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イン・ザ・ファンタジーノベル  作者: kurora
第一章 ~小説の世界で~
17/47

第一章 15話

今日は遅くなってしまいました。


毎日更新は大変ですね。

だけど頑張ります。

大会の開始は俺達がデリルに着いてから3日後だった。

結構ギリギリだったなと思いながら大会に向けて準備をする。

準備と言ったところで、今回出場するのは、忠則だけなのだが、これから出場する有力候補は調べてないといけない。


まず問題はライオル。

今の所、俺は実際に見た事が無いから外見自体はわかっていない。

だが、その能力や強さだけははっきりと理解している。

だがこれは実際に見た事ある忠則の方が理解しているだろう、これは俺が介入する所ではないだろう。


「実際、わからないのは俺等と同じ召喚された人達だな」


そうなのだ、俺がこのデリルに来て2日目なのだが、確実に日本人と思われる人間が数人確認できた。

俺等と同じ、大会を目的としているのは明らかだった。

本当の問題はこっちだ、忠則の能力向上を見る限り、他の日本人も何かに対して能力向上されている可能性がある。

そして、この国に訪れている日本人は、まだ召喚されて1ヶ月も経過していないのにこの世界に溶け込み、様々な装備を手に入れていた。

正直驚きだった、見る限り、この国も一人で来ていて、この世界の時系列と現状を把握しているようだった。


「まぁ明日は予選だけだからな、明日までに出来るだけ手を打っておいた方がいいか・・・」


俺は、この国に来た日本人を見つけては、武器の特徴装備の有無を1人ずつメモしていった。


「まぁ忠則の事だ、こんなことしなくてもやってくれるかもしれないな」


俺は適当に情報収集をやめて宿に帰っていった。

この世界の忠則は最強だ。


大会予選~忠則side~


大会前日は、ただひたすら飯を食って、ひたすら剣を振って、ひたすら寝た。

これは俺の日本での生活に似ているな。

俺は毎日を精一杯生きていた。


そりゃ、勇者が世界を旅する物語にはどんなものでも憧れをもっていたさ。

漫画や、ゲーム、小説、アニメ。

全てをエンディングまで到達したわけじゃねぇ。

いや、ほとんど最後までやった事が無いんだ、それは、最後が嫌いな訳じゃねぇ。

ただ、途中で気づいてしまうんだ、これは俺の物語じゃねぇって。

だから、俺は毎日全力で生きていた、勉強はあまり得意ではなかったが、落ちこぼれはカッコよくないとの理由で受験も頑張ったぜ。

他にも部活や、習い事に打ち込んだ、子供の頃から強くなりたかった願望のおかげで柔道や、剣道、様々な格闘技に足を出していた。


だが、どれも俺の求めていた物語じゃなかった。

親から、後輩から、先生から、師匠から、コーチから、様々の期待が俺に疑問を生じさせたんだ。


<俺は誰かが作った物語なんじゃないか?>


毎回そんな言葉が生まれる。

そんな事は無いだろうさ、頭ではわかっているんだ、だが様々な大会が近付くにつれその気持ちが高くなる、この大会は、俺達が大会と言うステージで役者として出場しているんじゃねぇか、ってな。

