閑話 クイズ!侑リオネア!
いつもの閑話回です。
本編要素ゼロですので、ご了承ください
令和XX年 西暦20XX年 場所:埼玉県さいたま市坂本宅
侑「ところで、シャベルのことについて知りたくないかね、ワトソン君?」
また、侑のいつものやつが始まった。
坂本「いえ、別に。というか坂本はワトソンじゃないから」
侑は、乗り気にならないことを予測していたのだろうか?
鞄から何やら取り出す。
侑「こんなこともあろうかと、クイズの賞品をご用意しています。東京だぁななです!」
坂本「ついに、埼玉から離れちゃったよ」
あの謎の縛りは何だったのだ?
侑「おや、知らないのですか?この東京だぁななの工場があるのは埼玉県所沢市……。つまりこれも埼玉銘菓なのです!」
し、知らなかった!
でも埼玉銘菓扱いにするのは、強引すぎないか?
侑「では、第一問!デデン!」
あ、デデンは口で言うスタイル……。
侑「ソビエト連邦軍が、軍の必需品としてシャベルを携帯していたのは、掘る用途そして近接武器として使われる以外に、ある目的で使われていたからでもありました。その理由は?」
坂本「ヒント、ヒントは!」
侑「少しは考えてからヒント聞いてください……。まぁ端的に言えば武器です」
坂本「武器……?お手上げ、わかんないよ~」
侑「では正解です。実はソ連では第二次世界の際に迫撃砲として使われていたのです!」
坂本「は、迫撃砲?」
侑「はい。歩兵用シャベルと小口径の迫撃砲を合体させた結果、完成したのがモルタルシャベル VM-37です。」
坂本「なんでその二つを合体させた!?」
侑「シャベルの柄の部分を迫撃砲の筒として活用したようです。ちなみに照準器も無く、有効射程も短かったので、すぐに使われなくなったそうです」
坂本「ガッカリ発明のカテゴリじゃない!」
侑「博士残念!むむっとボールを差し上げます」
お手製のむむっとボールを渡される。別に要らない……。
侑「では、気を取り直して第二問!テレレレテレレレテーン!」
さっきとSEが違うけど!?
侑「スコップの成り立ちにも関わる骨といえば、どこの骨のことでしょう?
A 鎖骨
B ろっ骨
C 肩甲骨
D 恥骨」
坂本「これは簡単よ!Cの肩甲骨!」
侑「そちらのお答えでよろしいんですね?もし間違いであれば、そちらのスーパー侑ちゃん人形はボッシュートとなります」
いつの間にスーパー侑ちゃん人形なんてあったの!?
侑「正解はCの肩甲骨で良かったんです!博士正解!」
坂本「イェーイ!これはわかる!肩甲骨は英語でscapulaeだからね!」
侑「お見事です。スコップは元々、動物の肩甲骨が使われていたことが成り立ちだとされています。では第三問!」
全部で何問用意しているのよ!
侑「兵士がスコップを携帯するようになったのは、塹壕戦が戦場で展開されるようになったのが大きい原因だとされています……
坂本「第一次世界大戦!」
侑「最後まで聞いてください」
怒られてしまった。
侑「では、シャベルを戦場に常備し始めるようになったのはどこの国でしょうか?
A イスラム帝国
B ローマ帝国
C アメリカ合衆国
D 大唐帝国」
坂本「え~っと……ハーフハーフを使います!」
オーディエンスは……いないからね
侑「それでは、ハーフハーフ。残るのはこちら!」
A イスラム帝国
B ローマ帝国
坂本「あ~、そう残るのかぁ……。じゃあ答えはBのローマ帝国で!」
侑「ファイナルアンサー?」
坂本「ふ、ファイナルアンサー……」
侑「もう、この東京だぁななには戻れません!」
袋を開けて、侑が口にほおばる。
坂本(自分が食べたいだけでしょ!)
侑「あ、ドラムロールはないです」
誰も期待していないよ!
坂本「コングラチュレーション!正解はBで正解です!」
坂本「やったー!」
思わずガッツポーズ。
侑「ローマ帝国ではバディルムという短い柄のシャベルが使われていました。ちなみにイスラム帝国にはハンダクの戦い[1]で使用された全金属があり、その実物がエジプトのモスクに残されています」
坂本「へぇ~」
侑「アメリカ合衆国では短刀サイズのナイフと組み合わされた、こて銃剣という物があったとされています」
坂本「唐は?」
侑「唐は特に何もありません」
無いのですか!
侑「見事、全問正解でしたのでご褒美の賞品です!」
坂本「わ~い!」
ウマウマウマウマ
坂本「あ、もしも全問不正解だったら、その椅子が回転していましたよ」
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[1]ハンダクの戦い:反ムハンマドのメッカ軍とムハンマドを支持するメディナ軍の戦い。世界初の塹壕戦とされる。当時のイスラム圏では包囲戦が行われていなかったため、包囲したメッカ軍が疲労して権威を失った。
お読みいただきありがとうございます。
ローマ帝国の軍工学関係の話は、かなり長くなりそうなので割愛しています。




