その8
「う~ん…。お、おしっこがもれそう…」
新吉は、おしっこがもれそうになって目を覚ましました。しかし、真夜中で長老の家の中は真っ暗なので、新吉は次第に心細くなってきました。
「お、おばけなんか恐くないぞ…」
新吉は、心の中でおばけが出ても恐くないと言い聞かせました。しかし、それとは裏腹に、暗闇の中で静寂である空間にいる新吉にとっては、いつ現れるか分からないおばけに対する恐怖で体が震えています。しかし、ここで再び眠りに入ったら、次の日の朝にはでっかい地図を描いたおねしょ布団が長老の家の物干しに干されるのは確実です。
幸いなことに、新吉が寝ているお布団にはまだおねしょをしていません。新吉は、自分の隣で寝ている敬太の体を揺すりながら起こそうとします。
「敬太くん、起きて! 起きて!」
「う~ん…。新吉くん、どうしたの?」
新吉に起こされた敬太は、まだ眠たそうな表情を見せながら、自分の隣にいる新吉のほうへ向きました。
「お、おしっこがしたいの…。敬太くん、いっしょに行こうよ~」
「おしっこ? そういえば、ぼくもおしっこがしたくなったなあ」
「敬太くんもおしっこがしたいの? それだったら、いっしょに外に出ておしっこをしよう!」
新吉は、真夜中で1人でおしっこに行くのは心細いので、敬太にいっしょについてきてほしいとお願いしました。すると、敬太も起きると同時におしっこがしたくなりました。敬太は、すぐに掛け布団をめくるとそのまま立ち上がると、新吉は敬太にいっしょに家の外に出ておしっこをしようと言いました。
そこへ、他の子供たちも2人の声を聞いて、次々と目を覚ましました。
「ぼくもおしっこがしたいよ…」「おしっこがもれそう」
おしっこがしたいのは、敬太と新吉だけではありません。他の子供たちもおしっこがしたくて次々と起きました。子供たちは晩ご飯の後にスイカを食べたので、寝ている間におしっこがもれそうになって目を覚ましました。
「長老さまやばあちゃがぐっすりと寝ているから、外へ出るときも静かに出ないといけないね」
「それじゃあ、音をできるだけ立てないで外へ出ようかな」
新吉や敬太の周りには、他の子供たちも集まってきました。子供たちは、今にもおしっこがもれそうになるので、腹掛けの下の部分を両手で押さえてガマンしています。
でも、長老とおたつはお布団の中でぐっすりと眠っているままです。敬太は、長老たちを起こさないように静かに外へ出ようと小さい声で呼びかけました。そして、敬太はゆっくりと音を立てずに歩くと、板の間から土間へ下りました。新吉や他の子供たちも、音を立てないようにゆっくりと土間のところへ下りて、敬太の後をついて行きました。
そのとき、土間で寝ていたワンべえが目を覚ましました。
「みんな、夜に起きてどこへ行くワン?」
「でへへ、ちょっとおしっこがしたくなったからお外へ出るの」
「だったら、ぼくもいっしょについて行くワン! ぼくがみんなを守るんだワン!」
ワンべえは、土間から外へ出ようとしている敬太たちにどこへ行くのか尋ねました。敬太は、子供たちがおしっこをしたくなったので外へ出るとワンべえに言いました。これを聞いたワンべえは、子供たちを守るためにいっしょについて行くことにしました。
「敬太くん、早く開けてよ!」「おしっこがもれそう…」
「音を立てないように引戸をそっと開けるから、ちょっと待ってね」
子供たちは、おしっこをするのを必死にガマンしながら、敬太に早く引戸を開けてほしいと言いました。敬太は、音を立てないように引戸をそっと開けています。
「引戸を開けたよ! みんな、急いで! 急いで!」
「敬太くん、ありがとう!」「おしっこ、もうガマンできないよ~」
敬太が引戸を開けると、子供たちがおしっこをするために一斉に外へ出ました。真夜中で暗いので、長老の家の周りはあまりよく見えません。でも、敬太と新吉以外の子供たちは、おしっこがガマンできないので、急いで波打ち際の方向へ行きました。
「お~い! そっちは海だぞ!」
新吉は、子供たちが波打ち際から海へ入ろうとしているのを見て、すぐに波打ち際に向かって走りました。敬太も、新吉の後を追って波打ち際へ行きました。