その後はもう駄目だ、観客が俺を応援するのが苦痛になってくる。

大会を終えると完全にやる気を無くなってしまう。

だから俺は、様々なものに縛られている自分が苦痛で仕方なかった。


その苦痛を忘れられたのは黒野が誘ってくれた、毎週2日行われる『物語同好会』だった。

「The earth without the end」と言う小説は高校生の頃、黒野が教えてくれていたし、俺の好きな冒険物語だった。

この集まりは、皆の意思で集まっていたし、それには強制力など無かった。

ただその小説が好きと言うだけの集まり、仲間だった。

仲間が此処に集まりたい理由、意思で集まっていた、それが俺を苦痛から解放した。


そしてこの世界だ、俺は日本でのあらゆる生活から解放された。

それも今は全員ではないが仲間も一緒なんだぜ、俺は最強だ。

自分の意思で仲間と、世界を駆け巡るんだ。

仲間が俺は勝てると信じてくれている。

俺は俺の意思で仲間の信頼を答えたいんだ。

それがたとえ、この世界で未来に英雄と呼ばれる人間だとしてもな。




「今年も始まりましたデリル国最大の大会、デリル武術競技大会の開催です!!」


何処からか司会の声が聞こえる、周りはとても騒がしかった。

だが、忠則は周りに対して何の反応も示さなかった。

緊張で怖気ついているわけではなかった。

集中をしていたのだ、周りの喧騒を完全に遮断していた。


忠則は大会の経験は、この世界と元の世界の人達より数倍の経験があった。

そのため、このような試合開始直前の準備は完璧だった。

周りの雰囲気にのまれてはいけない、緊張してはいけない、冷静でいなければいけない。


予選のルールは単純なものだった。

8グループに分かれてグループの中で最後の一人になるまで負けなければ良い。

場外、戦闘不能、降参、相手を殺した場合、負け、ただそれだけのシンプルなルール。

今回の大会は、忠則達と同じように日本から来た人達が加わり、小説の規模より1.5倍くらいの人数になっていた。


忠則はスタッフの言うとおりに会場に入った。

会場の喧騒はピークに達していた。

忠則は周りを見渡していた、人数は50人程度。

そして身長が高く1m以上もある大剣を持っている忠則は警戒されていた。

だが忠則は特に気にしてはいなかった、身長の事で注目されるのは慣れていたのだ。

忠則はただ、イメージをしていた。

身体が出来る動作、その速さ、その動きによる隙の防ぎ方。

様々な想定を生み出しては攻略していった。

そして司会が開始を告げる。


「始め!!」


それは一瞬だった。

開始と同時に忠則をしとめようと数人が忠則を囲むように10人が攻撃を開始したのだ。

だが、攻撃は届く事は無かった。

居るはずの場所にその人物はいなかったのだ。

忠則は剣を握らず、目の前にいた一人が攻撃の構えを開始する瞬間に跳んだのだ。


周囲の人間は忠則の剣を警戒していた為、大剣を背負ったままの忠則を構える前に仕留めようとしていた人間は跳んだ忠則を目で追いきる事は出来なかった。

跳んだ忠則は目の前の敵めがけて拳を放った。

目の前にいる忠則に対応しきれない敵はそのままカウンターを食らって10メートル先の場外まで跳んでいく。


囲んでいたはずの一人が消えていたのに気付いた時には忠則は次の行動に移っていた。

相手に攻撃の隙を与えないように数人の前に剣を握る動作と一緒に走り出した。

3歩で敵の目の前に着いた忠則は鞘を収めたままの大剣を片手で右から左へと振る。

その動作は流れる様に全てが完成された動きだった。

現状を把握しきれないまま大剣に巻き込まれて4人が同じ方向に消えていった。


残った5人が大剣を振りきった隙を突くように攻撃をする。

忠則はそれを避けるようにテンポ良く一歩後ろに下がって片足を頭上まで上げる。

剣を振りきってしまった目の前の剣士にそのまま足を振り落とす。

そのまま頭から地面にたたき落とされた剣士は気絶する。


さらに、気絶した剣士を見て動揺した残りの4人を見て忠則は振り切った腕を今度は逆に振る。

先ほどとは逆の方向に4人は消えていった。


それは開始約15秒の出来事だった。

それを見ていた数人は武器を捨て降参をアピールした。

残った戦士たちは全員忠則を狙った。

忠則は、剣を振り、技を掛け、投げ飛ばし、数々の戦士を薙ぎ払った。


その光景は5分間続いた。

山積みにされた戦士の上に立った忠則は最後の一人を叩き落とし大剣を天に上げた。

そして巻き上がる観客の歓声の中、忠則の予選は終了した。


大会が始まりました。

今回は完全に忠則のターンです。

次回も忠則のターンです。


だけど、黒野君が主人公です。

本当です。絶対です。

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