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始まり…

 

  

―3週間前―

  

  

  

  

  

『ねぇ!!裕、まだァ!?』


まだ幼さが残っているがとても可愛らしい感じの女の子。

玄関で携帯の時計を見ながら立っている。

  

  

『も、もうちょい待って!!てかいつもいつも結花が早く来すぎなんだよ!!』

  


裕は大急ぎで支度をして玄関へ向かう。

  

  

『遅刻しないょーにと思って毎日来てあげてんでしょ!?感謝しなさいよ!!』

  

結花はムスッとした顔で言った。


  

  

『はいはい…毎日ご苦労様です…(苦笑)んじゃ行きますか。』



ドアに鍵をかけて二人は家を後にする。



二人は今、高校3年生。

裕は家の事情があり今は一人暮らし。

結花は裕の家の二軒隣に住んでいる。


裕と結花は知り合ってまだ2年程だが家が近いことや同じクラスということもありとても仲が良い。


周りから見たらカップルのような感じがするが二人はまだそこまで発展していないようだ。


『ねぇ裕…もぉすぐクリスマスだょ?』

  

いきなりの発言に少しビックリした感じで返事をする。


『あ、あぁ…嫌な時期だよなぁ…周りはみんな彼氏彼女と過ごすってのに…ゆ、結花は今年も友達とホームパーティーかい?』


裕にとってはあまり聞きたくないことだったが思わず聞いてしまった。


『高校生活最後のクリスマスだょ?

今年はやっぱ…好きな人と過ごしたぃょ…』 



裕は結花のこの照れた感じの顔に惚れてしまったらしい。


『えっ?てか結花好きな人いるの!?』


あぁ…また聞いてしまった…



『そりゃ恋の一つや二つしてますょ☆(笑)』


結花は少し照れ気味で言った。


(まじかよ…)


その時後ろから呼び声が聞こえた。


話をかけてきたのは裕の幼なじみの亮介。


『おっはよー♪また毎日毎日二人で登校しちゃって〜♪ラブラブだねぇ♪』


『おはよ♪裕に結花ちゃん』


亮介の隣に居るのは彼女の真紀。


この二人は頭も良いし美男美女。


みんなが羨ましがるカップルだ。



『ば、バカ!!そんなんじゃねぇよ!!』



裕は慌てて否定する。


『(……そんなに思いっきり否定しなくても…)』


結花はボソッと言った。

  

『えっ?結花なんか言った?』


『ぅぅん!!何でもなぃ!!あっ、時間ヤバぃょ?ほら!走るょ!!』


4人は急いで学校へ向かった。




 

―教室―



午前中の授業も一通り終わり昼休み。



クラスの中はいつもと同じように何組かのグループに別れそれぞれが楽しそうに喋ったりと賑やかな雰囲気だ。


裕は机に頬杖を付きながら外をみつめていた。


『裕ッ!!どしたの?ボォ〜っとしちゃって』

裕の視界に笑顔の結花が飛び込んできた。


『うわぁ!!脅かすなよ…どした?』



笑顔だった結花の顔が一瞬にして曇った感じがした。


『ねぇ…いきなりなんだけど死の予告メールなんて信じられる?』


死の予告メール…?


なんだそれ?


馬鹿馬鹿しい…


『はぁ?何それ?第一なんでメールなんだよ…』


占いや予言などは全く信じない裕だったが[死の予告メール]と聞いて思わず笑みがこぼれた。


『なんかさ、最近隣のK高校の生徒が死んだって事件あったじゃん?お母さんが遺品として受け取った携帯のメールにそれらしいのが入ってたって噂だょ?』



確かに1週間程前にK高校の男子生徒がバイク事故で亡くなったのはニュースでやっていた。

警察の発表ではスピードの出しすぎでカーブを曲がりきれずにガードレールに接触となっていた。


『偶然だって!そんなメールもありえないし…結花も子供だな!!』


裕は爆笑しながら言った。


『馬鹿!!!笑わなくたってぃぃぢゃん!!だって私そーゆーの信じちゃうタイプだし…』


怒ったと思ったら次はいきなりシュンとなる…

相変わらず喜怒哀楽が激しい娘だ…


『まぁ、そんなのただの噂だから気にす…』


『あ、あのぅ…』


言い切る前に一人の女生徒が話をかけてきた。




そう…これが悪夢の始まりだった…




回避することのできない…




まるでこうなることが運命と感じざるを得ないような…

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