その5
敬太は、おさいの家での暮らしにもすっかり慣れてきました。田んぼや畑での農作業はもちろんのこと、薪割りや晩ご飯の食べ物探しといったことまでこなしています。
これだけのことを7歳の男の子がするのは、普通なら荷が重いはずです。しかし、敬太はいつもやさしいおさいたちの家族に囲まれているので、家のお手伝いをするのがいつも楽しみです。
そんな中にあっても、三つ子は敬太にへばりついて遊びたいとだだをこねています。
「敬太くん、水遊び、水遊び!」「いっしょに水遊びしよう!」
昼間になると少し暑くなってきたので、三つ子は水遊びをしたいと言っています。
「おっかあ、たらいに水を入れて三つ子といっしょに水遊びしてもいいかな?」
「敬太くん、今はたらいを使わないから、たらいを庭に持ってきてもいいよ」
敬太は家の台所にあるたらいを庭に出すと、用水路に入って桶の中に水を汲みました。家へ戻った敬太は、たらいの中に汲んできた水を入れました。
水が張っているたらいを見た三つ子は、すぐに中へ入ってから水のかけあいっこを始めました。
「敬太くんもおいでよ!」「いっしょに水遊びをするんでしょ!」
敬太も、すぐに三つ子のいるたらいのところへ行きました。すると、三つ子から水をパシャパシャとかけられました。
「でへへ、三つ子から水をかけられちゃった」
水をかけられて照れ笑いをする敬太を見て、三つ子たちは大笑いしています。
そこへ、寺子屋から帰ってきたかよがやってきました。かよは、水遊びしている敬太や三つ子を見ています。
「敬太くんも三つ子も、たらいに水を張って水遊びをしているの? ちょっと暑くなってきたから、あたしもいっしょに水遊びをしていいかな」
「かよちゃんも、ぼくたちといっしょに水遊びしようよ! 楽しいよ!」
「あたしだって、敬太くんや三つ子たちといっしょに水遊びがしたいわ!」
かよは、自分も敬太たちといっしょに水遊びをしたがっています。敬太も、かよといっしょに水遊びをするのを楽しみにしています。
「敬太くん、着物を脱いだらすぐ行くよ!」
かよは、いきなり自分の着物を脱ぎました。着物を脱いだかよは、敬太や三つ子と同じように腹掛け1枚だけになりました。
「敬太くん、あたしの腹掛け1枚だけの格好はかわいいでしょ」
「かよちゃんの腹掛けはとてもかわいいなあ」
「あたしは、着物を汚さないように水遊びとかするときは腹掛けだけになるよ」
かよは、腹掛け1枚だけの格好になった姿を敬太に見せました。その姿は、女の子らしいかわいさと元気さをあわせ持っています。
「かよちゃんも早くきてよ!」「いっしょに遊ぼ!」
三つ子がせがんできたので、かよも水の入ったたらいのところへ行きました。水遊びは、男の子も女の子も関係なく楽しいものです。
「さあ、行くよ! それっ!」
「かよちゃん、お返しだよ! バシャ!バシャ!」
かよは、たらいの水を三つ子にかけ始めました。水をかけられた三つ子も、かよにお返しとばかりに水をバシャバシャとかけました。
「かよちゃん、こっちこっち」
「敬太くん、どうしたの?」
「それそれっ、バシャバシャバシャ!」
「もうっ、敬太くんったら無邪気なんだから!」
敬太は、無邪気にたらいの水をかよに何回もかけました。これには、かよも思わずふくれっ面になりました。
そのとき、水遊びを楽しんでいる三つ子が敬太とかよに何か言い出しました。
「敬太くんもかよちゃんも、ちょっと目をつむってね。ぼくたちが言うまで、目を開けたらだめだよ」
敬太とかよは、三つ子に言われた通りに目をつむりました。少しすると、「もういいよ」と三つ子から言われたので、2人は目を開けました。
「バシャバシャバシャ! バシャバシャシャ!」
