第87話 それぞれの戦い(中編)
第二章は第26話からです。
第三章は第46話からです。
第四章は第66話からです。
予定が狂い、前中後編になります。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。
エリーシャ達は教会から信者を連れて出てきたナゴット神父を隠れながら尾行し、塔の近くまで追跡する事に成功していた。
「後は、ここからどうするかよね。」
「ジーニー様は信者は操られている形跡はないと仰っていました。」
「だったら、眠らせたり動きを止めれば良いんじゃない?」
「そうだね、その役は僕とトレーシィでするよ。」
「んで、アタシ達がナゴット神父を止めに行けば良いんダナ!」
「それでは、作戦を開始しましょうか。」
「私も今回はメルダ2号を連れて着ました。」
そして、塔の中にナゴット神父と信者が入ってから中に入ると壁越しから螺旋を描く様に階段が伸びており信者達はナゴット神父の言う様に何人か侵入者を防ぐ為か一階に信者を配置する。
「良いか、侵入者を見つけたら必ず捕えて吾輩の所まで連れて来るのだ。」
「勿論です、今日はサハラの村と同様に死者達の魂をお救いになる日ですから誰にも邪魔はさせませんよ。」
「そうだとも、やっと亡くなった妻とまた一緒に生活出来るんだ。」
信者はナゴット神父が死者を生き返らせてくれると信じて疑わないが実際は信者を生き返らせる儀式では無い事をまだ知らない。
(信者の方々は死者蘇生の儀式と思い込んでいるようですね。)
(ねぇ、そろそろ良いんじゃない? あの人達を眠らせれば良いんだよね?)
(じゃあ、僕がパラライズアローで叫ばない様にしてからだね。)
ナゴット神父達が上の階に行くのを見計らい、スラストはパラライズアローで信者達を痺れさせるとトレーシィはスリープを唱える。
「パラライズアロー!」
「なっ!?」
「ドスケベ魔法! おら、催眠!」
「ちょっ! トレーシィさん、それあの本の台詞じゃないですか!?」
「あの本の台詞ってなンダ?」
「な、何でもありません!」
少し騒がしくしてしまったせいか、上の階から信者がゾロゾロと降りてきて侵入してる事がバレてしまう。
「何者だ、お前達! 神聖なる儀式の邪魔はさせんぞ!!」
「見つかっちまっタナ。」
「仕方ないか、なるべく怪我させないようにしないと。」
一方、アルベルトはバゼラードに苦戦を強いられており完全に部の悪い戦いをしていた。
「どうした、逃げてばかりでは俺を倒す事は出来んぞ!」
俺は砂に足を取られながらもバゼラードの攻撃を紙一重で躱していたが、魔弾を放たれ両手で受け止めるが威力が高く後方へと押し流されるが力を込め上空へと軌道を変えたのは良いが隙をつかれ腹部に蹴りを入れられる。
「うわああっ!?」
「この程度も躱せんとはな、いい加減バルディッシュに使った技でかかって来たらどうだ?」
「やれるなら最初からやってるさ。」
(どうする、パワーもスピードも戦闘センスもバゼラードの方が格段に上だ。 やっぱ勝つには勇気ぐらいしか無いか……。)
蹴り飛ばされ砂煙が上がる中、俺は近くの岩陰に隠れバゼラードの次の動きを考えるが何も良い作戦が思いつかづ悩んでいると隠れていた岩を魔弾で破壊されてしまう。
「うわっと! そりゃねえだろ、人が考えてる最中に攻撃してくんなよ!」
(まいったな、あんまり小細工はしたくは無いんだけどな……。)
「何か打開策でも見つけた様な顔だな? いいぞ、その作戦にかかってやろう。」
俺は右手にマナを集中させ、できるだけバゼラードに近付いて目の前でフラッシュを唱える。
「フラッシュ!」
「ほう……。」
バゼラードは突然の目眩ましにも動揺せず、直ぐに目を閉じたのを確認した俺は顔に回し蹴りを食らわせようとするがアッサリ足を掴まれ岩に投げ飛ばされてしまった。
「大抵の奴には有効な手段だが俺には通用しない、残念だったな。」
「何!? うわあああっ!!」
「…………。」
アルベルトがバゼラードに苦戦している頃、シェスカ姫はフラムと鍔迫り合いをしていた。
「くっ……、やはり力では貴方の方が上のようねシェリー!」
「武闘大会の時より、動きが鈍ってますわよ?」
(妙ですわね、あまりにも遅くなってますわ。)
シェスカ姫はフラムを押し返すと後方へと飛び、フラムは隠していた力を解放する。
「中々やるわね、もう出し惜しみなんてしてる余裕なんて無さそうね。 本当は、こんな姿嫌いなんだけどね……ハアアアアッ!!」
「何ですの!? 姿が変わって!!」
フラムの姿は肌が青色に変色し、筋肉量が2倍に膨れ上がり髪の毛は白く変化していく。
「マタセタワネ、モウコレデアナタニカチメハナイワ!」
フラムは剣を振り上げ、シェスカ姫に向かって振り下ろすがシェスカ姫は間一髪で攻撃を横に躱すが風圧で吹き飛ばされてしまう。
「きゃあっ!!」
「ハズシタカ、サアタチナサイ! キョウフハマダマダコレカラヨ!!」
フラムは余裕の表情を浮かべながらシェスカ姫が立ち上がるのを待っている。
(なんですの! あの風圧、それに飛んでいった斬撃が岩を真っ二つにしてますわ。)
「アラ、ドウシタノ? ズイブンフルエテルワネ、アンシンナサイシヌノハイッシュンダカラ!!」
「ワタクシは死にませんわ、貴方に勝って皆の所へ戻りますもの!!」
一方、その頃ナスタークはグラディウスに呆れ果てながら戦っていた。
「はーっはっはっはっ! これならどうだ、どれが本物か分かるまい!!」
「そこだろ……。」
「ぐおわああああ!!」
グラディウスは分身を造りナスタークを翻弄しようとするが、一瞬で見破られナスタークの放つ魔弾が直撃する。
「何故だ、何故分かる!?」
「お前、いい加減にしたらどうだ? どうせ変身するんだろ、バルディッシュみたいに。」
「知っていたか、後悔するがいい。」
「いいから、さっさとやれ。」
「ふんぬらば!!」
グラディウスの体はカメレオンの様な姿になり、ナスタークの目の前から姿を消す。
「はあ……、お前本当ワンパターンだな。 またそれかよ……。」
何時も読んでいただき有難う御座います。
次回は後編です。




