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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第98話 クレメンスとアトラクション前編(追放側視点)

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 アルベルト達がモルトナ村へと到着していた頃、遊園地にてアトラク…ションを全て何度も周回しており退屈していた。


「はあ……、何だか虚しくなってきたな。 退屈は一番の拷問とはよく言ったものだな。」


「あっ、オッサン最近元気無いみたいだけどどうした?」


「遊ばないのか? 前は、ハイテンションで全てのアトラクションを遊びつくすぜ! とか言ってたのに。」


 クレメンスは遊園地のイートインスペースにて、両手で頬杖をついており二人の最初に会った子供達から元気の無さを心配されていた。


「何だか、思ってたより早く飽きちまってな……俺様は、ここで考え事してるからお前等だけで遊んできな……。」


「分かったよ、割とオッサンと遊ぶの楽しかったけどな。」


「まあ、また遊びたくなったら一緒に遊んでやるからそん時は声掛けろよな。」


「おう、気ぃつけなよ。」


 二人の子供達を見送ったクレメンスは今まで遊園地で遊んだアトラクションで体験した事を振り返り思い出していく。


「色々有ったな。」


 数日前


 クレメンスがヴァレンス王国へと到着し、遊園地にてイートインスペースで食事を終えた後の事。


「ふーい、食った食った! ん、あのガキ共何処行った? 迷子にでもなったか、しょうが無えガキ共だぜ怪しい奴にでも捕まったら大変だな捜してやるか。」


 一方で二人の子供達は、コーヒーカップというアトラクションの前でクレメンスに話しかけた事を後悔していた。


「なあ、あのオッサン置いてきちまって良かったのか?」


「別に良いだろ? 何だか普通じゃないっていうか、明らかに頭どうかしてるオッサンだったろ。」


「そうだな、なんつーか子供の思考のまま大人になったかの様なオッサンだったしな絶対関わったらヤバい奴だよな?」


「キ・ミ・タ・チ〜、」


 二人の子供達が話し合っている所にクレメンスが声を掛けると子供達の顔は凄く嫌そうな表情になる。


「駄目じゃないか、勝手にいなくなっちゃ! 俺様が迷子にでもなったらどうするんだ?」


「いや、知らねーよ! オッサン大人なんだから迷子なんてなるわけ……汚ったねーなおい!」


「何で口の周りチョコだらけなんだよ! 顔洗えや!!」


 子供達の前に現れたクレメンスの口の周りには、先程食べていたチョコレートがビッシリと付いていた。


「何言ってんだ? 俺様の天才的な発想が理解出来ないとは、まだまだ子供だな! 良いか、口元にチョコレートを残す事で甘い香りを楽しめさらには舐め摂る事で何時でもチョコレートを堪能できるのだ!!」


「アホか! 汚ねーから洗えっての!」


「そうだよ、顔洗える所に案内してやっから!」


 クレメンスは子供達に連れられ、公衆トイレの洗面台にて仕方なく口元のチョコレートを舐め摂った後、顔を洗う。


「やはり、俺様のハイセンスな思考回路はガキ共には理解出来なかったようだなガハハハ!」


「何がハイセンスな思考回路だよ! 幾ら馬鹿でも、そんな発想抱く奴が居てたまるか!」


「で、どうする? 結局関わっちまったけど……。」


「そうだ、忘れてたぜ! ガキ共、俺様を遊園地の面白そうなアトラクションへ案内してもらおうか?」


「分かったよ、最初は地味なやつから乗っていくか?」


「だな、このオッサン無駄にハイテンションだし……。」


 子供達が最初に紹介した乗り物は、先程の人が乗れる程大きなコーヒーカップを模ったアトラクションで中央のハンドルを回す事で回転速度を上げられる仕組みになっている。


「何だ、この乗り物は? やけにゆっくり回るな……。」


「オッサン、何だか落ち着きが無えから最初はこういったのが良いと思ったんだよ。」


「そうそう、あんなハイテンションで居られ続けるとコッチが滅入るからな。」


「にしてもよう、遅すぎないか? こんなんじゃつまんねーよ!」


「そんなに速いのが好きなら、真ん中のハンドル回せば良いじゃんか?」


「あっ! 馬鹿そんな事言ったら!!」


「コイツを回せば良いのか? ふんんんんぬっ!!」


 クレメンスは子供達の言うように中央のハンドルを思いきり回してしまい、一つのコーヒーカップだけ高速回転をし始める。


「「うわああああ!?」」


「うおっ!? 何だ、この速さは? うぷっ……。」

(やべぇ、目が回って吐きそうだ……。)


 数分後、子供達とクレメンスは高速回転するコーヒーカップから解放されるが三人共にベンチに座りグロッキー状態に陥っている。


「うぷっ、オッサン本当子供みてーな事するな……。」


「おえっぷ、しばらく休もうぜ? まさか、俺様もアレが拷問器具だとは思わなかったぜ……。」


「拷問器具が遊園地に置いてる訳無いだろ! アホか、このオッサン……。」


「はあ……、食ったもん全部吐いちまった勿体無え……。 なあ、次はもっと安全なやつにしてくれよ……こんなんばっかだと気が滅入るぜ……。」


 たった一つのアトラクションで心を折れかけるクレメンスを見た子供達の一人は、最も安全なアトラクションを紹介する。


「だったら、今度はアレにするかな……。」


「アレって?」


「流石に今度は拷問器具じゃねーだろうな?」


「拷問器具じゃねーって言ってるだろ! ったく、今度はメリーゴーランドを紹介してやるよ。 アレなら一定の速さが決まってるし、小さな子が乗る様なもんだから安全だろ。」


 そう言うと休憩を終えた三人はメリーゴーランドへと移動しクレメンスは、そのアトラクションを見て驚愕する。


「ほら、ここだよ……流石にさっきみたいにはなりようが……ん?」


「な、何だこれは!? まさか、馬の剥製に鉄の棒を突き刺しているのか! なんて残虐性の高いアトラクションなんだ!!」


「んな訳ねーだろ! 造り物に決まってるだろが!! 何処をどう見たらそんな訳分からん発想になるんだよ!!」


「本当、このオッサンと居ると疲れるな……さっさと乗ろうぜ?」


 クレメンスは子供達に促されるまま、メリーゴーランドの馬に跨りしばらく時間が流れアトラクションに対して想う。


(つまんねぇ……。)

何時も読んでくださり有難う御座います。


次回も追放側視点になります。

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