敬太とかよは目を開けると、三つ子からいきなり水を次々とかけられました。水をかけられた敬太とかよは、ずぶぬれの姿になってしまいました。
「でへへ、びしょびしょになっちゃった。かよちゃんは?」
「あたしもびしょびしょだよ。もう、三つ子は意地悪なんだから!」
「敬太くん、かよちゃん、びっしょびしょ、びっしょびしょ」
三つ子のちょっとした意地悪に、ずぶぬれになった敬太とかよは参ってしまいました。
こうして、敬太たちは子供らしく元気いっぱいの歓声を上げながら、水遊びをわいわい楽しみました。
水遊びを楽しんだ敬太は、これから晩ご飯で食べる物を探しに山のほうへ行きます。いつものように、三つ子がいっしょに行きたいと敬太の体にへばりついています。
「敬太くんといっしょでなきゃやだ!」「いっしょに行こう! 行こう!」
「じゃあ、ぼくといつものように晩ご飯を探しに行こうか!」
「わ~い! わ~い!」「晩ご飯! 晩ご飯!」
敬太といっしょに晩ご飯探しに行けるので、三つ子も足をピョンピョンさせながら大喜びしています。
「おっかあ、これから山へ晩ご飯を探しに行くよ。それと、その山に春太郎くんがいることを信じて探してみるよ」
「敬太くん、私も春太郎くんが早く見つかることを願っているよ」
敬太は、晩ご飯探しのついでに春太郎を探してみることにしました。おさいも、山にこもったままである春太郎が早く見つかることを願っています。
すると、敬太とおさいが話しているところへかよがやってきました。かよは、勝手に家を出て行った春太郎への不信感を口にしました。
「敬太くん、別に勝手に家を出て行った春太郎をそこまで探さなくても……。あいつなんかいなくても、敬太くんのおかげでお手伝いがこんなに早くできるんだし」
「かよちゃん! 春太郎くんだって本当は寂しいかもしれないのよ。気持ちはよく分かるけど、あまりそういうことを言ってはいけません」
「おっかあ、分かったよ。でも……」
おさいは、春太郎への不信感を口にしたかよをたしなめました。春太郎も同じ家族の一員だからこそ、早く見つかることをおさいはずっと願っているからです。
「おっかあ、かよちゃん、行ってきます!」
「ぼくたちも、敬太くんといっしょに行くよ!」「敬太くんといっしょ、いっしょ」
「敬太くんも三つ子も、暗くなる前に帰ってくるのよ。それと、その山の奥のほうにはどう猛な大イノシシがいるかもしれないから、十分に気をつけるのよ」
敬太は、三つ子を連れて山のほうへ向かいました。山の中へ入ると、晩ご飯さがしはもちろんのこと、春太郎がどこにいるのか探したりもしています。しかし、春太郎が行きそうな場所へ行って探してもなかなかうまくいきません。
敬太たちは[[rb:峰紅村 > みねべにむら]]の周りにある山の中でも、どう猛な大イノシシがいるといわれている、通称イノシシ山へ向かって歩いています。
そのイノシシ山は、かつて村人がどう猛な大イノシシに襲われて死んでしまったことがありました。そのため、イノシシ山へ入ったら生きて帰ることができないといわれています。
おさいの家から南へしばらく歩くと、イノシシ山の中へ入るための山道があります。敬太と三つ子は、その山道を通ってイノシシ山に入ります。
イノシシ山に入ると、そこは昼間であっても日陰になるくらい薄暗い場所となっています。そんな状況であっても、敬太たちは腹掛け1枚だけで歩いたり走ったりしています。
「敬太くん、こわいよ~」
「大丈夫だよ。ぼくが守ってあげるよ!」
三つ子は薄暗いのが不気味に感じたので、敬太にへばりついて離れようとしません。しかし、敬太は薄暗いイノシシ山であっても恐がる様子は全くありません。
薄暗いだけで恐がっていたら、どう猛な大イノシシにも獣人にも立ち向かうことができません。
