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イン・ザ・ファンタジーノベル  作者: kurora
第一章 ~小説の世界で~
18/47

第一章 16話

昨日は、リアルでの問題で遅くなってしまったため早く投稿します。

そして何とかスランプを打破しました。

だけどあんまり出来は良くないかもしれないです・・・


でも第二章までの道のりは決まりましたので、何とか毎日更新を続けたいと思います。


更に、お気に入り小説に登録してくださった読者様、本当にありがとうございます、これを糧に更新を頑張っていきたいと思います。

黒野は昔、忠則がボクシングの高校大会を見に行った時があった。

その時の忠則は別人だった、俺の前で見せる表情とはまるで逆だった。

相手のグローブが忠則に届く前からその表情は辛そうだった、何かに抗っているような、縛られているような辛そうな顔はその大会の間続いた。


その大会の成績はとても良いものだったが、忠則の表情は変わらなかった。

その事を問いただすと、忠則は笑いながらこう答えていた。


「俺は作られた世界の主人公じゃないって思っちまったんだよ」


その時の忠則は、いつもの中二病混じりの冗談とは違った。

心の悲鳴や苦痛を隠すような悲しい苦笑いだった。

俺はこの大会が始まる前にその場面を思い出した、それが唯一の不安だった。


だが、その不安は一瞬にして消えた。

忠則が舞台に立った時の表情は高校の時のあの暗い顔を打ち消した。

その表情は俺を震え上がらせた、いつもと違う表情の忠則、だが、その表情はあの時の苦しさはとは違った。

その目は研ぎ澄まされていた、身体から放たれた闘士は俺の知っている忠則とは別人だった。

そして、確信した、忠則は自分の舞台の上に立つ世界に出会ったのだと。

その舞台の主人公は今までの努力や感情を全て表現していたように見えた。

見ていた観客を圧倒させた試合は既に芸術だった。


俺達は忠則を迎えに行った、忠則は子供のように自慢げに笑っていた。

忠則は何回か攻撃を受けて切り傷が多数あったがあかりの簡易回復魔術のリペアで全て治った。


「それにしてもたー君はどれだけ強いのよ・・・」

「俺は最強だぜ、それより、俺は一番最初の試合だったんだ、他の奴らも見てみようぜ」


忠則は、既に他の試合を気にしていた。

俺達は忠則と一緒に観戦席へと向かった。


他の試合は、1つを除いて全て似たような試合だった。

剣術や武術の入り混じる様々な戦いだったが、忠則の試合を見た後だと、レベルが一段下がったようだった。


だが、その試合は違った、それはやはりライオルと名乗る剣士だった。

ライオルの攻撃は早さだった。

小説の通り、皆が剣を振り上げていた時には数回切り付けていた。

それは電光石火という言葉が当てはまった。

全ての身体の動きに無駄が無かった、足を前に出す動作、剣を突き出す動作、身体を伸ばす動作、全てが洗練されていた。


そう、既にライオルの剣術は天才の領域に達していた。

だがなぜ、成人も迎えていないライオルがそこまでの剣術を身に着けていたのか?

それは自身の嫌いな国の戦争だった、貴族は戦争に対して騎士として戦場に出て指揮をとらなければならない。

だがライオルは指揮をとらなかった、親の反対を押し切り自身が出陣する戦争で常に前線で戦い続けていたのだ。

だから、このような大会は常に死線を切り抜けてきたライオルには遊びでしかなかった。

自分以外の全ての攻撃が隙を作るだけの動作にしか見えていなかったのだ。

ただその隙を突けば良いだけのライオルは次々に敵を切り倒していった。

それは、見るものを圧倒した、ただ一人だけ時間の経過速度が違うようだった。

敵は剣を振りおろしきる前に切り崩されてしまう。

数の多さは何の利点にすらならなかった、攻撃後に無駄な動きが無かったのだ、川の流れの如く敵を崩しながら動き続ける、次第に周りはライオルの攻撃から逃げる様に距離をとった。

だがそれもこの戦いを放棄しているだけだった。


既に30人程度戦闘不能にしたライオルは、逃げる敵は追わなかった。

既に勝敗は決していたからだ。

ついに38人目を切り崩したライオルは逃げている相手に告げる。


「さぁ武器を捨てろ、お前らは此処で倒れている奴らより弱いうえに腰ぬけだ、さぁ負けを認めろ」


ライオルは冷たく言い放った、それは最終宣告だった、その目は戦争を思い出しているのだろうか、冷酷なまでのその視線は、相手を震え上がらせ武器を握る力さえ奪った。

その一瞬であたりは静まり返った、ライオル以外の人間が同時に武器を落としたのだ。

そしてその光景に気がついた司会が勝者を告げると同時に爆発的な歓声が会場を覆った。


「小説と実際の映像じゃやっぱり迫力が違うわね・・・」

「やはり、剣士ライオルだね、この時点で此処まで強いなんてね」

「いや、これくらい強くないと後の英雄にはならないだろうぜ」


忠則はライオルの試合を見て臆することなく逆に戦う時を待ち望んでいるような表情さえ見えた。

黒野はライオルの能力に驚きはしていたが、不安は無かった、それは戦術や、得手不得手の問題ではなかった、ただ仲間を信じていた。

忠則は俺達に約束を破った事は無かった、冗談や嘘はついていたが、約束はどんな事も守った。

そう、忠則は約束をしたのだ、黒野とあかりに勝つと宣言した。

だから俺はたとえ相手が忠則よりどれだけ強くとも勝てると信じた。


「まぁ明日は決勝前の準備運動だ、退屈かもしれんな」


忠則は笑っている、俺もあかりもつられて笑っていた。

この時、物語の主人公は忠則だった。


小説内の主人公、ライオルの内容を入れました。

そのため、次回にトーナメントは持ち越しです。


まだまだ続きますので、飽きずに作者に付き合ってやってください。

よろしくお願いします。

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