になりたいという自分の思いを伝えました。すると、敬太はそのうち絶対強くなるから大丈夫と常助を励ましました。


 そのとき、仰向けに倒れて失神していた獣人が再び立ち上がると、敬太が後ろ向きで隙だらけであることに気づきました。


 「あのチビめ、間もなくわしの手で墓場送りにしようとしているのにまだ気づかないとはなあ、ふはははは!」


 獣人は不気味に笑いながら、握り拳をつくって両手をポキポキ鳴らしました。それは、自らの手によって敬太を始末するという獣人の狙いをにじませるものです。


 「敬太くん、後ろから獣人が狙っているぞ! くれぐれも油断するなよ!」

 「吉之助さん、教えてくれてありがとう!」


 獣人が敬太の後方から目撃した吉之助は、敬太に対して注意を促しました。敬太は、注意をしてくれた吉之助に感謝の言葉を述べました。


 「ふはははは! おめえの首をこの手で強く締め上げるからね! 死ねえ!」

 「そうはさせるか! えいっ! えいえいっ!」


 獣人は、敬太の首を強く締め上げようと後方から迫ってきました。しかし、敬太はすぐに後ろを振り向きながら、そのままかかと回し蹴りを強い威力で獣人のひざ裏に食らわせました。


 「いたたたたたっ! いたたたたたたたっ!」

 「どうだ! ぼくのかかと回し蹴りの威力は!」


 獣人は、敬太のかかと回し蹴りが命中されて地面に倒れ込むと、骨に響くほどの強い痛みでのたうち回っています。そして、敬太は続けざまに獣人の右足に膝十字固めをかけ始めました。


 「えいっ! えいっ! えいえいえいっ!」

 「いたたたっ! いたたたたたっ!」


 敬太による膝十字固めは、獣人の右足全体に顔をゆがめるほどの激しい痛みを与えています。獣人といえども、これほどの強いダメージを与えれば、本来ならくたばってもおかしくないはずです。


 獣人は苦痛に耐えながらも、この膝十字固めを何とかして解こうと試みようとします。そこで目をつけたのが、獣人自らの左足です。そして、敬太の左肩に隙があるのを見つけると、獣人はその激痛を押しながら左足のかかとで蹴り上げました。


 「うりゃあっ! うりゃああああっ!」

 「うわっ! いたたっ、いたたたたたっ!」


 敬太は、左肩を獣人のかかとで蹴られたことで、獣人にかけていた膝十字固めが緩んでしまいました。獣人のかかと蹴りによって、敬太は左肩を押さえながら地面に倒れ込みました。


 「これほどまでにわしの体を痛めつけやがって! おめえには、とっておきの死に場所へ今から送ってやるとするかな、ふはははは」

 「うぐぐぐっ…」


 獣人は、地面に倒れている敬太を右手で持ちながら引きずると、そのまま島の頂上の端までやってきました。そこは、海に面した推定約23尺(約70m)の高さがある断崖となっています。その断崖から一歩でも踏み外した場合、岩壁から生えている木々につかむことができないと、そのまま海へ真っ逆さまに落ちてしまいます。


 「ふはははは! ここがおめえにとっての死に場所じゃ。分かるか!」

 「死に場所だと…。こんなところで死んでたまるか!」


 獣人は、誇らしげに不気味な笑みを浮かべながら、この断崖絶壁こそが敬太の死に場所と言い切りました。それでも、敬太は左肩の痛みをこらえながら、自分がここで死ぬわけにはいかないと再び立ち上がりました。


 「ふはははは! 今度こそ痛い目に遭わないと分からないようだな!」

 「どんなことがあっても、獣人をやっつけるまであきらめないぞ!」


 獣人は、敬太が再び立ち上がるのを見ながら、今度こそ痛い目に遭わせて己の無力さを思い知らせようと不気味な笑い声で言いました。しかし、敬太は獣人からどんなに痛めつけられても、目の前にいる獣人をやっつけるまであきらめることはありません。


 「行くぞ! えいっ! えいえいっ! とりゃあっ!」

 「グエッ、グエッ…。うわっ、うわわわっ! とととっ…」


 敬太は、目の前にいる獣人に強烈な拳や蹴りを繰り出して行きました。敬太からの攻撃を次々と食らった獣人は、思わず断崖から足を踏み外す寸前のところで何とか踏みとどまりました。


 「改めてもう一度言うぞ! 他の獣人と違って、わしに同じような攻撃が通用すると思ったら大間違いと言うことをな!」

 「えいっ! えいえいっ…。うわっ、わわわわっ!」


 敬太は、それでも獣人の胴体へ強い拳を続けざまに命中させようとしました。しかし、獣人は同じような攻撃は通用しないぞと言い切ると、自らの右手で素早く繰り出した敬太の強烈な拳を受け止めました。


 そして、獣人は拳を受け止めた右手をあえて放すと、勢いを止められない敬太は断崖からそのまま真っ逆さまに落ちていきました。


 「わわわっ! わわわわわっ!」

 「ふはははは! ふはははは! これでおめえは地獄の底まで真っ逆さまだぜ!」


 獣人は、自ら墓穴を掘って地獄へ落ちていく敬太を見ながら不気味な笑い声を響かせています。敬太が落ちていくときの叫び声は、吉之助たちの耳にも入ってきました。


 「敬太くん! 敬太くん!」

 「敬太くん、死なないでほしいワン!」


 吉之助と常助、そしてワンべえは心配そうな様子で、断崖から落下した敬太がどうなっているのか確かめに行きました。すると、どこかから敬太の声が聞こえてきました。


 「どんなことがあっても、ぼくは決してあきらめたりしないぞ!」

 「敬太くん、どこにいるの?」

 「断崖から海に向かって落ちる途中で、この大きな木につかむことができたよ!」


 敬太は真っ逆さまに落下する途中で、絶壁から生えている大きな木に両手で握ることで海への落下を免れることができました。絶対にあきらめない敬太の思いは、そのまま吉之助たちにも伝わりました。


 「おおっ、敬太くんが無事で何よりだけど、ここから登るのは結構大変だなあ。おれが同じ立場だったらまず無理だろうし…」

 「ぼくは木登りするのがお手の物だし、こんなに高い絶壁であっても断崖まで絶対に登ってみせるぞ!」


 吉之助たちは、敬太が無事だったことに安堵している様子です。しかし、敬太は絶壁から生えている木を握っているままです。そこから断崖まで登るにしても、海に飛び込むにしても、敬太にとっては死と隣り合わせの状態であることに変わりありません。


 そんな状態であっても、敬太は目の前にある絶壁を自らの手で登る決意をしました。敬太は、小さいときから木登りをすることに手慣れているので、大人であっても困難と言える絶壁を絶対に登ってみせると元気な声で言いました。


 しかし、獣人はそんな敬太の心意気をあざ笑うとともに、不気味な笑い声で言い切りました。


 「ふはははは! こんな垂直同然の絶壁を登れる者など誰もいないわ!」

 「獣人め、ぼくはどんなことを言われても、絶対にこの絶壁を登ってみせるからね!」

 「ふはははは! おめえの心意気がいつまで続くか楽しみにしているわ。この絶壁から落ちたら、わしが手懐けた人食いザメたちがおめえをおいしそうに待ち構えているからなあ、ふはははは!」


 断崖の真下には、人食いザメの背びれが次々と現れてきました。そして、時折顔を出すと同時に、鋭い歯をむきだしにしながら大きな口を開けています。獣人は不気味な笑いを見せながら、人食いザメが敬太を噛み砕くことで、真っ赤に染まった血の海になるのを今から心待ちにしているようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