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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第94話 次なる目的地

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。

第五章は第91話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 意識を取り戻した俺は過去の記憶で大魔王ウルベノムの封印を強める為にヴァレンス王国へと赴き“封印の秘術”を会得する使命を思い出していた。


「あの、アルベルト様?」


「あ、いや……何でもない。」


 なんとなくエリーシャと眼が合ってしまい、誤魔化すように視線を外した。


「?」


(まいったな、今回は死にかけて皆に迷惑かけちまってんな。)


「おっ、やっと目ぇ覚めたか?」


 次の目的地であるヴァレンス王国へ行く前に自身の力を高める為に何が出来るか考えた所で師匠のナスタークに稽古をつけてもらう以外に思いつかず改めて鍛えてもらえる様にお願いする。


「師匠、改めて俺を鍛えてくれ!」


「……何だ? 今回は真剣な眼をしているな?」


「今回の事で俺は、全然弱いって分かったんだ! この先、俺より強い奴なんて沢山いるだろうと思って。」


「うーん、いいぞ? その代わり厳しくするからな覚悟しなよ?」


 そう言うとナスタークは少し考えて俺を鍛えてくれる事を承諾した。


「病み上がりで悪いが、早速闘技場を借りて鍛えてやるか。」


「闘技場?」


 俺は病み上がりながら師匠に闘技場まで連れて行かれ、舞台の上に上がらされ困惑する。


「あの師匠、良いのか? 勝手に闘技場使っちまって?」


「別に構わんだろ、武闘大会以外での使用用途は訓練とか他に色々な練習するくらいだしな。」


「そうなのか、改めて見渡すと結構広かったんだな。 この舞台。」


「それよりも、アルベルト……これからお前の悪い所を上げていくぞ?」


「俺の悪い所?」


 師匠は唐突に俺の戦闘において悪い部分を最初に指摘し始める。


「先ずは、身体能力を強化する魔法で急激に強くなったろ? それもつい最近、それどころかバルディッシュとの戦いにおいては、まるで相手の思考を読んだ後に動いている様に見えたぞ?」


 俺の魔法の使い方に関しては師匠には一切話していないにも関わらず師匠は、身体能力を向上させる魔法と相手の思考を読む事が出来る魔法をバルディッシュとの戦いを観ただけで使えると判断したようだ。


「ああ、確かにマジックアーマーとテレパシーを使ってた。 何で分かったんだ?」


「身体能力を強化して戦う奴に多い特徴が出ていたからな、更に思考を読む魔法……それが原因で死にかけたって訳だ。」


「なんとなく、俺自身も思ってはいたけど……。 要するに基礎訓練がなってないって事で良いのか?」


「そうだ、今のアルベルトは力を持っただけのヒヨッコだ! 良いか、ヒヨッコの冒険者が命を落とすのは大抵自身の強さを見誤った時だ! 今から、俺が鍛えてやるから全力で取り組め!」


「はい! 師匠!!」


 俺は師匠との訓練を一週間程、朝昼晩と訓練を受ける事になった。

後で聞いたがスラスト、ニアミス、トレーシィも師匠の仲間のエミリーとジーニーに訓練をさせてもらっているらしい。


「はぁ…はぁ…、やっぱり師匠は強いや……。」


「なーにアルベルトこそ基礎訓練さえ上達すりゃ、俺なんて直ぐにでも超えられるさ。」


「ははっ……、さて続きお願いします!」


 そして二週間が経ち、皆師匠の家に集まり俺は次の目的地を伝える。


「何だか皆と会うのも久しぶりだな。」


「そうだろうね、僕とトレーシィはジーニーさんの所で手解きを受けていたし。」


「アタシはエミリーの姉御とマナを纏う訓練をしていタナ。 無論、アルベルトも師匠の元で何かやってたんだろ?」


「ああ、俺の方は基礎トレーニングくらいだな。」


「えぇ……。」

(アルベルト様の訓練を見たけど、アレ常人のできるものじゃなかった様な。 私がおかしいのかな?)


 エリーシャはナスタークによるアルベルト強化訓練を見ており普通の人がする訓練ではないと言い切るのは、明らかに基礎とは思えない動きでナスタークはアルベルトに魔弾を放ち、またアルベルトもナスタークにマジックアーマーなど今までに覚えた魔法を駆使しながら戦っていたからである。


「あら、もう皆様お集まりになられていたのですね。」


「シェスカも久しぶりだな、今まで誰も姿を見てなかったみたいだったけど何してたんだ?」


「ワタクシもワタクシなりに修行をしていましたわ! その成果がコレですわ、はあっ!!」


「うぉっ!? それって、まさか勇気か!!」


「ええ、ワタクシの憧れる剣聖と同じですわ!」


 シェスカ姫も一人で自身の力を高め勇気を纏える様になっていた。


「では皆様集まられた様ですしアルベルト様、次は何方へ向われるのですか?」


「次はヴァレンス王国だな、そこにある石版で“封印の秘術”を俺は覚えないといけないんだ。」


 その言葉を聞いたメルダが目を丸くし、俺の方へと擦り寄り記憶を取り戻したのかと嬉しそうな表情で聞いてくる。


「アルベルト様、記憶が……記憶が戻られたのですね?」


「そうなの、メルダ! じゃあ、私との婚約の話も思い出してくれたのねアルベルト様!!」


「「「「「え?」」」」」


「え、いや、まあ思い出してはいるが……。」


「どうした、アルベルト? 歯切れが悪イゾ?」


「エリーシャ、よく聞いてくれ……。」


「うん……。」


「何年も前にブラウン家が無くなってるのは知ってるよな?」


「ええ、アルベルト様が今から何を言おうとしてるか分かってるよ。 でも、そんなの関係無いよ……だって私は家柄なんて関係無くアルベルト様の事が……!」


「はい、ストーップ! そこまで!!」


 エリーシャが何かを言いかけた瞬間、いつの間にか部屋に入ってきたレニーが横槍を入れる。


「ちょっと! 空気読みなさいよ、今良いとこだったでしょ!!」


「アンタこそ、何抜け駆けしようとしてんのよ! アルベルトの事が好きなのはアンタだけじゃないんだからね! それに。」


「な、なんだよ?」


「私も着いていくわ、こんな油断も隙もない女が側にいるとか心配でならないからね!」


 横槍を入れたレニーは、突然俺に振り向き睨みつけながら自分も着いていく事を伝える。


「いや別に無理して着いて来なくても……。」


「そうよ、アルベルト様が言うんだから無理してなくても良いわよ!」


「私に助けられたのは、何処の誰だったかしら?」


「うっ……。」


「良い? 幾ら断ろうが勝手に着いてくから!」


「わ、分かったよ……。」

何時も読んでくださり有難う御座います。

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