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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
83/166

第83話 バルディッシュ

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみ下さい。

 第四試合も終わり、俺とバルディッシュは審判の準決勝戦の合図で舞台に上がっていた。


「よく逃げなかったな。」


「誰が逃げるか、お前程度じゃ俺には勝てねーよ。」


「ほざきやがる……。」


「それでは、これより準決勝第一試合を開始します! 両選手準備はよろしいですね、では始め!!」


「いくぞー!!」


 準決勝戦開始の合図と同時にバルディッシュが突進して来るが俺は横に躱し振り向いた顔を右手で殴る。


「ぐあっ!」


「どうした、思ってた程強くねえな……お前。」


「なんだと!?」


「この調子なら、直ぐに終わっちまいそうだな。」


「舐めた口聴いた事、後悔させてやる!」


「やれるもんならやってみな!」


 再びバルディッシュは俺めがけて突進してくるが、その右手には魔力が込められておりカウンターを決めようとしていると思い突進攻撃を躱した直後バルディッシュは悪意に満ちた笑みを浮かべ、右手の魔力を魔弾にして観客席に放つ。


「何度も同じ手が通用するか!」


「これなら、どうかな?」


「なっ! お前何て事を……うわっ!?」


 俺がバルディッシュの行動に油断している所に顔面に一撃入れられ、魔弾は真っ直ぐエリーシャ達の場所へと飛んでいく。


「ちょっとアレ、こっち来てない!!」


「ダメだ、僕も何の対策もしてないからどうする事もできない!」


「お前ら皆伏せろー! 俺がなんとかする!!」


 エリーシャ達は咄嗟の事に何も出来ず、周囲の観客達と同様に慌てふためくが、その状況で冷静な判断の出来るナスタークは一瞬にして全身にマナを纏いバルディッシュの魔弾を脚で受け止め上空へと蹴り飛ばす。


「ふんっ! んぎぎぎぎぎ、でりゃあ!!!」


「た、助かった……なんだよアイツめちゃくちゃじゃねーか!」


「は、反則! 反則です!!」


「あぁん? 反則? 何処がだよ、観客を殺しちゃいけねえなんてルールは無いはずだろ? 審判のくせにルールブックも読めねーのかよ!!」


「ひぃっ!!」


 その行動を見た審判は反則行為として失格にしようとするが、バルディッシュに掌を向けられ後退る。


「この野郎、いきなり観客攻撃しやがって!」


「中々タフじゃないか、俺もわりと強めに殴ったはずなんだがな。」


 今度は両手に魔力をバルディッシュは溜め始め、俺は両手に警戒しながら攻撃を仕掛ける。


「そらっ!」


「おっと、どうした? さっきよりキレが無いぞ?」


「くそ、両手の魔力さえどうにかできれば……。」


「両手が気になるか、それでは気にならないようにしてやるよ。」


「な、何を!!」


 そう言うとバルディッシュは観客席の東側と西側に魔弾を放つ、その魔弾はかなりの速さで観客席に突っ込もうとするが両側の観客席にはエミリーとジーニーが待機しており、エミリーはマナを右手に集中させ魔弾を拳で破壊し、ジーニーは自身の正面に何やら輪っかの様な物を出現させ魔弾が通るとマナに変換される。


「なんて卑怯な奴なんだい! けど、これくらいならどうって事ないね!! ふんっ!!」


「全く、相変わらずナスの悪い予感は当たるね……自分は二人と違ってマナ纏えないし魔弾はマナへと戻すかな。」


「アルベルト! ここは俺達に任せて試合に集中しろ!!」


「へへ、有り難え……やっぱ師匠達は頼りになるな。 さて、そっちがその気なら俺も本気で行かせてもらうマジックアーマー!!」


 師匠達がバルディッシュの攻撃を防いだおかげで観客には誰一人死者は出なかったが、流石に俺も我慢の限界を超えマジックアーマーを使いバルディッシュと本気で戦う事にした。


「ちっ、邪魔者共が……まあいいどれだけ持つかな?」


「おい、お前の相手は俺だろ? 余所見してると痛い目見るぞ!」


「あ? ぐおっ!?」


「さっきのお返しだあ!!」


 俺はバルディッシュの顔面や鳩尾を何度も殴るとバルディッシュは、よろめき後方へと下がり片膝をつく。

 そしてバルディッシュの鼻からは血が滴り流れ、立ち上がったバルディッシュは親指で自身の血を拭い、それを見た途端に激昂する。


「うぐぅっ、……ぐ!」


「お前の負けだ、これ以上は戦っても意味無え。 負けを認めて帰るんだな。」


「負け? 負けだと、……俺を誰だと思ってやがる! はっ、これは血か? この俺が血を流しただと!?」


「な、何だ!? コイツ、とんでもないマナの奔流を感じる!!」


「この俺が人間如きに負けるはずが無いんだ! 雑魚の分際で俺を馬鹿にしやがって殺してやる!!」


 激昂するバルディッシュの体は筋肉が2倍に肥大化し、肌の色は紅く変色していき頭には鬼の様な角が生える。


「おい、何だよアレ! 魔物じゃねーか!!」


「に、逃げろー! 殺されるぞー!!」


 バルディッシュが変身した事により、騒ぎは一層大きくなり我先にと他者を押しのけて会場から人々が逃げ惑う。


「来いよ、こうなってしまっては貴様の攻撃など通用しないぞ?」


「そうかよ、マジックアーマーで強化した攻撃を舐めるんじゃねえ!!」


 俺はマジックアーマーで身体能力を最大限高め、バルディッシュの顔面に思いきり拳をぶつけるが、全く動じず立ち尽くしている。


「な、何だと!?」


「どうした、その程度か? 次は俺の番だなぁ?」


 そのままバルディッシュに腕を掴まれ舞台へと背中から何度も叩きつけられる。


「うわあっ! くっ……あぐっ、くっ……!!」


「アルベルト様!」


「いくらアルベルトさんでも相手が悪すぎますよ!」


「アル、大丈夫なの!?」


 メルダ達は口々に俺を心配する声を上げ、師匠達も観客を守る為バルディッシュの動きに集中している。


「これで分かっただろう? 貴様と俺では天と地程の差があると……。」


「ぐっ……。」

(くそっ、マジックアーマーでも全く歯が立たない……どうすれば。)


 俺は気力を振り絞り立ち上がるがバルディッシュに勝ち目を見い出せず立ち尽くしていると何とバルディッシュは、またエリーシャ達めがけて魔弾を放とうとする。


「さっきから逃げる様子の無えアイツらは貴様の連れか? 良い事を思い付いた、目の前で守れなかった奴の顔はどんな風になるのかなぁ?」


「や、やめろ!!」

(いくら師匠でも止めきれるとは思えない! なら……。)


 バルディッシュに魔弾を放たれ、その方向に俺は走り直撃を受ける事でエリーシャ達を守る。


「アッハッハッハッ! 自らくらいやがった! 馬鹿な奴だ、そんなに他人が大事かよ!!」


 魔弾による煙の中、俺はバルディッシュに底知れない怒りを覚え、全身に青白い光が迸る。


「俺は完全に怒ったぞ! バルディッシュ!!」

何時も読んでくださり有難う御座います。


やっべ、バルディッシュ戦一話で終わんなかった。

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