すると、女の子のさちとなつの2人が海の中から出てきました。2人は、海の中でおしっこをするのが終わったので、すっきりした表情で笑顔を見せながら浜辺まで戻ってきました。
波打ち際にいる清三郎と辰六の男の子2人も、おしっこをするために腹掛けを右手でめくっておちんちんが丸見えになりました。
「ぼくたちもすぐにおしっこしよう」「おちっこ(おしっこ)、おちっこ(おしっこ)!」
清三郎と辰六が少し踏ん張ると、波打ち際に向かって元気なおしっこが勢いよく出ました。
「おちっこ(おしっこ)出たよ!」「敬太くんも新吉くんも、早くおしっこしようね」
清三郎も辰六も、おしっこがいっぱい出てすっきりした表情を見せました。清三郎は、敬太と新吉の2人にも早くおしっこをするように促しました。
おしっこがもれそうなのは、敬太も新吉も同じことです。その証拠に、2人は片手で腹掛けの下のところを押さえながらおしっこが出るのをガマンしているのです。
すると、どこからか大人の男性らしき声が聞こえてきました。
「新吉くん、敬太くん、ここで何しているの?」
「えっ? 誰の声かな?」
「ぼくたちの周りを見渡しても誰もいないよ」
男性の声を聞いた敬太と新吉は、自分たちの周りを見渡しました。しかし、いくら見渡しても子供たち以外には誰もいません。真夜中なので、普通なら長老の家の周りには子供たち以外には誰もいないはずです。
「敬太くん、もしかして周りにおばけでもいるのでは…。恐いよ~」
「新吉くん、ぼくが守ってあげるからね!」
新吉は、誰もいないのに声だけが聞こえるので、もしかして自分の周りにおばけがいるかもしれないと恐がっています。これを見た敬太は、自分が守ってあげると新吉に言いました。
そのとき、再び男性の声が聞こえてきました。よく聞くと、その声はどこかで聞き覚えのある声です。
「新吉くん、敬太くん、おれの顔を忘れたのかな?」
「もしかして、さっきの声はおっとうの声なの?」
新吉は、男性の声をよく聞いてみると、その声はサメに襲われて死んでしまった登美蔵の声であることに気づきました。そして、一度目をつむってから再び目を開けてから波打ち際の方向に振り向くと、そこには死んだはずの登美蔵の姿がありました。
「もしかして、この人が登美蔵さん?」
「ははは、敬太くんはおれの顔を見たことがないから、おれの顔を見てびっくりするのは無理もないなあ」
新吉は、登美蔵が自分のお父さんだったので顔もよく覚えています。これに対して、敬太はおみかから登美蔵の話を聞いたことはありましたが、実際に登美蔵の顔を見るのは初めてのことです。登美蔵は、生前と同様に濃い青色のふんどしだけを付けている格好となっています。
登美蔵にとっても、敬太とは初顔合わせとなります。敬太が驚いている様子を見た登美蔵は、自分と初めて会うのでびっくりするのは無理もないと笑みを見せながら言いました。
「ところで、こんな真夜中に起きて何をしているのかな?」
「でへへ、実はその…」「ぼくもちょっと…」
登美蔵は、敬太や新吉がこんな真夜中に起きているのはどうしてなのか尋ねました。敬太や新吉は、片手で腹掛けの下を押さえながらおしっこをガマンしていますが、登美蔵には照れた表情で笑いながらも言い出せません。
「もしかして、おしっこがしたくて起きたのかな?」
「おっとう、どうして分かったの?」
「新吉くんも敬太くんも、いつもだったら朝までぐっすり眠っていて、起きたときにでっかくて元気なおねしょをお布団にやってしまうのを知っているぞ」
登美蔵は、なかなか言い出せない新吉や敬太におしっこがしたいから起きたのかなとやさしい声で言いました。登美蔵は、自分が死んでしまった後も新吉のことが心配だったので、天国から新吉の様子を見ています。
そのとき、いっしょに暮らしている敬太の存在も知ることになるとともに、敬太と新吉が毎日のようにおねしょ布団を物干しに干しながら元気な笑顔を見せるところも登美蔵はよく知っています。
「でも、今日は珍しくおしっこがしたくて夜中に起きてきたんだね。さあ、早くしないとおしっこをもらしちゃうぞ」
