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まぁ、ちゃんと戦う戦国軍記 ~めざせ!御屋形様と経済勝利~  作者: 東木茶々丸
第二章 女当主の信濃侵攻 1549年夏~
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2-10-4 第五十六話 何事も程ほどに

時間軸が全く進みません。

ご了承ください。

天文十九年五月上旬某日 午後 場所:甲斐国  志磨の湯付近の神社


視点:京四郎Position



智様「よし。これで久々に二人きりだな、京四郎♡」


 注ぎなおした牛乳を片手に智様は、くっついてくる。

まずい。非常にまずい。

衝動的に手を出してしまったら、律・虎姉・シスコン信繁様等々フルボッコにされるのは確定である……。


 よりによって智様とオレが、何故にサシで他の二人を待っていないといけないのか……



▼▼▼▼


 時は10分ほど前に遡る。


 智様が牛乳を飲もうとしたタイミングで、虎姉が筒ごと奪い去ろうとした。

ところが急に取ろうとしたためか、中身は見事に虎姉の胸元に吸い込まれていったのである。


律「虎姉さま、早く着ている物を脱いだ方がいいです。牛乳の臭いって早めに洗わないと、臭いが残るんです」

高坂「ええ~、着替えは持ってきてないなぁ。私は温泉には入っていなかったし」


 たぶん、虎姉は前の時みたいに警護だけするつもりだったのだろう。


京四郎「オレが虎姉の家に行って取ってきましょうか?」

高坂「それはダメだ。あらぬ噂が立つ!」


智様「それじゃあ、私が」

高坂・律・京四郎「「「もっと駄目に決まってます!」」」


 それじゃあ……、


律「じゃあ、アタシが取ってきます」

京四郎・智様「「どーぞどーぞ」」


 智様もオレに合わせてくる。


律「ハァ~、わかりました。アタシが回収してきます」

高坂「申し訳ない。服の場所は、すぐにわかるはずだ」

律「はい!」


 律は、部屋から慌ただしく出ていく。


高坂「それにしても、ビッチャビチャだなぁ」


 虎姉は、気にもせずに帯を緩めていく。


京四郎「と、虎姉……!まだオレいますって!」

高坂「あ、そうだった。智様といつもの感覚だったから、つい……」

智様「ちょうどいい、虎も温泉に入ってくれば良いではないか」

高坂「そうですね……。そうします」


 はだけかけている着物を、いそいそと着なおす。


高坂「京四郎殿、智様の警護を《《くれぐれも》》頼みます」


 虎姉は温泉へ行ってしまった。


▲▲▲▲


 そしてこの有様である。

警護って言っても、警護対象から近づいてきているんですけど!?


智様「私は……律がうらやましいのだ」

京四郎「へっ!?」


 智様の思わぬ言葉に、驚きの言葉が漏れる。


智様「律は私の知らない、ヌシのことをたくさん知っておる。さっきの牛乳の話もそうじゃ」

京四郎「そりゃあ……昔からの付き合いですからね」

智様「虎とは、いつの間にか虎姉とか呼んでおるし」


 あー、さっきの時ね。とっさに虎姉って呼びかけちゃったわ。


智様「律や虎は、ヌシと一緒に何処へでも行けるが、私は武田の領地を離れるわけにいかん」


 普段の気丈な話ぶりと真逆のトーンで、智様は話し続ける。

武田家の影の当主、表舞台に出ることのない立場だけに思うことも多いのだろう。


智様「そうだ!知っておるか?虎は、ああ見えて経験があるのだぞ」

高坂「経験って……?」


 オレはゴクリと唾を飲みこみながら智様に追及する。


智様「わかったおるクセに~、《《アレ》》の経験だ。ヤツのおっぱいは……感度が良くてな」


 その情報、使う場面あるかなぁ……。

小笠原領から戻ってきて以来、以前よりオレに対する接し方が厳しい気がするんだよなぁ。


 二杯目の牛乳を智様は飲み干していたようで、三杯目に突入する。


智様「どうだ、京四郎……。私の胸、触るか?」


 智様、どさくさに紛れて何言ってるの!?


京四郎「い、いえ……」

智様「かまわんぞ、減るものでも無いしな」


 以前から思っていたけど、戦国時代のセンシティブゾーンって現代の基準より緩々すぎるんだよな……。

まささんも、着けてない人がいるって言ったからな。


智様「ほ~れ、どうだ?」


 智様は、無理やりオレの手をグイっと掴んで自分のおっぱいに当てる。

感触は、ハリがあって……押し返してくる。


智様「……んっ!牛乳の効果は……ありそうか……?」

京四郎「……即効性の物ではないですからね……継続が大事です……」

智様「そういう物か……」


 このタイミングで、誰か部屋に入ってきたら確実にアウトだ。

オレが迫っているわけでは無いと言っても信じてくれないだろう。


智様「京四郎……


 智様が言いかけたその時、


グ~キュルルルルル~。グキュル~。


 智様のお腹が鳴った。

お腹が空いている時のヤツではなく、お腹を下している時の音である。


京四郎「あー、智様」

智様「はい……」

京四郎「牛乳、飲み過ぎです」


 音を聞かれたのが恥ずかしかったのか、智様は溶岩の如く、顔を真っ赤にして厠へ逃げ込んでしまった。


 高坂「いいお湯でした~」


虎姉が温泉から戻ってきたのは、それからすぐのことであった。



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お読みいただきありがとうございます。

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