敬太と三つ子は、イノシシ山のさらに奥まで山道を進んでいきました。この辺までくると、そろそろ晩ご飯となる食べ物が見つかるはずです。
しかし、どこを探せど探せど晩ご飯に必要な食べ物がなかなか見つかりません。敬太は、すみずみまで食べ物を探し続けています。
すると、そこには誰かが乱暴に掘ったような穴がいくつもありました。
「あーっ、ぼくたちが探していたヤマノイモが……」
敬太がその穴の周りを見ると、ヤマノイモを食いちぎったのがいくつか転がっていました。そこにはハの字のような左右対称な形の足跡がありました。それを見た敬太は、すぐにイノシシの足跡であると分かりました。
「イノシシめ、ヤマノイモを食い荒らしやがって」
敬太は、イノシシを見つけるためにに足跡をたどっていくことにしました。しかし、イノシシの足跡をたどっていく途中で、敬太の表情が急に変わりました。
「モジモジしてるけど、どうしたの?」「敬太くん、おしっこが出るの?」
「うっ、お、おしっこが出そう……」
敬太は、今にもおしっこが漏れそうになったのでモジモジしています。腹掛けの下を押さえると、敬太はすぐにおしっこをする場所を探しに走りました。
そのとき、少し走ったところに茶色い大きな岩みたいなところがありました。
「もうガマンできない……。ここでおしっこしよう」
敬太は赤い腹掛けをめくると、その茶色い大きな岩めがけておしっこをし始めました。
「ジョジョジョ、ジョボジョボジョボ、ジョジョジョオオ~」
敬太は、今までガマンしていたおしっこをいっぱい茶色い岩に命中させています。そして、おしっこを全部出し終わった敬太はすっきりした表情でいつものような明るい笑顔に変わりました。
しかし、そのときのことです。敬太の真正面にある茶色い大きな岩が急に激しく動き始めました。
「誰だ! 誰だ! おれ様の体に小便をぶっかけたやつは!」
「わっ、わわわっ!」
激しく動き出した大きな岩のほうから、大きな怒鳴り声が聞こえてきました。その茶色い大きな岩は、時計回りに180度回転させてその正体を現しました。
茶色い岩だと思っていた敬太は、いきなり現れた正体を見て思わずびっくりしました。
「この山の主であるおれ様に、汚い小便をいっぱいぶっかけやがって……。おめえをそのまま生きて帰すわけにはいかないなあ」
敬太ににらみつけてきた茶色い大きな岩の正体は、村人たちが恐れているどう猛な大イノシシです。
大イノシシは、イノシシ山の主として君臨しています。ただでさえ、イノシシ山に人間が入っただけでも鼻息を荒げるどう猛な性格です。敬太からおしっこを命中された大イノシシは、鋭い牙で敬太を倒そうとにらみつけています。
「ぼくだって、ガマンできなかったからそこでおしっこをしただけだい! 元気な子供だったら、おしっこがいっぱい出るのは当たり前だい!」
「黙れ! おれ様に無礼な口を叩きやがって!」
大イノシシは、山の主に対する無礼なことを行った敬太へ強い怒りを見せています。
「敬太くん、こわいよ~」「帰りたいよ~」
「大丈夫だよ! ぼくがどう猛な大イノシシをやっつけるから!」
三つ子は、大イノシシを見て恐くなったので近くの大きな木に隠れています。しかし、敬太は大イノシシであっても立ち向かっていく自信があります。
「おい、何をごちゃごちゃしゃべっているだ! 何も攻撃しないなら、先にこちらから攻撃するぞ!」
敬太が三つ子と話している隙に、大イノシシは牙を敬太の体に突き刺そうと突進してきました。これを察知した敬太は、すぐに上にジャンプしてかわしました。
自分の攻撃がかわされた大イノシシは、突進をやめて向きを変えました。
「よ~し、ぼくも大イノシシに負けないぞ!」
