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口は禍の門-琴ノ葉扇の不可思議結友譚-  作者: 角笛譲治
序章:始まりは禍と共に
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田と山と後ろに巫女

 電車に揺られること早30分程、最寄りの野城(のじろ)駅から10駅以上離れた間河野原(まかのはら)駅で俺らは下りたのだが…


「すっ………ごい田舎~!」


 別に民家が無いわけじゃないんだが…一軒家と一軒家の間に3~5反くらい田んぼがあるのがデフォルトみたいな、少し歩けば前後左右に田か山しか存在しなくなるくらいの田舎だ。コンビニとかスーパーは見渡す限り1軒あればいいって感じだし娯楽とか死滅してそうな雰囲気だ。自分の住んでる地域から30分ちょっと離れただけでこうも寂れるか…


「ここから20分歩きますよ」


「…毎日ここから通学してるの?」


「いや流石に…学校とここの間に駅近くに部屋借りてそこから通ってますよ。ここはいくら何でも不便すぎるので…」


「あらぁひどいじゃない和?私ここに住んでるのだけれど…」


 うわびっくりした誰!?いつの間に背後に!?桜木さんもそうだったけど死角からフッと出てくるの心臓に悪いから本当にやめて欲しい…!

背後に立っていたのは見た目はほんわかおっとりとした雰囲気を感じさせる巫女装束の若い女性だった。年齢は20前半くらいか…?別段立ち振る舞いに変な所は無いはずなのに登場の仕方からか妙な強者感が漂っている気がする。俺はびっくりして3歩くらい飛び退いてしまったが、桜木さんは微動だにしてない。流石と言うべきだろうか。


「んぇっつぉ希さんどうしたんでっ?え?な、何でここに?」


普通にめちゃくちゃ動揺してた、良かった。噛みすぎだろ。


「背後取られるとビックリするの和の良くない癖よね〜」


「普通取られないから驚くんですよ…わざわざ迎えに来てくれたんですか?」


「ん〜お菓子を買いに出たら丁度いい時間だったの。彼が例の洗脳君よね?」


「洗脳君…まぁはい、今回の件は大変ご迷惑おかけしました…」


 不名誉な呼ばれ方してるが否定は出来ないのでそのまま頭を下げてご挨拶。


「いいのよ〜それが私達の仕事でもあるし、被害が無かったんだから大丈夫よ!」


「爆破テロを被害に換算してくださいよ」


 桜木さんからのツッコミにケラケラと笑い飛ばしながら目的地へと歩き出した彼女に着いて行く。道すがら説明やら質問やらを消化してくれるらしい。


「自己紹介がまだだったわね。私は神巫(かんなぎ)(のぞみ)。今から向かう神巫神社の巫女をやってるわ。それとそこの和とかが所属してる能力組織『神社(シュライン)』のリーダーもしてるの」


「リーダー…失礼ですが巫女さんがリーダーなんですか?神社のトップといえば神主とかのイメージがあるんですが…」


「んーまぁ一応神主も私ね。でも正直真面目に神様を祀ってないのよ。だからそこらへん適当」


 なんて事言うんだこの巫女さん、破戒僧かよ。いや巫女だから破戒巫女?


「はぁ…巫女さんでも神様信じてない人とかいるんですね」


「いや()()()()()。だからこそ毎日のお仕事が面倒なのよ〜…」


 なんじゃそりゃ。祀ってないとか言いつつ信じてはいる?話が見えないな。神社の管理の大変さを心底面倒臭そうに語る希の後ろでこっそり桜木さんに耳打ちしてみる。


「…なぁ、思ってた数倍緩い人だけど実際大丈夫なの?」


「緩いのは否定しないけど…でもちゃんとしてる人だから大丈夫よ。希さん巫女装束着てるでしょう?」


「ん?あぁ着てるけど…それが?」


「わかんないだろうけどあれ着てるって事はいつ何があっても対応できるよう()()してるのよ。普段面倒がって着ないもの」


 へぇ…服でそんなに変わるのかな。俺もそれっぽい格好すれば能力が強くなったりして?いや今より強くなっても困るかこんな能力。


「てな感じで毎朝毎朝面倒で…ってこんな話されてもか。洗脳君の質問の方が溜まってるわよね〜答えれる範囲で答えるわよ?」


「琴ノ葉扇です…じゃあまず『能力』って結局何なんですか?」


 遠慮なく1番気になってた質問からして行こう。当然のように能力というものがある前提で話が進むから黙ってたけどコレの存在に納得のいく説明を一回もされてない。仮に人類が進化して新たな力を得たとしてもまず最初に刀を取り出す手品や人を操る技を覚えるとは考えにくいしあまりに現実離れしすぎだ。


「そうね…どこから話そうかしら。さっきも言ったけどこの世には神がいる…いや、()()のよ。大昔の話だけれどね?実際に神話のような規格外の力を持って存在していたの」


「…えっと、どうして居なくなったんですか?」


「あら、1発目から信じるのね?最初は皆黙るか信じないのに」


「いや信じられませんけど…実際僕にも能力があるわけですし」


「ははっそりゃそっか!で、何で居なくなっただっけ?それはね、シンプルに寿命よ。別次元の存在にも老いはあってそれが紀元前あたりに来たんだって。それで神様が死んじゃったんだけど…問題は神様は死ぬ時も別次元だったてこと」


 俺は桜木さんの反応を伺って今の話が真実かどうか確かめてみた。黙って前向いて聞け!みたいなジェスチャーされたので大人しく話を聞く


「神様がそのまま死んじゃったら神の力がそのまま地に降り注いで天変地異とかが起きるかも〜って言って神様は自分の力を纏め、信心深かった一族に神の力の欠片を与えて力を管理させることにした。その一族の一つが私達神巫家なの」


 思ったよりスケールのデカい話で俺は唾を飲み込む。ここまでは神の終活みたいな内容だったけどここからどうなって能力に結びつくんだ…?


「それで長い間管理してたんだけど…三代前くらいに管理ミスで神の力が爆散して地球に降り注いじゃって能力となって人に宿っちゃったの⭐︎」


「オイコラただの人為的ミスじゃねーかふざけんな!」


渾身のツッコミがやまびことなって響いた。

説明が長くなりますが必要なので…!お許しを…!

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