第一章 26話
今回で第一章が終わります。
様々な複線を残しちゃっていますが、第二章から少しずつ解き明かしていく予定です。
今、書き貯めがほとんど残って無いため急いで書き上げているのですが、全然進みません・・・。
第二章までは毎日投稿を続けるつもりでいましたが、このままだと間に合わないかもしれません・・・。
読者の皆様のが見て頂き、お気に入り登録や評価までして頂き本当に感謝しております、そのおかげで今まで何とか毎日投稿を続けております。
まだまだ完結までの道のりは遠いですが、これからもお付き合いよろしくお願いします。
結論から言うとスレイブタウンは崩壊した。
俺達は気絶したデブ社長を転がしながら運び、王に確認を取り、牢屋にぶち込んだ。
スレイブタウンは様々な横領や、詐欺を繰り返していた事が発覚。
まぁ調べるまでもなく、会社に落ちている資料が全てそれを証明した。
残っていた従業員は全て盗賊の出や無法者ばかりで中には指名手配者すらいた。
そのため従業員の8割は社長同様牢屋行き。
残り2割は身分の低い奴隷上がりの者で国とギルドが保護した。
そしてスレイブタウンの社長は5年前位に変っていた。
前社長はスレイブタウンを国が掲げた限度ギリギリまで発展させ、様々な所で金を作り、今の社長と変わり消えていった、その後を記した資料は全くなく、名前すら偽名を使い分けハッキリとしたものは出てこなかった。
結局分かったのは前社長は金を手に入れ興味をなくしたこのスレイブタウンを適当なものに手渡し放棄したと言う事だけだった。
問題は奴隷だった、まだ親や家のある者は元いた国や街に返したが、大半は親も家もない難民だった。
更に調教され出荷寸前の奴隷は感情をほとんど失っていた。
奴隷制度の無い日本で生まれた俺達はその姿を見た時、歯を食いしばって何かに耐えた。
様々な感情が芽生えた、もしかしたら自分もこの様な姿になっていたのかもしれない恐怖、その姿にならなくて良かったという安堵。
だが、その表情をこの子達の前でしてはいけないと、自分の何かが訴えた。
そして、ギルドは資金を全て解放された奴隷を引き取るために費やすことになった。
だが、悲しみ、苦しみだけではなかった。
会社は早急に整理され、我が忠則率いるギルドの住処となった。
そして今まで苦しめられていた国の人々に感謝をされ、一気に国中にギルドの名前が広がり、レイド国の騎士としてこのギルドは認められた。
そして、従業員と言う名の指名手配犯を捕まえた騎士達数人がランクAに上昇、国からの特別報酬を手にした。
そして、更に特別ゲストも現れた。
「はぁはぁ、すみません遅れました・・・」
「全くだ、私が居ながらこんなにも時間が掛かるとは」
「うるさいわ!馬鹿兄、もう喋るな、あんたのせいでこんなにも時間が掛かったんでしょ」
デリルで別れた佐藤兄弟が久しぶりに私達の所に現れたのだ。
メイド服を着た女性を連れて。
「まぁお二人ともそれ位にしてください、このままだと私のご主人様が分からずじまいです」
「そ、そうよね、こんな奴を相手にしてる暇は無いわ、先輩達遅れてすみませんでした!何とかメイド長を連れて帰る事が出来ました!」
「いえ、私はただの旅人メイドですわ、メイド長などとても・・・」
そうして、ギルドに小説内の伝説のメイド長がやって来たのだ。
それから1週間が経過し、今でも大きな会社をギルド本部として内装工事と再建設作業が行われている中、ギルドメンバーは王にパーティーを招待された。
「やべぇ、スーツじゃねぇよこれ、タキシードって奴か、それに初めて本物の城って奴に入ったぜ」
「そうね、わたしもこんなドレス初めて着たわ、こんなにも動き辛いのね」
「俺はこの城は3度目だがこんな服は初めてだな、完全に着せられてる感がある」
俺と忠則とあかりは慣れない服装に戸惑いながら、レイド国の城で歓迎パーティに参加していた。
他のメンバーは騎士として参加しているため、統一された国の騎士としての装備を渡され、重装備を外し、マントを羽織って動きやすい格好をしていた。
その姿は、皆年齢が低く、背も高くないため、とても騎士とは思えない可愛らしい集団だった。
その可愛らしい集団は初めての城と、様々な食事に驚き、とても犯罪者を捕まえた者とは思えないほど目がキラキラと輝く子供だった。
子供の騎士達以外にも、貴族と思われる者たちが居た。
貴族は150人程度、完全に2つのグループに分かれていた。
1つは、あまり裕福で無さそうな貴族、この人たちは、このパーティーを喜んで参加していた、多分、スレイブタウンによって土地や資産を取られていたのだろう。
もう1つは、その逆だ、スレイブタウンにより、富を得ていたものだろう。