「負けないだと? おめえは自信満々だなあ。だがな、おれ様の攻撃はさっきのと同じと思ったら大間違いだぞ!」
大イノシシは、再び敬太のほうに向かって突進してきました。しかし、敬太もそれに負けじと大イノシシに向かって行くと左右の牙を両手で握りました。
「うぐぐぐぐっ、何をする!」
「あっ、大イノシシめ、やっぱりヤマノイモを食い荒らしたんだな!」
敬太は大イノシシの左右の牙を握っていると、口の中にヤマノイモの食べかすがついていました。
「よくも、ぼくたちの晩ご飯を……。絶対に許さないぞ!」
敬太は大イノシシの胴体を両手で持つと、そのまま真上まで持ち上げました。
「え~いっ! どりゃあっ」
敬太はどう猛な大イノシシを思いっきり投げ飛ばすと、近くにある巨木に強い衝撃を受けながらぶつかりました。
「どうだ、参ったか!」
敬太は、大イノシシが倒れこんでいる巨木の近くへやってきました。しかし、大イノシシはあれだけ強い衝撃を受けたにもかかわらず、残った力を振り絞りながら起き上がってきました。
「よ、よくもおれ様をこんなに痛めつけてくれたな……。だがな、そんなことでくたばるおれ様じゃないぜ」
「大イノシシめ、まだやるのか!」
大イノシシは、鼻息を荒げながらも敬太をにらみつけました。一方、敬太のほうも大イノシシが突進してくるのに備えて立ち構えています。
「おれ様が受けた痛みを、今度はおめえにもそっくり返すからな! ドリャアアッ!」
大イノシシは、再び敬太に向かって突進していきました。すると、敬太は突進してきた大イノシシの胴体をそのまま両手で受け止めました。
「んぐぐぐぐっ! んぐぐぐぐぐ~っ!」
「おめえ、おれ様が突進しようとしているのをことごとく食い止めるとは……」
敬太は、突進を続けようとする大イノシシを必死に食い止めました。突進を食い止めようとする敬太に対して、大イノシシはなおも突進し続けています。それは、周りには土煙が充満するほどの凄まじさです。
そして、敬太は突進を続けようとする大イノシシの胴体を再び持ち上げました。敬太に持ち上げられたどう猛な大イノシシは、突進をするために手足をばたつかせています。しかし、すごい力を持っている敬太の前では、大イノシシがどんなにもがいてもどうしようもありません。
「え~いっ! ええーいっ!」
敬太は、持ち上げた大イノシシを前に投げると、大イノシシは再び巨木に強くぶつかりました。巨木にぶつかった大イノシシは、その場でぐったりと倒れこみました。
倒れこんだ大イノシシは、再び起き上がろうとします。しかし、敬太に何度も巨木に強くぶつかったのでなかなか起き上がることができません。
「大イノシシめ、どうだ! 参ったか!」
「おめえよ、山の主であるおれ様よりもはるかに強いとは…」
敬太のあまりの強さに、どう猛な大イノシシも敬太に降参したようです。そして、大イノシシは、今までの鋭い目つきとはうって変わって、穏やかなやさしい目つきに変わっていました。
「おれ様は、おめえを生意気な子供と思っていたんだ……。でも、おめえの力はおれ様よりもこの山の主にふさわしいと思うぞ」
大イノシシは、敬太のとてつもない力の強さを認めました。そこには、外見におけるどう猛なイメージとは異なる心のやさしい大イノシシの姿がありました。
敬太も大イノシシと戦っていたときとは一変して、いつものような明るい笑顔に戻っていました。
「でも、ぼくはやっぱり大イノシシのほうが山の主にぴったりだよ。ぼくは、大イノシシが本当は心のやさしい動物だと思っているよ」
「あれだけおめえを痛めつけようとしたおれ様のことを、このように思ってくれるなんて……。ううううっ……」
大イノシシは、敬太が言った言葉に感激して思わず涙を流しました。敬太が力強さだけでなく、思いやりのある心のやさしい男の子であることを大イノシシは強く感じました。
