目が覚めて
鳥のさえずる声がする。
目を開けると窓から日差しが差し込んできた。
まだ鳴り止まない鼓動を落ち着かせるために、ゆっくり深呼吸すると部屋にはシチューの匂いが満ちていた。
俺は簡単に布団をたたみ、窓を開け、部屋を出た。
一階に降りると母さんが鼻歌を歌いながら朝ごはんを作っていた。
おはよう、と声をかけるとにっこり微笑んでいった。
「おはよう、ロシス。お父さんは今外で剣の素振りをしているよ。一緒にやってきたら?」
「いや、いいよ。鳥小屋から卵を取ってくるよ。何個取ってきたらいい?」
「そう...。じゃあ、3個とって来てもらえる?」
「分かった。」
少し寂しそうな顔の母さんをあとに俺は外へ出た。
外に出て鳥小屋でさっきの母さんの顔を思い出してぼーっとしながら卵を取っていると、鶏につつかれた。
家に戻ると父さんが戻ってきていた。
父さんは蜂蜜と父さんお手製マヨネーズを混ぜたものをトーストに塗っている。
これが意外に美味しい。
「ロシス、卵こっちに頂戴。」
俺は母さんに卵を渡すと、父さんの横でサラダを盛り付け始めた。
「おはよう、ロシス。トーストは何枚ほしい?」
「おはよう、3枚。」
「分かった。そういえば今日はレオネちゃんは来るのか?」
「うん。今日は父さんから剣術を教えてほしいって。」
「そうか!最近急にうまくなってきてな〜。小さい頃、剣を持とうとしてよろけていた頃が懐かしいよ...。」
父さんは目を細めていった。