その11
「ワンべえくん、ありがとう!」
敬太は、獣人の動きを止めたワンべえに感謝の言葉を伝えました。今までよりも強い獣人たちと戦う上で、ワンべえは欠かすことのできない存在です。
そばにいるワンべえの姿を見ながら、今度は敬太が獣人に向かって戦おうと構えています。一方、獣人のほうは自分の仲間を倒した敬太への強い怒りで体が震えています。
「このガキめ……。おれの手で叩きつぶして、おめえを地獄送りにしてやるからな……」
獣人はなぎなたを手にすると、すぐさま敬太の正面へ先端の刃を突こうと攻撃を仕掛けます。
「わわっ!」
「ほれほれ、どうした! さっきまでの威勢のよさはどこへ行ったのかな?」
「そんなこと言われなくたって、ぼくは絶対に負けないから!」
獣人のなぎなた攻撃をかわすと、敬太は左足を踏み込んで飛び上がりました。そこから、敬太は獣人の真正面から飛び蹴りを食らわしました。
「獣人め、食らえ! えいっ! えいえいえいっ!」
「わわわあああああああっ!」
獣人は敬太の強烈な蹴りを繰り返し受けると、後方へ背中から落ちるように倒れてしまいました。これを見た敬太は、さらに攻撃を加えようと獣人の両足を持ち上げようとします。
しかし、獣人は反撃する絶好の機会を決して逃すことはありません。
「うりゃああっ! うりゃああっ!」
「うわああああっ!」
獣人の両足による強烈な蹴りに、敬太は突き飛ばされて床の上に仰向けの状態で倒れ込みました。
「ふはははは! ほんの小さな油断が大きな命取りになることを今から教えてやるとするかな」
「このくらいのことでやられてたまるか!」
再び起き上がった敬太は、獣人からのなぎなた攻撃をかわしながら好機をうかがっています。すると、相手がなぎなたを引っ込めるわずかな瞬間があることに気づきました。
「ふはははは! どうした、すっかりおじけついたのか」
「獣人め、ぼくはそんなことであきらめたりしないぞ!」
敬太は、獣人が突こうとしたなぎなたの柄を左手で握りました。武器による攻撃を封じられた獣人は、この状況から脱しようと試みます。
「放せ、放せ! このチビめ!」
「絶対に放すものか! うぐぐぐぐっ! ぐぐぐぐぐぐっ!」
敬太は、左腕に力こぶを入れるほどの凄まじい力を加えていきます。すると、獣人のなぎなたは大きなヒビが入って2つに割れてしまいました。
「どうだ! 武器がなかったらこっちのものだ!」
「ぬぬぬぬっ……」
くやしさをにじませる獣人を横目に、敬太は待ち望んだ力による勝負ができるとあって自信満々です。
「これでどうだ! とりゃあっ!」
「うわわわっ……。い、いてててててててててっ!」
敬太は、両手で獣人の体をつかんで持ち上げてから後方へ強く叩きつけました。そこから一気に攻撃をしようと、敬太は仰向けに倒れた獣人の顔の手前に座りました。
「え~いっ! えいっ! ぐぐぐぐぐぐぐぐっ……」
「く、苦しい……。息ができない……」
敬太は、自らの両脚を使って獣人の首を強く絞める技をかけています。その絞め技は、獣人にとってかなり息苦しいことが表情からにじみ出ています。
そんなとき、敬太は急にお腹のほうが痛くなってきました。突然の状況に、ガマンすればするほどお尻がムズムズしてきました。
「う、うんちが……。ガマンできない……」
「お、おい! 頼むからここで……」
うんちのガマンが限界に近づく中、敬太は獣人への首絞め技を続けながらとどめを食らわせようとお腹に力を入れました。すると、城の中で敬太による元気いっぱいの音が響き渡りました。
「プウウウウッ! プウウウウウウウ~ッ! プウウウウウウウウウウ~ッ!」
「うっ! 息苦しい……。こんなときにくさいおならを……」
敬太は、獣人の顔面にでっかいおならを3回も続けて出てしまいました。しかし、敬太の攻撃はこれにとどまりません。
「もうガマンできない……。うんっ! うんっ! うんっ! うううんんんんん~っ!」
「わわわわああああっ! や、やめてくれ……」
おならに続いて敬太が行ったのは、獣人の上に大きなうんちをすることです。お尻に力をいれていきみ声を上げながら出たのは、敬太らしい元気で立派なうんちです。
「どうだ、すごいだろ! ぼくの元気いっぱいのおならとうんちは!」
「く、くさい……。あんなに凄まじいとは……」
敬太が続けて放ったおならとうんちによる攻撃で、獣人は仰向けのまま身動きが取れません。そんな中、敬太のほうは赤い腹掛けの下を押さえながら、足をバタバタと踏み鳴らしています。
「も、もれそう……」
「わわわっ! ま、まさか……」
「これでも食らえ! ジョパジョパ、ジョパジョパパ、ジョジョジョジョジョ~ッ……」
敬太は、獣人の顔に目がけて大量のおしっこを命中させています。そのおしっこの勢いは、敬太がいつも元気である立派な証拠といえるものです。
「う、うんちが顔のところに……。や、やめてくれ……」
まだ7歳児の敬太にとって、力強さとともに持っているのがおしっこやうんち、おならといった元気さを前面に出した攻撃です。普段から好き嫌いをすることなく何でも食べるからこそなせる、敬太の無邪気な子供らしいところを獣人に見せつけています。
「よ~し! あとはとどめの一撃だ! んぐぐぐぐぐぐぐっ……」
「わっ、わわわわっ……」
「え~いっ! とりゃああっ!」
敬太は、自らの力で持ち上げた獣人をそのまま空に浮かせました。そこから、いよいよとどめの攻撃が始まります。
「えいっ! えいえいっ! とりゃあ~っ!」
「グエッ、グエエエエエエエエエッ……」
敬太が全力を出して凄まじい力の拳を放つと、これを食らった獣人は城の外にある深い堀へドボンと落ちてしまいました。
見張り役の獣人2人をやっつけた敬太は、拳を握りしめたままでそばにいるワンべえのほうへ向きました。すると、ワンべえは敬太の拳を見て思わず口を開きました。
「敬太くん、握っている手がかなり汚れているワン」
「でへへ、うんちやおしっこで汚れたってどうってことないぞ!
敬太の両手の拳には、獣人の上でしたおしっこ混じりのうんちがべっとりとついています。うんちがたっぷりついた握り拳は、敬太の力強さと元気さ、そして子供らしさを兼ね備えたものです。
元気な笑顔を見せる敬太は、ワンべえとともに扉を開いて獣岩城の奥へと足を進めることにしました。