「え~いっと! ぼくが大イノシシを起こしてあげたけど、大丈夫?」
「ああ、大丈夫さ。どうもありがとう」
大イノシシは、自分を起こしてくれた敬太に感謝の気持ちでいっぱいです。
「今までこの山に入ったやつは、おれ様に出くわすとすぐに逃げるやつばかりだったな。だけど、おめえはおれ様が牙をむき出しにして突進したときも、堂々と戦ってくれた初めての人間だよ」
「大イノシシが突進したときの力はものすごかったね! ぼくはどんなに強い人間や動物であっても、いつも逃げることなく堂々と立ち向かって戦うよ!」
大イノシシは、自分と真正面から戦った敬太の姿に改めて感心しました。敬太のほうも、大イノシシに両腕の力こぶを見せながら笑顔を見せました。
「大イノシシ、ぼくと友達になってもいいかな?」
「そんなに言うなら、おれ様と友達になろうかな」
敬太と大イノシシは、友達の印としてお互いに握手をしました。
「おめえ、晩ご飯を探しているんだろ?」
「大イノシシ、もしかしてヤマノイモの場所とか分かるの?」
「ああ、おれ様は食べ物がどこにあるのか分かればすぐに食べるさ。晩ご飯がある場所を知っているから、おれ様の後をついてこいよ」
大イノシシは、晩ご飯がある場所を知っているからついてこいと敬太に言いました。敬太が大イノシシの後をついていくと、つる状に伸びているヤマノイモがいくつもあります。
「うわ~い! ヤマノイモがいっぱいあるぞ! ヤマノイモを見つけてくれてどうもありがとう!」
「おめえも晩ご飯の食べ物を探しているんだろ。困ったときはお互いさまさ」
敬太は、ヤマノイモを見つけてくれた大イノシシへ感謝の気持ちを伝えました。
「おめえのおかげで目が覚めたよ。もう二度と人間を襲ったりすることはしないよ。これからは、おめえのために何でも恩返しをしてやるさ」
「大イノシシ、また会うのを楽しみにしているよ!」
大イノシシは恩返しをすることを敬太に約束すると、そのまま山奥へ去っていきました。
これを見た三つ子は、隠れていた大きな木から出て敬太のところへ戻りました。
「敬太くん、どうして大イノシシと仲良くなったの?」「こわくなかった?」
「どんなにどう猛であっても、ぼくが逃げないで堂々と戦えば向こうも分かってくれるよ!」
三つ子は、大イノシシがどうして敬太と仲良くなったのか不思議そうに見ていました。それでも、敬太はどう猛な大イノシシと友達になって、お互いに握手するまでになりました。
すると、少し遠いところに何やら人影らしきものが見えました。
「あれっ? このイノシシ山にぼくたち以外でいるとすれば、もしかして……」
敬太と三つ子は、人影らしきものが見える方向へ走っていきました。すると、その人影は敬太たちが近づくとなぜか遠くのほうへ走り出しました。
「お~い、どうして逃げるの?」
敬太たちはその人影に追いつくために走り続けましたが、途中で見失ってしまいました。そのとき、三つ子の口から何か言い出しました。
「敬太くん、あれは春太郎くんだよ! 春太郎くん!」
「おうちにいたときの春太郎くんとそっくりだよ!」
三つ子は、人影の雰囲気が春太郎とそっくりだと感じています。しかし、太陽が西に傾いて夕方になったので、これ以上春太郎を探すのは難しくなりました。
「それじゃあ、大イノシシが教えてくれたヤマノイモを掘り出してから家へ帰ろう!」
「わ~い、晩ご飯! 晩ご飯!」「ヤマノイモ! ヤマノイモ!」
敬太は、手慣れた様子で根っこから長く伸びたヤマノイモを6本掘り出すことができました。掘り出したばかりのヤマノイモを持った敬太たちは、今日の晩ご飯を楽しみにしながらおさいの家へ戻って行きました。