「おっとう、どこでおしっこをすればいいの?」
「もう、おしっこがもれそう…」
「ここからもう少し海の中に入ったところですればいいよ」
登美蔵は、敬太と新吉がおしっこがガマンできないので、珍しく夜中に起きたのを見ていました。敬太と新吉は、腹掛けの下を押さえておしっこがガマンしながら、どこでおしっこをすればいいのかを登美蔵に尋ねました。すると、登美蔵は波打ち際からもう少し海の中に入ったところでおしっこをすればいいよと言いました。
「おしっこ、おしっこ、おしっこ」
「もう、ガマンができないよ~」
敬太と新吉は、海の中にひざがつかるところまで歩いて立ち止まると、腹掛けを右手でめくりました。腹掛けをめくっておちんちんが丸見えとなった敬太と新吉は、今までガマンしていたおしっこが勢いよく出始めました。
敬太と新吉は、昨日の晩ご飯の後にスイカを食べたので、おしっこの出る勢いも元気いっぱいです。2人の元気いっぱいのおしっこは海の中に向かってジョボジョボと出続けました。
「おっとう、おしっこがいっぱい出てすっきりしたよ!」
「元気なおしっこがいっぱい出たよ!」
敬太と新吉は、ガマンし続けていたおしっこがいっぱい出たのですっきりした表情になりました。そして、2人は元気な声でおしっこが出てすっきりしたことを登美蔵に言いました。
「みんな、朝になったよ」
「う~ん…。今までのことは夢だったのかな?」
敬太はおたつの声が聞こえたので目を開けると、お布団の中で寝ていることに気づきました。今までの出来事は、敬太が寝ているときの夢の中のことだったのです。
「敬太くんは、かわいい寝顔で気持ち良さそうに寝ていたね。どんな夢を見たかな?」
「実は、夢の中で新吉くんのおっとうに会うことができたんだよ」
「夢の中で登美蔵さんに初めて会うことができたの? 本当によかったね」
おたつは、お布団の中にいる敬太のそばへやってくると、敬太に寝ているときに見た夢の内容を聞いてみました。敬太は、夢の中で登美蔵に会うことができたことをうれしそうに話しました。これを聞いたおたつも、登美蔵に夢の中で会うことができて本当によかったねと敬太に言いました。
そのとき、おたつは敬太が顔を赤らめているので、再び敬太に聞いてみました。
「おやっ、敬太くんの顔が少し赤くなっているけど、どうしたのかな?」
「でへへ、ぼくは夢の続きでおしっこをガマンできなくなって、おしっこを海の中に向かってジョボジョボ出ちゃったよ」
敬太は、夢の続きで元気いっぱいのおしっこを勢いよく出ちゃったことを照れながら言いました。
「ふふふ、敬太くんは夢の中でおしっこがいっぱい出たんだね」
「ばあちゃ、掛け布団をめくってもいいよ! ぼくのお布団をよく見てね!」
おたつは、敬太が夢の中でおしっこをしたことを聞いて目を細めています。敬太は、おたつに掛け布団をめくってもいいよと言うとともに、自分が寝ていたお布団をおたつに見せたいそうです。
そして、おたつは敬太の掛け布団をめくりました。
「あらあら、敬太くんは今日もこんなにでっかいおねしょをやっちゃったんだね」
「でへへ、昨日の晩ご飯の後にスイカを食べたから、いつものようにでっかくて元気なおねしょがいっぱい出ちゃったよ!」
おたつが見た敬太のお布団には、でっかくて元気いっぱいのおねしょが見事に描かれていました。敬太は、元気な男の子にぴったりのベチョベチョおねしょをお布団と赤い腹掛けにやってしまいました。
晩ご飯の後にスイカを食べすぎた敬太は、夢の中でガマンしていたおしっこをしてしまい、お布団に見事にでっかいおねしょをしてしまいました。でも、敬太はいつも通りに、おねしょをしても元気いっぱいの笑顔をおたつに見せています。
そこへ、起きたばかりの長老が敬太のところへやってくると、敬太のおねしょ布団を見ながら柔らかい顔つきで笑みを浮かべました。
「おおっ、敬太くんは今日も元気いっぱいのおねしょの大失敗をしちゃったんだなあ」
「長老さま、今日もでっかいおねしょをしちゃったよ」
「はっはっは、お布団におねしょをするのは、元気な子供だったら当たり前だぞ。わしは、これからも敬太くんがお布団におねしょをするのを楽しみにしているぞ」
