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《獣人のこども》おねしょ敬太くんの大ぼうけん  作者: ケンタシノリ
第1章 敬太くん、生まれ育った村からの旅立ち
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その2

「敬太、敬太、どこにいるの」

「敬太、おっとうとおっかあはここにいるよ」


 畑仕事をしている敬太の耳に、お父さんとお母さんの声がかすかに聞こえてきました。でも、敬太にはお父さんとお母さんはいないはず……。


 それでも、お父さんとお母さんの声が聞こえるのならすぐ近くにいるはずと、敬太は畑から上がりました。


 お父さんとお母さんの声が聞こえたのは、山の中のさらに奥のほうからでした。敬太は山の中に入って、奥のほうまで行きました。


 しかし、山奥まで行っても敬太のお父さんとお母さんの姿は見えません。


「おっとう、おっかあ、どこにいるの?」


 敬太は、お父さんとお母さんを探し続けていますが、何回呼んでも現れる気配はありません。すると、敬太は腹掛けの下を両手で押さえる格好になりました。


「お、おしっこがもれそう……」


 敬太はおしっこが漏れそうになったので、近くの大きな木のところへ行きました。そして、腹掛けを少しめくると勢いよくおしっこがいっぱい出ました。


 おしっこがいっぱい出たので、敬太はすっきりした気分になりました。しかし、お尻のところが次第にひんやりしてきました。


「あれ、ぼくのお尻のところが何だかひんやりしてきたぞ。あれあれ、これってもしかして……」


 そう気づくと同時に、敬太の目の前の風景が一瞬で暗くなりました。




「あれっ、あれっ?」


 敬太が目を開けたのは、太陽が昇って空が明るくなった次の日の朝のことです。


「敬太、おはよう。今日もぐっすり眠れたかな?」

「ばあちゃ、おはよう。今日もよく眠れたから元気いっぱいだよ」


 おばあちゃんは、布団で寝ている敬太のところへやってきました。そして、敬太に寝ていたときの夢について聞いてみました。


「ところで、敬太が寝ているとき、どんな夢を見たかな?」

「えへへ、ばあちゃ、今日もおしっこがいっぱい出ちゃった夢を見ちゃったよ」

「ふふふ、敬太は今日も元気いっぱいだね」


 敬太は、顔を赤らめながらも笑顔で夢の出来事を言いました。これを聞いたおばあちゃんは、敬太の元気さに目を細めています。


「ばあちゃ、掛け布団をめくってもいい?」

「もしかして、おしっこの夢を見たので、お布団にでっかいのをやっちゃったのかな?」


 おばあちゃんは、敬太の掛け布団をめくりました。すると、敬太のお布団にはでっかくて元気なおねしょがベッチョリと描かれています。そして、敬太がつけている赤い腹掛けもおねしょでぬれています。


「ばあちゃ、今日もでっかいおねしょを元気いっぱいやっちゃったよ!」

「今日の敬太のおねしょも、いつものようにでっかくて元気よくお布団にしちゃったね」


 敬太は、少し恥ずかしがりながらも笑顔でおねしょしちゃったことを言いました。おばあちゃんも、敬太のおねしょを見てやさしい笑顔を見せています。


 物干しに干されたお布団のでっかいおねしょは、まさに敬太が元気いっぱいの男の子であるシンボルです。お庭には、すでに起きていたおじいちゃんがいました。


「おお、今日も敬太のお布団は元気いっぱいのベチョベチョおねしょだなあ。ばあちゃん、朝のでっかいおねしょは敬太が元気な男の子である証拠じゃなあ」

「敬太はいつもでっかいおねしょをするから、いつも元気そのものだね」


「じいちゃ、ばあちゃ、これからもでっかくて元気いっぱいのおねしょをするようにがんばるよ。そして、元気なおねしょをじいちゃとばあちゃに毎日見せるよ」


 おじいちゃんとおばあちゃんは、いつもお布団にでっかいおねしょをする敬太を褒めています。2人のやさしさに、敬太はおねしょ布団が干されている横で元気いっぱいの笑顔を見せています。




 敬太は7歳になっても、お布団にでっかくて元気なおねしょをしてしまう癖がまだ治っていません。敬太は、生まれたときからずっと毎日のようにお布団と赤い腹掛けへのおねしょをやってしまいます。


 でも、お布団にでっかいおねしょをするのは元気な男の子であるシンボルです。おじいちゃんとおばあちゃんも、敬太がお布団へのでっかいおねしょをするのをいつも楽しみにしています。


 お布団にでっかいおねしょをしているのを見て、おじいちゃんとおばあちゃんは敬太が今日も元気であることに目を細めています。2人とも、敬太がいつもおねしょしても怒ることは全くありません。むしろ、毎日のようにおねしょをする敬太を2人はいつも褒めています。




 敬太は近くの川へ行くと、すぐに川の中に飛び込みました。


 敬太は川の中で遊ぶのが大好きなので、泳いだり水遊びをしたりして楽しんでいます。そして、川の中に入っているときにおねしょでぬれちゃった赤い腹掛けも洗います。


 もちろん、遊ぶためだけに川へきたわけではありません。敬太は桶を2つ持ってきたので、その桶に川の水を汲んでから家のほうへ持って行きます。


 水を汲んだ桶は1つ持つだけでも重いけど、敬太は桶を2つ持っても楽々と家のほうまで持って行きました。桶の中に入っている水はご飯を作るときなどに使いますが、水は貴重なものなので決して無駄にするようなことはしません。


「ばあちゃ、川の水を汲んできたよ」

「敬太、いつもありがとう。さあ、朝ご飯ができたから早く食べてね」


 おばあちゃんは、敬太がいつも家の手伝いをしてくれるから大助かりです。水汲みが終わると、敬太が楽しみにしている朝ご飯の時間です。


 敬太の家での朝ご版は、麦入りのご飯と味噌汁です。おばあちゃんは、敬太のために大きな木の器へご飯をいっぱい盛り付けています。


 おじいちゃんもおばあちゃんも、敬太にはご飯をいっぱい食べて元気に育ってほしいと思っています。


 敬太は、大きな器に盛ったご飯を元気もりもり食べています。そして、敬太は大きな器にご飯つぶを1つも残さずにきれいに食べました。


 麦入りご飯と味噌汁をきれいに食べた敬太ですが、おばあちゃんはさらに敬太が大好きなものを持ってきました。


「敬太はいつもお手伝いをよくしているから、大好きな焼きたてのおイモを持ってきたよ。さあ、お食べ」


 おばあちゃんは、敬太のために焼きたての大きなおイモを2つ持ってきました。敬太は、すぐに大きなおイモをほおばりました。


「ばあちゃ、いつも大好きなおイモをやいてくれてありがとう!」


 敬太は、大好きなおイモをおいしそうに食べ続けました。そして、食べ終わるとおばあちゃんに感謝の言葉を述べました。


 敬太は、いっぱい食べたおかげでお腹がいっぱいになりました。


「じいちゃ、ばあちゃ、今日も元気よくお腹いっぱい食べたよ!」

「残さずに何でもいっぱい食べる敬太が、元気いっぱいの子供にすくすくと育つのをわしも楽しみにしているぞ」

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