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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第89話 シェスカの勇気と乗っ取られた身体

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 俺はバゼラードに対して考えうる全ての対向手段を無くし、簡易魔法陣だけでも機能を停止させようと近付こうとするが阻止されていた。


「はぁ……はぁ……、どうすりゃ良いんだ……。」


「まだ、勇気を纏わんか……なら纏える状況を造ってやろう。」


「はぁ……、何をする気だ?」


 バゼラードは空中に浮き、ある程度上空に行くと滞空して留まり右腕を空高く上げると巨大な魔力の塊が出現し太陽の様にギラギラしている。


「なっ! や、やめろ!! そんなもん放ったら島が消し飛ぶぞ!!」


「助かりたいか、ならば押し返してみせろ! 貴様の本当の力を見せてみろ!!」


 その一方でシェスカ姫はフラムの攻撃を必死に避け続けていた。


「アッハハハハハ! ニゲテバカリジャワタシニハカテナイワヨ?」


(冗談じゃありませんわ、あんなの一撃でも当たってしまっては致命傷は免れませんわね。)


 剣をシェスカ姫に向かって振り回す、しばらくするとフラムは上空を見て何かに驚愕する様な表情を浮かべ動きを止める。


(動きが止まった? 一体どうしましたの?)


「アノホウガクハ、タシカバゼラードノトコロカ!」


 シェスカ姫もフラムが観ている方角に視線をおくると巨大な太陽の様な物がギラギラと燃え盛っているのが分かる。


「何ですの! あの巨大な太陽は!?」


「バゼラードノヤツ、ワタシタチマデマキゾエニスルツモリカ!?」


「きっと、戦ってるのはアルベルトさんですわ。 ワタクシも負けてはいられませんわね!」


 覚悟を決めたシェスカ姫から青白い光が出始め、その光はシェスカ姫の体と剣に纏われていく。


「ナンダコノヒカリハ!?」


「ワタクシにも分かりませんわ、ですが今なら誰にも負ける気がしませんわね。」


「チョウシニノッテンジャナイワヨ!」


 フラムはシェスカ姫に向かって剣を振り下ろすが剣で受け止められ弾き返される。


「バカナ! コンナコトガ!?」


「これで、おしまいですわ!!」


「シマッ………!!」


 シェスカ姫はフラムの剣を自身の剣で破壊すると横一線に剣を振るが、フラムの首筋まで刃先が来た途端にピタッととめ剣を収める。


「…………」


「これ以上は、無意味ですわ。」


 その言葉を聞いたフラムは唖然としながら元の姿へと戻って行く。


「何のつもり?」


「ワタクシは貴方の剣を破壊しました。 なので、剣士としては死んだも同然です。」


「馬鹿ね、私を生かしておいたら後悔するわよ?」


「貴方は、変身しても剣でしか戦わなかった。 つまり剣士としての誇りを持ってる証拠ですわ。」


「そ、好きになさい……別に私は、こんな事に興味は無いしね。」


 フラムはシェスカ姫に負けを認め簡易魔法陣への道を開けるとシェスカ姫は小瓶に入った液体をかけて機能を停止させる。


 そして、大声を出してしまい信者達に見つかったエリーシャ達は信者を眠らせたり痺れさせたりして怪我をさせない様に動きを封じていく。


「こんなところでしょうか。」


 メルダは魔糸にクモの巣の性質を持たせ信者達を捕えていた。


「悪いな、アタシは信者に怪我させそうだからスラスト達に任せきりにナッテ。」


「私も信者を怪我させかねない、道具しかないから何も出来なくてすみません。」


「私もメルダに頼りきりでごめんね……。」


「お気になさらず、皆様はナゴット神父の計画を止める事だけに集中してください。」


 エリーシャ、ニアミス、アネットの三人は信者に手を出す手段が無くメルダ、スラスト、トレーシィに頼りきりになっていた。


「これで全てでしょうか?」


「随分と時間くっちゃったね。」


「急いでナゴット神父を追わないトナ。」


 メルダは念の為、眠っている信者や痺れている信者も魔糸で動けない様にし皆と共にナゴット神父を追い塔の最上階へと到達する。


「これ以上、階段は無いみたいダナ。」


「あの人がナゴット神父で間違いないよね?」


 信者達の先頭を歩いていた老人は祭壇前に鎮座し、エリーシャ達に気付くと振り向き不敵な笑みを浮かべる。


「如何にも、吾輩がナゴット神父である。 そなたらも奇跡を目にしに来たのかね?」


「奇跡? あれの何処が奇跡だってンダ! 死人を動かして罰当たりな事してるだけじゃなイカ!!」


「なら、どうするね?」


「二度と偽りの奇跡なんて起こさせナイ!」


「ふむ、では少しだけ遊んであげよう。」


 ニアミスはナゴット神父に飛び蹴りを食らわせようとするが手に持っていた妖しげな杖で防がれる。


「くっ!」


「これならどう? パラライズアロー!!」


 スラストは蹴りを防がれたニアミスが後方へ飛ぶと同時にパラライズアローでナゴット神父を痺れ状態にしようとするが左手でバリアを張られ痺れさせる事に失敗する。


「防がれた!?」


「甘いわ! 吾輩を誰と心得る、神に仕えし者なるぞ!!」


「スリープ!」


「ぬっ……!?」


 パラライズアローを防ぎ調子に乗ったナゴット神父は、唐突に魔法を唱えたトレーシィのスリープでアッサリと寝てしまい手に持っていた杖がコロコロとエリーシャの足元に止まる。


「「「「「え? 嘘でしょ? もう終わり!?」」」」」


 その場に居た全員が、呆気なくナゴット神父の計画を阻止できた事に驚きを隠せていなかった。


「なんだよ、思ってたより呆気なかっタナ。」


「そうですね、ですが何か不気味な感じがしますね。」


「まあ、たまには良いんじゃないかな。」


「そうだよ、スーさんの言う様に楽したって良いじゃない!」


(確かに皆様の言う様にアッサリし過ぎな気はしますが……。)

「エリーシャ様?」


「エリーシャ?」


「ショックボルト。」


「うわああああっ!!」


「「「「!?」」」」


「スラスト様! エリーシャ様、一体何を!?」


 ナゴット神父がトレーシィのスリープで眠ってしまった事でアッサリと目的を果たしたと思っているスラストにエリーシャが近付き触れると、何と魔法を唱えスラストを気絶させる。


「フフ、吾輩がそう簡単にやられる訳なかろう? 愚か者共め!」


 エリーシャの手にはナゴット神父が手にしていた杖が握られており、明らかに人格が変わっていた。

何時も読んでくださり有難う御座います。

次回で第四章は完結します。


第五章は、しばらくシナリオを考える時間が必要なので出来上がったら投稿します。

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