敬太は、長老にでっかいおねしょをお布団にやってしまったことを明るい笑顔で言いました。これを聞いた長老は、お布団へのおねしょは元気な子供なら当たり前と言うとともに、敬太がこれからもお布団へおねしょをするのを楽しみにしていると明るい顔つきで言いました。
「おっ、他の子供たちも次々と起きてきたから、お布団におねしょをしているかどうか確かめないといけないなあ」
長老は、敬太以外の子供たちが寝ているところへ見回ることにしました。すると、他の子供たちが次々と目を覚ましました。
「長老さま、おはよう! 実はその…」
「新吉くん、何も言わなくてもわしは分かるよ」
新吉は、長老の顔を見てあいさつすると同時に、自分の顔を赤らめて何か言おうとしました。新吉の顔を見た長老は、新吉が何を言いたかったのかすぐに分かったので、すぐに新吉の掛け布団をめくりました。
「はっはっは、新吉くんも敬太くんと同じようにでっかいおねしょをお布団にしちゃったんだなあ。元気な子供だったら、でっかいおねしょをするのは当たり前のことだぞ」
「えへへ、長老さまにでっかくて大きいおねしょのお布団を見られちゃった」
新吉は、敬太と同じようにでっかくて元気なおねしょをお布団にやってしまいました。長老はこれを見ながら、でっかいおねしょをするのは元気な子供だったら当たり前と新吉に笑顔で励ましました。新吉も、自分がやってしまったおねしょ布団を長老に見られたので、照れた表情で笑顔を見せました。
長老は、他の子供たちの掛け布団もめくりました。すると、他の子供たちも敬太や新吉と同じようにお布団におねしょをやってしまいました。
「おねちょ(おねしょ)しちゃった、えへへ」「またやっちゃった」
「ふふふ、みんながおねしょをしてもわたしは気にしないよ。それに、お布団にでっかいおねしょをするのは、子供たちがいつも元気で健康である証拠だよ」
子供たちは、自分たちがやってしまったおねしょ布団を見ながら照れながら笑顔を見せています。おたつは、そんな子供たちにおねしょをしても気にしないよと励ましました。お布団へおねしょをすることは、元気で健康な子供なら当たり前のことだからです。
敬太たちは、自分たちのおねしょ布団を庭にある物干しに干しています。長老たちは、子供たちがいつもおねしょをすることを知っていたので、あらかじめ長い物干し竿を2本用意しました。そのおかげで、物干しには子供たちがやっちゃった6枚のおねしょ布団を干すことができました。
「はっはっは、敬太くんも新吉くんも、いつも腹掛け1枚だけつけているし、その元気さにはわしも参ってしまうなあ」
「長老さま、これからもお布団にでっかいおねしょをするようにがんばるよ!」
「ぼくも、敬太くんみたいな元気いっぱいのおねしょをお布団に描くぞ!」
「敬太くんや新吉くんがどんなおねしょをお布団に描いているか、わしも楽しみにしているぞ」
長老は、おねしょ布団の前に立っている敬太と新吉の元気な笑顔を見て、2人の元気さには長老自身も参ってしまうほどです。
敬太と新吉は、いずれも腹掛け1枚だけの格好でお布団へでっかいおねしょをするようにがんばると元気な声で言いました。これを聞いた長老も、お布団にどんなおねしょをするのか楽しみにしていると2人を励ましました。
「ギュルギュルギュル、ピ~ゴロゴロッ、ゴロゴロゴロピ~」
「敬太くん、どうしたのかな?」
そのとき、敬太のお腹から何かの前触れとなる音が聞こえました。気になった長老は、敬太にどうしたのかなと聞いてみました。
「長老さま、うんちがガマンできない…。プッ、ププッ、プウウ~ッ!」
「敬太くんがお尻を押さえているということは、もうすぐ元気なうんちが出るのかもしれないなあ」
敬太は、お尻を両手で押さえながら、うんちが出るのを必死にガマンしています。しかし、その間にもおならが何回も出てしまい、敬太はうんちをガマンするのが限界になってきました。
「敬太くん、うんちをガマンするのは体によくないぞ。ここで思い切りお腹に力を入れて、元気なのを出すことじゃ!」
「長老さま、ここでしてもいいの? うんちが出る、うんちが出るっ!」
