第二章 10話
「今、君達は私の騎士団の部下としてこのギルドで衣食住を提供している、そして、マリアの選定も終わった、君達はもう我が騎士団には必要が無い者となったのだ、もう私に君達を養う意味はない、この意味は分かるな」
元奴隷の子供達は俺の声を聞いていた、意味も通じているだろう、数人が震え、怯えている。
俺は強く拳を握る爪が手に食い込み血がにじむ、だが俺は手も口も止めない。
「だが、君達が生きたいと望めば私は君達を我が騎士団の部下として迎え入れよう、だが、それは過酷な修行の日々になる、私達はこの国の為に強く逞しくならなければならないのだ、本当に生きたいと願うなら我が騎士団の部下となり国の為に死ぬ思いで生き抜く力を手に入れろ、死にたいなら今すぐここを出ていき、餓死すれば良い」
そこには選択肢はなかった、元奴隷の者達はこの時騎士団となった。
だが、俺は苦悩した、なぜ奴隷から解放したはずの者達をまたこのような形で戦争に駆り出されるかもしれない騎士にしなければいけなかったのか。
だが、これは今の最善策だった、この国に元奴隷の難民をずっと養う金は無い。
ならば、今現状出来る事は限られる、見捨てるか、使うか。
騎士として、国に貢献させ、ギルドで依頼をこなし、育てる。
万が一戦争が始まった時、一兵士として動かせるようにしなければいけなかった。
俺は元奴隷たちの言葉を待った、静かな空気の中、一人の男性が手を上げ、声を出した。
「黒野様、そんなに苦しい顔をしないでください」
「・・・どう言う事だ」
「私達は貴方様方に助けられました、あの時未来は絶望しかありえなかったのです、ですが、その絶望に一本の光がさしました、その光は私に生きる希望を与えてくれたのです、私、いや、私達は貴方に感謝するのはともかく怨む事など全くないのです」
「だが・・・私はお前達を金で動く兵士になれと・・・」
俺は、男の言葉に反論するかのように言葉を出すが直に他の者が声を上げる。
「それは奴隷より辛いものなのですか?私は奴隷商人に此処に連れらた1週間、死よりも恐ろしい現実に絶望したのです、奴隷は人間として生きられないです」
「そうです、私達は、助かり解放されマリア様と一緒に貴方様のギルドを何度も見学させていただきました、私達が奴隷では無くその一員になれるのなら、紛争地域でも戦争でも行きます」
「皆、意思は同じです、黒野様は何も苦しむ事はありません、私達はもう黒野様について行くと決めましたから」
「・・・お前達」
俺は、握りしめていた手をほどいた、その手の力は弱まり、そして震えた。
「私達のこの助けられた命、黒野様達の為に使わせてください、どうかよろしくお願いします」
元奴隷たちは俺に深く礼をしてお願いする。
「・・・では、契約は成立だ、これから我がギルドの下に国の為、騎士として働いてもらう、それは生半可な特訓ではないぞ、常に死と隣り合わせの修行だ、心して掛かれ」
「「「「はい!」」」」
「・・・よろしく頼む」
俺は、元奴隷たちとの契約を交わし直に立ち去る、これ以上いると俺は耐えられそうになかったからだ、俺は空を見て少しうるんだ瞳を乾かす。
まだ、準備の為の準備も終わっていない、俺は次の場所へ急ぐ。
「クレマン様、今日は急な話で申し訳ございません」
俺は昨日、レイラに頼み王との謁見を取り合わせていた。
「良い、私の耳にも入って来ている、リーディアの事だろう、話せ」
「はい、今、私達騎士団はリーディアの状況を知るべく情報捜査をしております、まだリーディアの状況は把握しておりませんが、情報が来るまで待っている時間ありません、あの国は危険なのです」
「何故、そこまでお前の様な男がそこまで焦っているのだ、何か理由でもあるのか」
「はい、これから私が話す事は全て事実です、それをどうか理解していただければ理由は分かります、どうか信じてください」
「良い、話せ、お前には例があるどんな戯言でも信じようではないか」
「ありがとうございます」
俺は王クレマンに礼をして俺達の話をする。
「ではお前達は、この世界と別の世界の人間で、私達のこれから起こる歴史に干渉し、新しい歴史を作り変えていると言うのか」
「はい、私の知っている歴史ではリーディアはあの戦争で負け、そのまま廃れ消えていった国だったのです」
「では、何故リーディアは勝利した、お前たちにも召喚された者が居たのか」
「はい、私達はごく一部でしかございません、私達は約5000人はこの世界に召喚せれております、そしてその全員が召喚された場所がリーディアなのです」
「そうか、だから召喚された者がリーディアに味方をしたのか」
「はい、今の所そう考えるのが妥当です、そして私達はこの世界の住人より、成長が早いのが分かっています、たった一年で私達はギルドランクB以上になったのもそれが理由です」
「そうか、では今、リーディアの騎士達はお前達と同等、又はそれ以上という事か・・・」
クレマンは俺の話を聞いて信じ、リーディアがどれだけの勢力を持っているのか理解したようだ、クレマンは苦しい表情をして俺に質問をする。
「とてもリーディアが驚異的力を付けている可能性があるのは分かった、だがお前が来たと言う事は打開策があるのだろう?」
「はい、今日はそれをお願いにやってきたのです」
俺はクレマンにそう言ってこれから起きるかもしれない戦争に立ち向かうべく話す。
「私が、情報を確保し、その状況が私の予想範囲内でしたらリーディアの国周辺の国全てと同盟を組んでください、今、リーディアとの戦争に勝つにはこの方法しかありません」
こうして戦争に向けて第一歩が動き出した。
大変申し訳ございません。
毎日投稿が出来なくなりました・・・
これからゆっくり投稿させていただきます。
本当にすみません・・・




