第一章 09話
「戦争が始まるか・・・」
集合場所のギルド前でつぶやいた。
今日は集合日の10日目、黒野はこれからについて様々な事を考えながらギルドに着くと一枚の依頼書に目を奪われた。
「柴田が言った意味がやっとわかったよ、多分この事だったんだな」
そう、今から11日前の夜、柴田と名乗る男と情報交換をしていた時に一つ俺には教えられない何かを知っていた。
「この国はもう駄目だな」
「The earth without the end」の最初物語。
主人公は戦争が頻繁に繰り返される国の貴族だった。
その主人公は治安が悪化しているのも関わらず、私利私欲のために戦争を繰り返す国王が嫌いだった。
そのため主人公は、治安維持のため、ギルド近くで様々な非公式依頼を旅人や冒険者に持ちかけ、村の復興を手助けしていた。
そして幾つかの戦争が終結し、一時の休息があった。
だが戦争は終わらなかった、まだ復興の兆しの無いこの国は自らの手で滅ぼそうとしたのだ。
主人公は政治や経済、外交様々な知識を持っていた。
だからこの国がもう終わりを告げたのもわかってしまった。
主人公はその国を見捨て、貴族の名を捨て一人の剣士ライオルと名乗り旅に出る。
そう、この国は主人公ライオルの故郷の国リーディア
そしてこの国はライオルが旅に出た後、1年足らずで滅亡する。
「あまりこの国ではゆっくり出来ないか」
「見つけたと思ったら、また何か考えてるのか、独り言なんて言って」
俺がこの国について考えていると声が聞こえた。
「なんか、また大きくなって無いか忠則」
「成長期だからな」
「忠則・・・お前はいつまで成長する気だ」
忠則は俺のツッコミたいして変わらないなと笑う。
「黒野こそ服がボロボロじゃないか何があったんだ?」
「まぁちょっとな、後でその話も含めてあかりが来たら話すよ」
「あらそう、じゃあ今から教えてくれない?」
後ろから10日ぶりに聞く女性の声が聞こえる。
「久しぶりだな、あかり」
「そうね、久しぶり、2人とも」
3人がそろい黒野が口を開く
「まぁ、ここで話すのは色々とまずいから、まず適当な宿を探そう」
「黒野の言うとおりだな、もう日が沈むし昨日あたりからまた治安が悪くなった気がするし、あまり夜に外にいないほうが良い」
忠則が少し警戒する。
「そうね、まず宿を探しましょう、私、早く体を洗いたいの、ここ数日働きっぱなしで何もできなかったから」
「なら良い宿を知っているよ、この国では珍しく温泉のある宿があるんだ、少し値は張るけどね」
そう言って黒野は歩きだす。
宿は少し遠いため黒野は口を開き、ギルド前で考えていた戦争の話を始める。
「そう、また戦争が始まるのね、また死人が出るわね・・・」
「それに、これはまだ、確証は無いがこの国は後1年程度で滅びるよ」
「おう、それ俺の依頼主も、言っていたぜ、もうこの国はお終いだってな」
へぇ、今の時期にもうそこまで核心の持てる奴がいるのかと関心をした黒野だが、何かが引っ掛かった。
「なぁ忠則、お前その依頼主の名前は何て言うんだ?」
「いや、この10日間、そいつの依頼で動いていたんだがよ、名前を聞いても教えてくれなかったんだよ」
「教えてくれないって、たー君依頼書には名前が書いてあるはずでしょ?」
あかりが疑問をぶつける。
そう、依頼書には、依頼主の名前が書いてあるはずだ。
「いやぁ、あれだ、非公式の依頼って奴だ、まぁこの村の悪い奴ら退治する仕事をね」
「た、忠則・・・、お前、気付かなかったのか?」
「何が?」
「それ多分、剣士ライオルだ」
「「え?!」」
黒野はギルドで考えていた剣士ライオルの話とこの国の名前の話をする。
「マジかよ、なんてことだ、俺はずっとライオルと一緒にいたのか・・・」
「たー君、英雄と一緒に仕事をしていたのね」
今まで気がつかなかったショックの忠則と、それを見て笑っているあかり、いつもと変わらない光景を見て黒野は安心するが、気を引き締めこれからの事を話す。
忠則とあかりが黒野を見つめる。
俺達は世界に流されてはいけない。
これは俺達の物語なのだから、そう決心して黒野は告げる。
「世界は動き出した、まだ俺達には戦争を止められる力は無い、俺達には力が必要だ、まず直人と咲子と合流し、別の国でギルドランクAAを目指す、俺達ならやれるはずだ」