「はっはっは、ここでうんちしたってわしは気にしていないから大丈夫だぞ!」
長老は、うんちをガマンしないで、お腹に力を入れながら元気なうんちを出すことの大切さを敬太に伝えました。敬太は、うんちのガマンをしながら足をバタバタさせていますが、長老の目の前でうんちをするのは少しためらっています。
しかし、長老は自分の前でうんちをしても気にしていないから大丈夫と敬太を励ましました。これを聞いた敬太は、安心してそのまましゃがみ込みました。
「ブウウウウ~ッ! うんっ、うううんっ、ううううう~んっ」
敬太は、しゃがみ込むと同時にでっかいおならが出ると、そのままお腹とお尻に力を入れながら何度も踏ん張り続けました。そして、苦しい表情を見せながら踏ん張ると、敬太のお腹の中にたまっているものは一気に出ることができました。その瞬間と同時に、敬太はすっきりした表情でいつもの明るい笑顔に戻りました。
「長老さま、こんなにでっかいうんちが出たから、見て見て!」
「おおっ、敬太くんのうんちはわしが考えていたよりもでっかいのが出たなあ」
敬太はすぐに立ち上がると、自分の出たばかりのうんちを見ながら、うれしそうに足をピョンピョン跳ねています。
敬太は、目の前にいる長老に自分のうんちを見てほしいと元気な声で言うと、長老は敬太の足元にあるうんちを見ました。そこには、でっかくて長い黄色いうんちがとぐろを巻いた「巻き巻きうんち」があったので、長老は思わずひっくりした表情を見せました。
「敬太くんは、昨日の晩ご飯のときにでっかい親イモをいっぱい食べたおかげで、これだけのでっかいうんちがいっぱい出たのか! これだけ出たら、敬太くんがいつも元気いっぱいであるのも納得するなあ」
「長老さま、いつも大好きなイモを食べるのが大好きだから、こんなにでっかくて元気なうんちがいっぱい出ちゃうんだよ」
長老は、敬太が晩ご飯のでっかい親イモをたくさん食べていたことを知っています。敬太のうんちを改めて見た長老は、でっかいうんちが出た敬太がいつも元気いっぱいであることに納得しました。
お庭から聞こえるにぎやかな声に誘われて、おたつも敬太たちがいるお庭へ出てきました。おたつは、畑仕事に使う木ぐわを持っています。
「ふふふ、敬太くんはお布団へのおねしょだけでなく、でっかいうんちも元気いっぱいだね。これも、敬太くんがでっかい親イモをいっぱい食べたおかげね」
おたつは、敬太の足元にあるでっかいうんちを見ながら、敬太がおねしょに加えてうんちも元気いっぱいであることに目を細めました。そして、でっかい親イモを食べることでうんちがいっぱい出た敬太を褒めました。
「ばあちゃ、ぼくはいつもこんなにでっかいうんちをするよ! これからも、好き嫌いしないで何でも食べて、元気なうんちが出るようにがんばるぞ!」
「敬太くんは、この調子でこれからもおねしょやうんちがいっぱい出るといいね」
敬太は、自分がしたばかりのでっかくて黄色いとぐろ巻きのうんちをおたつの前で自慢しました。そして、好き嫌いしないで何でも食べて、元気なうんちがいっぱい出るようにがんばると敬太は元気な声で言いました。これを聞いたおたつも、敬太の頭をやさしくなでなでしながら、これからも敬太が元気なおねしょやうんちがいっぱい出るように楽しみにしています。
「よいしょっと、敬太くんのでっかくて元気なうんちはイモ畑の肥やしとしてもぴったりじゃ」
「ばあちゃ、でっかいサトイモがまた育つといいね」
「サトイモがまた育ったら、敬太くんにでっかい親イモを食べさせてあげるからね」
おたつは、木くわで敬太のでっかいうんちをそのまますくい上げました。木くわですくい上げたうんちは、長老たちのイモ畑の肥やしとして使います。
敬太は、自分のでっかいうんちを肥やしにすることで、でっかいサトイモがまた育つことを今から楽しみにしています。これを聞いたおたつも、再びサトイモが育ったら、でっかい親イモを敬太に食べさせてあげるとやさしい笑顔で言いました。
「それはさておき、敬太くんのお尻はうんちがまだいっぱいついているぞ。赤い腹掛けの下のほうもおねしょでぬれているし、海の中へ入ってきれいにしないといけないなあ」
