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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
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第8話 旅立ち

今回は、もう遅い回になります。

 エリーシャの屋敷にて大声を上げる人物がいた。

アネットである、その叫び声はギルドが発行している記事に載っている内容だった。


「何なのよこれー!? 何でアイツらが王国指名の勇者になってるのよ!!」


アネットは先日、龍の顎に足を斬られキマイラから逃げる為の囮にされた事で怒りをあらわにしていた。


「はあ…気分が悪いわね、昨日疲れてお風呂に入れなかったし入ってサッパリしましょ……。」

(エリーシャさん自由に使って良いって言ってたし。)


一方その頃、浴室にて


「ふぅ……。」


俺は朝風呂に入り疲れを癒やしていた。


「それにしても、この前のアレは今思い出すと結構恥ずかしいな。」


アレとは俺が屋敷に招かれた時に疲労で風呂場にて気絶し、気がついたらメイド達が一緒に入っていた時のことだ。


「流石に、朝早くなら一人でゆっくり満喫できるな。」

(さて、そろそろ上がるか。)


俺は風呂場のドアを開けようとすると触れても無いのに勝手に開いていく。


(え?)


ドアが完全に開くと目前には眼鏡を外し髪をおろしたアネットがいた。


お互いに素っ裸のまま固まるがアネットの視線は、徐々に下の方に向いていきアレを直視すると段々、顔がみるみるうちに赤くなっていく。


「い、い、い、いやあああああーーー!!!」


その叫び声で俺は我に返り、アレを慌てて隠すが、もう遅い完全に見られたのである。


アネットも慌ててバスタオルで躰を隠す。


「な、な、何で朝っぱらからお風呂に入っているんですか! 非常識ですよ!!」


「いや、非常識では無いだろ!?」


「早く出て行って下さい!!」


「まだ躰拭いてないんだけど!? それに俺、もう上がるから浴室に入れば良いだろ!!」


アネットは、その言葉に納得したのか俺の横を通りドア越しにジト目で言う。


「絶対に覗かないで下さいよ? それと早く出て行って下さいね!?」


バタンとドアが閉まる、俺はバスタオルで急いで躰を拭うと服を着て、その場を後にした。


浴室にてアネットは、未だに赤い顔をしながら躰を洗っていた。


「何だか、まだドキドキしてるわね…まさか朝早くから入ってるとは思わなかったわ。」


シャワーでボディーソープを落とすと湯船に浸かる。


「ふぅ……、後で謝らないといけないわね。」


リビングにて、俺は記事を読んでいた。


「うわぁ……、アイツら王国指名勇者になったのか。」


記事を読んでいるとエリーシャが近付いてきた。


「アルベルト様、何か気になる情報でもありましたの?」


「ん、ああ…ちょっとな。」


俺は龍の顎の戦い方を知っている、クレメンスとニアミスが先頭に立ち魔物を倒し、ケニーに関しては二人にダメージが入れば回復するといった戦術だ。


しかし、この戦術には穴がある…俺がパーティーから追放された事で回復担当のケニーを魔物から守る役割がいない。


「まあ、アイツらの事だし戦い方ぐらいは変えるだろ。」


そう呟いているとアネットが風呂から上がってきたようだ。

その顔は、ほんのりと赤くこちらに目を合わせようとしない。


「あ、そうだ! 実は俺、旅に出ようと思うんだ。」


「旅…、ですか? 良いですね、旅立ちましょうアルベルト様!」


「………」


エリーシャは、満面の笑みで賛成するがアネットは未だ先程の事を気にしてるのか何も喋らない。


「え、エリーシャも着いてくる気か? 屋敷は、どうする気だ?」


「それなら、心配ありません…エリーシャ様の留守の間は我々が尽力を尽くし屋敷を御守り致します。」


いつの間にかメルダが近くにいて少し驚いたが、どうやらエリーシャが俺に着いてくるのには賛成のようだ。


「あ、あの……。」


「ん? どうした、アネット?」


アネットは、妙にモジモジしながら話しかけてくる。


「その…、良かったら私もアルベルトの旅に着いて行っても良い?」


「別に構わないが。」


「良かったアイツらのいる国から離れたかったし、それに……見ちゃったから責任とらないと……。」


最後の方は、声が小さくなって行きよく聞き取れなかったが共に旅をする事に反対はしない。


「何か最後の方、聞き取れなかったんだが。」


「別に良いでしょ! イヤでも着いて行きますから!!」


「それで、アルベルト様はどちらに旅立つのですか?」


「う~ん、そうだな…無属性魔法を極める為にいろんな場所に行こうと思ってる。」


そう、俺の旅立つ理由は一つ折角覚えた無属性魔法を上手く使えるようになる事だ。


「そう言えば、アネットは荷物持ちをしてたみたいだが大きなバッグとか見かけないけど。」


「ああ、それでしたら…ほら、ここに有りますよ。」


アネットが取り出したのは、誰から見ても普通のショルダーバッグだった。


「それ、あんまり入らなさそうなんだが……。」


「ご心配なく、このバッグはマジックバッグの類いですからね上限は有りますが意外と沢山入りますよ。」


「そうか、よろしく頼む。」


真っ直ぐにアネットの目を見ると急に恥ずかしくなったのか顔が赤くなり目を逸らした。


「それじゃ、目的地は隣国のロクサーヌ王国にするか。」


「ロクサーヌ王国ね、分かったわ!」


「私も荷物持ちとして役に立ってさしあげますよ!」


こうして、俺達はロクサーヌ王国を目指す旅に出るのであった。


しかし、アネットは内心何で謝れないのか悩んでいた。


(あー、もう! 何で謝ろうと思っているのに別の言葉が出てくるのよ! でも、一緒に旅をしてる間に謝れるチャンスはあるはず! 勇気を出すのよ私!!)

次回の投稿は時間がかかるかもしれません。

毎度、読んでいただきありがとうございます。

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