第七章 〈カイシア〉の城塞① もん!
腰ッ!ベッドに行かずにはいられないッ!
ガガバーカは入口を叩いた。
巨大な木でできた柵の下方に、四角の切り欠きがある。
恐らくそこが人の出入り口だろう。
でも硬いし帳幕みたいにすっと入れない。
ガガバーカはそこを叩いて開けてもらうしかなかった。
程なくしてその切り欠きが真ん中から両側に分かれて、「ガガガガガガガガガ」の軋み音を立てながら内側に向かって開いた。
そこから二人の見張りが出て来る。
ガガバーカはまた唖然とした。
その身なりも見たことのない物ばかりだ。
どうやって縫いだかすら見てもわからない二人の着る毛皮、それに何の動物から取ったか分からないその色。
その毛皮の上に何の用途があるかもわからない飾り物、二人の頭に被る帽子、
全てが同じに見える。
色も、飾りを付けてる部分も、張ってる部分も凹んでる部分も、全て同じだ。
「門を叩いたのは、そちらでしょうか?」
聞いたこともない言葉ぁぁーーーッ!!!!!!
いや、実はガガバーカにはこの見張りの言っていることが大体分かる。
何となくだけど、タリシテンと交流できてるのと同じコツだ。
それだけではない。
実はその喋り方がガガバーカの部族のと似ている部分がある…
が、口調も使ってる言葉も聞いたことないものばかりだ!
ガガバーカは全身にその知恵を巡らせ、硬直した手を何とか動かせ、指をあの真ん中から開いた切り欠きに向かって、
全ての力で搾り出したたった一滴の結論を唇から駆り出す。
「む、も、も……門?」
ガガバーカは今自分がどんな顔してるのか知る由もないが、
きっと可笑しな顔だろう。
何せ二人の見張りもちょっと驚いた表情でお互いの視線を交わし、
不思議そうな目線でまたガガバーカを見た。
「え、ええ…も、門です」「門でしょうね」
どうやら門とはこの両側に開く入口のことだ。
ガガバーカの結論は間違っていなかった。
「我は『ガガバーカ』。」
本日二度目の自己紹介である。
「これは、『タリシテン』。」
見張りはその不思議そうな表情を変えることなくもう一回視線を交わし、
ガガバーカに問うた。
「ガガバーカ様ですね。」
「私たちの〈カイシア〉に入りたいとのことでよろしいでしょうか?」
???????
さ、様?た、たく…たくし?よ、よよ、よろ?でせう?
無数の発音がガガバーカの脳内で飛び回り、まるで熱い季節の夜に耳元で飛んでる蚊と蠅のように、
生活の安寧と人としての尊厳を踏みにじって嘲笑う。
だがもちろん、そんな虫の発する音は単に煩いだけであって、
ガガバーカの理解力を阻害できるものではない。
神霊の贈り物からの助けもあって、ガガバーカはすぐさまに話の要点を把握した。
あの柵より高い建築物に指を向けて、そして自分の立っている地面にも同じ仕草をして訊く。
「カイ…〈カイシア〉?」
「そうです。私たちの〈カイシア〉です。」
「旅の途中でしょうか?それとも私たちに加わりたいのでしょうか?」
ガガバーカの目線は、タリシテンに向けられた。
このチビはもう親を亡くし、他の群れには入れない。
もしここに住めれば、いつもの生活に戻れるだけじゃなく、こいつを育ててやれるかもしれない。
もっとも、こいつの考えはまだ…
「任せるよ」
ガガバーカの口元が綻ぶ。あれは即答だった。
「ここ、〈カイシア〉に、」
また手を上下させて地面を指さし、
「住みたい。」
ガガバーカは言う。
「『タリシテン』と、一緒に」
俺の修辞法は今、10年前文学賞に投稿して4次で落とされた貧民学生時代に戻っている!!
さあ新章突入!!!これでこの作品で書きたかった二つの要素が揃えた!
明日まだ仕事あるので今日は字数少なめ。ここまでしか書けないが、〈カイシア編〉の大体の段取りは既に決めている。
夜しか書けないから平日の更新は遅くなるが、これからもバンバン書くぞぉ!