「長老さま、今から海へ入ってちゃんと洗うからね!」
「ぼくたちも海の中へ入って、おねしょしちゃった腹掛けを洗うぞ!」
長老は、敬太のお尻が汚れているのかどうか確かめました。すると、敬太のお尻にはうんちがまだいっぱいついているのが見えました。さらに、敬太の赤い腹掛けの下の部分も朝のおねしょでぬれています。
敬太は、汚れてしまったところを洗うために駆け足で海の中へ入って行きました。これを見た新吉たちも、おねしょでぬれた腹掛けを洗うために次々と波打ち際から海へ入りました。
「敬太くん、それっ! パシャパシャパシャ!」「パシャパシャパシャーン!」
「あっ、ぼくの体に海の水をかけたな! 今度はこっちからお返しだぞ! パシャパシャパシャパシャ!」
子供たちは、腹掛けを海の水で洗い落とすと、そばにいた敬太に後ろから水をかけまくりました。水をかけられた敬太も、お返しとばかりに子供たちに水をパシャパシャと水をかけました。
すると、後ろのほうから新吉の声が聞こえました。
「敬太くん、こっちこっち!」 「新吉くん、どうしたの?」
「それっ! パシャパシャパシャ! パシャーンパシャーン!」
「新吉くん、やったな! パシャパシャパシャーン!」
敬太は、新吉のいる方向へ向きを変えました。すると、新吉はいきなり敬太の顔や体へ水を何回もかけまくりました。でも、敬太のほうもすぐに新吉へ海水をパシャパシャとかけ返しました。
「はっはっは、子供たちは海の中で水を掛け合いっこをしているなあ。やっぱり、小さい子供たちは無邪気で元気いっぱいなところがいいぞ!」
長老は、敬太たちが海に入って水遊びをしているのを見ながら、小さな子供たちの無邪気さと元気さに感心しながら目を細めていました。
楽しかった長老の家でのお泊りも、そろそろ終わりが近づいてきました。敬太たちは、長老とおたつの前でお泊りでの楽しい思い出を話し始めました。
「長老さま、ばあちゃ、ここでのお泊りは本当に楽しかったよ! 晩ご飯のでっかい親イモがおいしかったし、スイカもとってもおいしかったよ!」
「はっはっは、敬太くんがここでのお泊りが楽しいと言ってくれることがわしにとってもうれしいぞ。そして、お布団へのおねしょもでっかいうんちも、敬太くんが元気いっぱいの子供である何よりの証拠だぞ」
「でへへ、長老さま、どうもありがとう! これからもお布団へのおねしょと朝一番のうんちが出るようにがんばるよ!」
敬太は、晩ご飯でのでっかい親イモとスイカをいっぱい食べたことが一番楽しかったと元気な声で言いました。長老も、敬太が自分の家でのお泊りが楽しかったと言ってくれたことがうれしそうです。
そして、敬太がお布団へおねしょをしちゃったことや、でっかいうんちが出ちゃったことは元気な子供であるシンボルです。長老は、元気のシンボルであるおねしょとうんちをしちゃった敬太の頭をなでなでしながら褒めました。
「敬太くんや新吉くんが晩ご飯のお手伝いをしてくれたから、わたしも本当に大助かりだったわ!」
「えへへ、ぼくはいつもおうちで当たり前にやっていることをしただけだよ」
おたつも、晩ご飯のお手伝いを敬太や新吉がしてくれたおかげで大助かりしたことをやさしい笑顔で言いました。これを聞いた新吉は、いつも家でお手伝いしていることを当たり前にしただけとおたつに照れながら言いました。
「子供たちがいっしょにいてくれたおかげで、わしらもにぎやかに過ごすことができたぞ! 本当にありがとうね!」
「長老さま、ばあちゃ、本当にありがとう! またお泊りにきてもいいかな?」
「ふふふ、わたしたちも子供たちがお泊りにくるのをまた楽しみにしているわ」
長老とおたつは、にぎやかに過ごした子供たちとの別れを惜しみながら、子供たちが再び自分たちの家にお泊りにくるのを楽しみにしています。子供たちも、長老たちの家にまたお泊りをしたいと言いながら、長老たちに感謝の言葉を述べました。
「長老さま、ばあちゃ、またくるからね!」
敬太たちは、長老とおたつに手を振りながら別れの言葉を言うと、村の集落にあるそれぞれの家へ戻って行きました。