会社の資料により様々な貴族たちが犯罪に手を染めていた事が発覚し、捕まったが、全てではなかったのだろう、上手く情報を滅却し、難を逃れた者達だろう。
「まだ、この国の問題は解決していないな・・・」
俺はそう呟いて、これからの事について色々考えていた。
そして、考えがまとまらず数分が経った頃、王の椅子のある大きな部屋のドアから王が登場した。
「我が城に着て頂きありがとう、堅苦しい挨拶は必要ないだろう今日は大いに楽しんでくれ」
王は城の中に居る者達へ聞こえるようにそう言い放ち待機していたメイド達が一斉に動き出した。
音楽家達が演奏を開始した。
音楽はこの城全体を覆い、パーティーの開始を告げる鐘の音のように招かれた者達を盛り上げた。
忠則は騎士の子供たちと一緒に豪華な食事の方に消えていった。
そして、消えた忠則をあかりと二人で見送りメイドに飲み物を貰い今までの事を話していた。
だが、数分後、あかりは顔を少し赤く染めていた。
「おい・・・あかり、それお酒じゃないか?」
「え、あら本当だわぁ」
「なぜ、飲んで確認するんだ?既に飲んでいるのに・・・」
「そうよねぁなんでかしら」
あかりは酒が強くない。
まぁ悪酔いはしない筈だがあまり酔った人間と関わり合いたくわない・・・。
すると、少し離れた所から同世代と思われる貴族の男性が現れた。
男はあかりに用事があるようだった、まぁ今のあかりは三つ編みでもなければ丸メガネでも無い、美人と呼ばれる人種だった。
男性に声をかけられても文句の無い人物だ。
更に程よく酔ったあかりは顔を赤く染め良い感じに男たちを誘っていた。
俺は貴族の男性に快くあかりを譲った。
男性は俺の行動を見てありがとうとアイコンタクトをくれた。
せいぜい会話が成り立つように頑張ってくれと心で応援して俺は裏庭と呼ぶには問題があるのではないかと思う豪華な庭園に出た。
大きな月が小さな噴水に浮かんで城から音楽が聞こえてくる。
子供達が食事を奪い合っているのが聞こえるのが少し変だが、それすらも静かに流れるように感じた、俺は噴水近くのベンチに座り、残っていたシャンパンをゆっくりと飲んでいた。
俺はパーティーをあまり楽しめていなかった、理由は分かり切っていた、自分だけ2人より劣っていると言う現実に押しつぶされてしまわない様に必死に自分と戦っていた。
それは様々な自分をただ抑えつけるようにここ数カ月何とか耐える事が出来ていた。
でも、それはもう限界に近付いているのも自分で分かっていた。
「ちくしょう・・・」
俺は一人噴水の前で涙を流し、様々な感情を表に出した。
「なぜ、俺には力が無い・・・、俺はこの世界では英雄にはなれないのか・・・」
嗚咽を繰り返しながら言葉を発した。
「貴方は既にこの国の英雄ですよ?なぜそんなに悲しんでいるのですか?」
気が付くと噴水の向こうに女性の姿が居た。
俺は驚いて無いた顔を隠すため噴水に顔を突っ込んだ。
「噴水の水は綺麗では無いですよ、お水が欲しいなら私が持って来ましょうか?」
女性は驚きも笑いもせず黒野の行動にそう言った。
「見たのか?」
「えぇ私、男性がこんな風に泣いているのは初めて見ました」
女性は俺の問いに答える。
俺は、様々な感情で冷静さを完全に失っていた。
そして俺は女性の前で涙を見せた事が恥ずかしくなりその場から逃げようとした。
だがそれをその女性はさせてくれなかった。
「逃げないで、今見た事は誰にも言わない、約束するわ」
女性は黒野の手を掴んで離さなかった。
黒野は女性の手を振りほどく事すら出来ないくらい混乱していた。
だが、今までの混乱は彼女と目があった時に全て消えた。
いや、消えたと言うのは少し誤りがあるかもしれない、それは感情の上書きだった。
噴水越しに見ていたその女性は今、月明りに照らされて黒野の目の前にあった。
「ねぇ、私は貴方と話をしたいの、貴方と言う人間を知りたいの」
黒野はその女性が何を言っているかは分かっていなかった。
女性の姿、表情、声、全てに魅入られていた。
そう、これは黒野が異世界に来て初めて生まれた感情だった。
第一章終了です、次から番外編を数話投稿して第二章に移りたいと思っております。
一応、この様な終わり方をしたので、タグに恋愛を追加しました。
作者の力で恋愛要素を加える事が出来るか心配ですが頑張っていきたいと思っております。
それと、作者はあまりハーレム要素が好きではありませんのであまりキャラは増やさない予定です。
何とか様々な内容を混ぜながら物語を進めていきたいと思います。
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一部キャラの口調を修正させていただきました。
キャラのイメージを崩してしまい申し訳ございません。




