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聴覚障害者の日常

聴覚障害者の日常 夫婦喧嘩編

作者:ぷかぷか
夫の性格は、学生の頃は我慢強く温厚だった。大抵が、アタシがギャンギャン吠えても聞き流し、アタシが拗ねるといった風で、ケンカにもなっていなかったと思う。
いまは、責任ある仕事をかかえ、毎晩遅くまでお勤めして、体も精神も疲弊しているために余裕がないのか、怒りの沸点が下がったような気がしないでもない。

考えの相違で、お互いが譲れずに我を通した時にケンカの状態になることがある。
いわば、感情的になり声を荒げたり、モノにあたったり、双方とも不満を露にするような状態だ。
断っておくが、夫は決して手をあげたりしない。付き合ってからいままでで数えられないくらいケンカはしたことがあるし、実はアタシからは叩いたりしたことはあるのだが、夫は絶対にアタシを叩かなかった。その代わり、テーブルや壁にダンと叩いたりするけれど……。お陰で壁をぶち抜いたことがあったりはする。(ココで書いといてなんだけど、ナイショね。ぶち抜かれた壁は大工の義父に直してもらいました。)

ケンカのきっかけは些細なことのほうがおおいが、大抵は理解しあえないことがあるからなのだと思う。

一つ、白状しよう。

聞こえないアタシからすれば、生返事、大声で呼んでいるのに聞こえないことが理解できなかった。
それで、「さっきも言ったのに!」「何回も呼んでるのに!」と拗ねるわけだ。
夫は、「聞こえる人間はなんでも聞こえているわけではない、集中している時に声をかけても聞こえない状態になっているし、考え事をしていると話が頭に入ってこないことがある。」と説明してくれたが、納得出来なかったアタシは毎回繰り返されると機嫌がわるくなり当たってしまう。
当然、夫に機嫌の悪さが伝染してしまい、「聞こえない君にはわからんだろうけど!」と雷を落とされてしまうのだ。

アタシには、聞こえる人が聞こえない状態になることを、理屈として理解しがたく、長いことこれが原因のケンカがあった。
しかし、子供たちが産まれ成長してくると、聞こえる人が増えたお陰で認めざるを得なくなった。

夫よ、長い間、わかってあげられなくて本当にごめんね。聞こえの不思議をさらに深めただけなんだけれど、ケンカの原因の一つは減ったよね。
他者は自分と違って当たり前、相手を理解するのは本当に難しいことだとおもいますが、思い込みが、かなり理解度を阻害しているんですね。
人間関係は、突き詰めていけばお互いを尊重しあい理解しあおうとするのが一番大切なこと。
昨今のイジメ報道を見るたび、胸がきしむくらいの悲しみを覚えます。

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