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まぁ、ちゃんと戦う戦国軍記 ~めざせ!御屋形様と経済勝利~  作者: 東木茶々丸
第三章 小笠原家攻略~林城の戦い~
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閑話 きば ってる?小笠原氏解説

例によって解説回です。

ご了承ください。

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令和XX年 西暦20XX年 場所:埼玉県さいたま市坂本宅


侑「それでは授業を始める!」

坂本「えー、またー?」


 これで七回目の解説である。そりゃあ、誰でも飽き飽きしてくる物だろう。


侑「起立!礼、着席!」

坂本「学校か!」


 反射的に坂本はツッコむ。


坂本「だいたいテーマもわかるぞ。小笠原氏でしょ?」

侑「おっ、博士!冴えてますねぇ~今日の主題は小笠原氏についてです」

坂本「小笠原……小笠原諸島しかわからない~」


 例によって、坂本には歴史知識が皆無である。


侑「小笠原諸島は、小笠原氏と関係なくは無いので、最後に説明しますね」

坂本(あっ……これ、長くなるパターンだ)


 坂本は諦めて、氷菓子を片手に聞くことにした。

この氷菓子も、もちろん埼玉県の某メーカーの物である。


侑「そもそも小笠原氏のルーツは源義光になります」

坂本「どっかで聞いた名前~」


侑「ええ、小笠原氏は武田家と大元は同じなのです。初代当主の小笠原 長清ながきよ[1]は姉妹が源氏の将軍である頼家よりいえ[2]・実朝さねとも[3]の養育係を務めており、承久の乱の鎮圧でも活躍しました」


坂本「……初級コースは無かったのかな」

侑「無かったんでしょうね」


 真田にとっては、博士がボケで言っているのか本気で言っているのかわかりかねている。


侑「少し時代が下って南北朝時代。中先代の乱を起こした諏訪に対して討伐にあたったのが、小笠原 貞宗さだむね[4]でした」

坂本「諏訪のとこでもやったな。あの某漫画に出ている……」

侑「そ、そうです!それです、それ!」


 坂本は相変わらず、関心のあることと無いことでの差が激しい。

 

侑「もともと小笠原家は、長清が流鏑馬の技術が長けていることで有名でした。貞宗はこれに礼法を加えることで『小笠原式礼法』を確立したのです」

坂本「それって、すごいのか?」


侑「今でも、某江戸風テーマパークではこの礼法を従業員が身に着けているらしいですよ」

坂本「そう言われると……すごく感じるな」


侑「その後に小笠原家は分裂を迎えますが、小笠原 長棟ながむね[5]の代に再統一を成し遂げます。ですが……その息子の長時は武田の侵攻によって滅ぼされたのです」

坂本「戦国乱世も……食物連鎖ってことね」


 坂本は、ようやく氷菓子を食べ終える。


坂本「それで、小笠原諸島は小笠原氏と何の関係があるんだ???」

侑「小笠原諸島という名前は江戸中期に小笠原の末裔の人物が、長時の孫の小笠原 貞頼さだより[6]が小笠原諸島を発見したという事実承認とその領有を訴え出たことで、その名前がついたのだ」


坂本「へ~え!」

侑「ところがその小笠原の末裔を名乗る人物は身分詐称で追放の処分を受けたのです」

坂本「……それでよく小笠原の名前が残ったね」


侑「貞頼の史実性は怪しいところですが、その名前が記された書物もあるので一応は実在の人物とされているのです」

坂本「《《しょーという》》しかなかったってことだね!諸島だけに!」


侑「………………そのギャグ最初からずっと考えていたんですか?」



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[1]小笠原長清:平安末期の武将。小笠原家初代当主。死罪赦免の報せを執行直後に受け取ったため、『吾妻鏡』では批判されている。

[2]源頼家:鎌倉幕府二代目将軍。源頼朝と北条政子の子。

[3]源実朝:鎌倉幕府三代目将軍。源頼朝の子。小倉百人一首に選ばれている。

[4]小笠原貞宗:南北朝時代の武将。討幕に貢献し、その後も北朝方として活躍した。たぶん目力はすごくない。

[5]小笠原長棟:戦国大名。小笠原長時の父。1542年没。

[6]小笠原貞頼:小笠原諸島の発見者とされる人物。南方を探検し、無人島を三つ発見したとされる。


お読みいただきありがとうございます。

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