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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第95話 野宿

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 俺達は師匠達から手解きを受け、馬車へと乗ってヴァレンス王国へと出発したのだが着いた先がヴァレンス王国の近くに有るモルトナ村だった。


「着きましたよ、お客様。 申し訳ありませんがヴァレンス王国へは、こちらからは徒歩でお願いします。」


 そう言うと馬車は、そそくさと逃げる様にナルドレイク王国へと戻って行く。


「何だ? まるで逃げる様に帰って行ったな。」


 違和感を感じながらも、ヴァレンス王国の近くにあるモルトナ村へと着き宿屋を探す道中、とある事に気付いた。


「アルベルト様、この村なんだか大人の人と子供の数が見合ってない気がするわ。」


「そうだな、バクムーマの時のみたいに子供が拐われてるのか?」


「それにしては変じゃない? さっきから、あたしを見て大人の人達がビクってしてる様に見えるよ?」


 そう、先程からトレーシィを見るやいなや道行く大人が畏れ慄いている様に見えるのだ。


「バクムーマの時とは、何か違いますね。 宿屋を探すのは後にして事情を聞いた方がよろしいのではないでしょうか。」


「そうだね、僕達は情報を集めるからアルベルト達は宿屋の方をお願い。」


 俺達は二手に別れ、俺とエリーシャとレニーとトレーシィは宿屋わ探し、メルダとスラストとニアミスとシェスカ姫とアネットは村人から事情を聞く事になったのだが。


「ごめんねぇ、今部屋がいっぱいなのよ。 泊めてあげたいのは、やまやまなんだけどヴァレンス王国から逃げてきた人ばかりでねぇ。」


「ヴァレンス王国から逃げてきた?」


「まあ、旅人さんには分からないと思うけど今大変なのよ。 アスティオ王子も傷だらけで運ばれてくるわで色々ね。」


「どういう事なのか、さっぱりね……ただ国を脅かす何かがヴァレンス王国にいるのは間違いなさそうね。」


「それより、あたし達……何処で眠れば良いの?」


「そりゃ、野宿だろうな。 後でアネットに手伝ってもらうか。」


 俺達は別行動をしていた皆に事情を話すとアネットは、俺と一緒にテキパキと準備してくれた。


「こんな所でしょうか。」


「ワタクシ、野宿なんて初めてだからワクワクしますわ!」


「アタシも野宿なんて久々ダナ。」


「ねえ、そろそろこの村で集めた情報交換しない?」


 スラストからモルトナ村に何故大人が多いのかの話しを聞くと、どうやらヴァレンス王国の子供達から大人が逃げてきたらしい。


「なんだそりゃ?」


「僕にも分からないよ、けどトレーシィを見た人達の反応……明らかに怖がってたよね?」


「うんうん、あたし見たいに可愛い妖精ちゃんを見て怖がるなんてどうかしてるよ!」


「それに、今この村に傷だらけの王子様も居るみたいよ?」


「まあ、アスティオ王子が?」


「傷だらけって、普通じゃなイナ。」


 村人達の話しを聞けば聞く程、意味がうつらない事ばかりがヴァレンス王国では起こっているようだ。


「ところでアルベルト様、私とメルダとシェスカは外で寝るのは初めてなんだけど……。」


「あー、そうか……野宿経験の有る俺達で野営するから、ゆっくり休んでていいぞ。」


「そうね、私はアンタと違って野営の経験も有るしアルベルトと見張りをしとくわね。」


「何ですって! なら私もアルベルト様と見張りするもん!!」


(はあ、また始まった……レニーもエリーシャを煽るなよ。)


 こうして、エリーシャとレニーに挟まれながら俺は野営をする事になるが二人共、しばらく経つとウトウトし始め俺の肩にもたれかかり寝息をたてる。


「あの、アルベルトさん大丈夫ですか?」


「流石に初めて野宿するエリーシャとレニーにとっては退屈なものだったろウシ、後はアタシ達に任せてアルベルトも休みナヨ。」


「わ、悪いな二人共……お言葉に甘えさせてもらうよ。」


 両肩にもたれかかる二人を横にしようと動くもバランスがとれず、エリーシャの頭が俺の膝の上に乗り、その上にレニーの頭がぶつかりそうになるのを慌てて両手を使い止めるも左手は背中を支える事に成功するが左手は慌てていたからか、レニーの服の中にスッポリと入り左胸を触ってしまう。


「アルベルトさん……?」


「お前、わざとやってないか?」


「誤解だ、バランスが取れなかっただけで……。」


「ん……あっ…………ん……ダメ、アルベルト……そんな皆をが……見てる前で………。」


「お前絶対起きてるだろレニー!!」


「そう思うのでしたら、早くその手を服から出したらどうです?」


 その言葉で我に返りレニーの服から手を抜くが今度は膝の上のエリーシャがモゾモゾと寝返りを打ち俺の股間に顔を埋める。


「えっ、ちょっ……これはマズいって!」


「うぅ……ん、アルベルト様の匂い……。」


「「…………。」」


「いや、二人共見てないで助けてくれよ! 誰だって、こんなんバランス取れないって!!」


「仕方ないですね。」


「そうだな、助けてやルカ。」


 ニアミスとアネットの手伝いも有りレニーの方は、比較的簡単に退かす事に成功するがエリーシャは、俺の腰に両手を回しガッチリを服を掴んでおり確実に匂いを堪能しているかの様に上下に頭を動かしている。


「ニアミスさん! エリーシャさんのこの動きマズいですよ!」


「分かっテル! けど何か妙に力が強くて引き剥がセン!! アルベルトも何かしろッテ」


「さっきから、指先を離させようとしてるけど何か服に食い込んでて離せねえ!!」


「ん! んふっ………んん…………!? んぁ……ぅ………?」


 俺達は引き剥がそうとするもエリーシャは身体をビクビクと捩らせたり、激しく息を乱れさせ全身から汗が吹き出したりと野営中に子供には見せられない様な姿を晒している。


「だ、駄目だ……アタシの力でも引き剥がセン!」


「ニアミスさんでも無理なら、もう朝まで放っておくしかなさそうですね。」


「まじかよ…………。」


 アネットとニアミスは諦めた事で俺は自身の心を無にし、朝までエリーシャを膝枕し続けるのであった。

何時も読んでくださり有難う御座います。

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