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【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
73/166

第73話 Aブロック予選(追放側視点)

第二章は第26話からです。

第三章は第46話からです。

第四章は第66話からです。


では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。

 クレメンスは武闘大会の登録を終え、宿屋に宿泊していた。


「まさか、アクナヴィーテの奴がバッグの中に金を用意してるとは思わなかったぜ。 にしても、あの無能野郎いるとはな確か3日後に予選をするんだったか……最初に当たったらボコボコにしてやろう。」


 そんな事を考えながら3日後の予選まで、街中を観光しながら時を待つと時間の流れは速く、もう3日が経ち武闘大会の会場へとクレメンスは赴いた。


(お! いるいる、これから俺様にボコられるとも知らずに女侍らせやがって! まあ良い、舞台の上で泣きベソかかせてやろう。)


「クレ・グレゴリオさん!」


 アルベルトに敵意を剥き出しにしている最中、クレメンスの偽名が呼ばれるが忘れているのか一向に向かおうとしない。


「グレゴリオさん!? 居ないのですか?」


「なあ、グレゴリオさんってさ……あそこにいる人じゃないか? ちょっと読んでくる。」


クレメンスは肩を叩かれ、グレゴリオが自分の偽名だという事を思い出す。


「貴方ですよね? クレ・グレゴリオさん!」


「えっ? あっ、そうだ俺様はグレゴリオだったな! ハッハッハッ! で、何か用か?」


「あっちでブロック分けしてますので箱から選んでください!」


「お、おう。」


「ったく! 早くしろやノロマ!」


「アイツ、参加登録でボーッとしてた奴だろ? やる気あんのか!」


「どうせ見た目だけだろ、ゴリラ見たいな筋肉量ってだけで動き鈍そうだな! 頭と同じで。」


 中々、クレメンスが呼ばれても行かなかった事で周りの選手はピリピリとしており、それぞれクレメンスに対しての不満が漏れる。


「グレゴリオさん、呼ばれたら早く来て箱から選んでくださいね!」


「わーったよ、どれにするかな? 出来ればアイツと同じブロックが良いんだがな~、迷っちゃうな~。」


 箱に手を入れ迷っていると後に選ぶ選手達から苛立ちの声が次々と上がり始める。


「テメエ、クソゴリラ! いい加減、スムーズに選びやがれ!」


「どんだけ、待たせる気だゴルア!!」


「そうだ! そうだ! 最低限人の知能くらい持てんのか!!」


「うっせーな! 今選んでんだろ!! それとも今ぶちのめされてえのか、あぁん!?」

(全く、短気な奴らだ……。 少しは俺様を見習って落ち着きってのを学んだらどうなんだ。)


 罵声を浴びながら、手にした紙を開き見せる。


「はい、クレ・グレゴリオさんはAブロックですね。 最初の試合ですので、しばらくお待ちください。」


「Aブロックか、これで無能野郎が俺様と同じブロックになれば……グフフ。」


「選び終わったんなら早くどけよオッサン!!」


「わーったよ!!」


 クレメンスは少し離れた位置から、次々と名前を呼ばれる選手達の中でアルベルトの名前が呼ばれ、両手で祈る仕草をし始める。


「アルベルト・ブラウン様ー。」


(頼む、俺様と同じAブロックに来てくれ! そうなれば、俺様の手で奴のハーレムを崩壊できるんだ! 神よー!!)


「Cブロックですね。」


(クソがああああーーーー!!)


 クレメンスの願いは虚しく神には通じなかったようで、予選が始まるまで椅子に座り時間が経つのを記事を見ながら待つことにした。


「グラニデ選手はCブロックですね。」


「あーあ、終わったな……あのグラニデっての前回準優勝してる奴じゃねーか。 どう足掻いた所で無能野郎の負けだな。」


「バルディッシュ様ー、どうぞ。」


(ん、何だアイツ? 妙な殺気を放ってるな、武闘大会で興奮するのは分からなくはないが少し異常な気が。)


「バルディッシュ様?」


「フンンンン! ウウウウ、ンバア!!」


 バルディッシュと呼ばれた男は、勢い良く箱に手を入れ紙を掴むと勢い良く取り出し開いて見せる。


「バルディッシュ様はBブロックですね。」


「ハア、ハア…………早く殺りてぇ………。」


(怖っ!? 何だよアイツ!! イカレてんのか? てか何でこっち来んだよ! 他にも椅子有るだろ!!)


 なんとバルディッシュは興奮状態のままクレメンスの横に座り、落ち着こうとしている様だ。


「お、抑えなきゃ……ハア…ハア…。」


(クソ、駄目だ……完全に逃げるタイミング逃しちまった。 コイツを刺激しねえ様にしねえとな。)


 クレメンスは記事を見ながら時間が経つのを待つが長く感じ早くバルディッシュが何処かへ行くのを願った。


「ここに居たか、バルディッシュ。」


「バゼラードか、もう落ち着いた。」


「行くぞ。」


 バルディッシュはバゼラードに着いて行き、クレメンスはヤバイ奴から解放された気分になる。


(た、助かった……確か前回の優勝者だったか。 なんにせよ、変な奴とは関わりたくはねえな。)


「レニー・マークフィンガー様。」


「意外と女も出場するんだな、この大会……ニアミスも出るみてえだし。」


「レニー様はDブロックですね。」


 レニーと呼ばれた選手は、キッとアルベルトを睨み付けているように見えた。


(何だ? あの女アルベルトに怨みでも有るのか?)


 そうこうしてる内にAブロックの予選が始まり、クレメンスはグレゴリオとして舞台へ上がる。


「これよりAブロック予選を開始します! では、始め!!」


 案の定、乱戦状態になるがクレメンスは次々と力任せに選手を場外に投げ飛ばしていく。


「おいおい、やっぱアイツゴリラなんじゃねーの? 二、三人軽く持ち上げてぶん投げてるぞ!?」


「はっ! 雑魚共が俺様に勝てるかな?」


 脱落者が増える中、クレメンスは余裕でAブロックの予選を勝ち上がり本戦出場が決まる。


「グレゴリオ選手、本戦出場決定!!」


「おっしゃああああーーーー!!」


 次にBブロックの予選が開かれるが、その試合は酷く大半の選手がバルディッシュにより血塗れにされていた。


「おい、審判! もう残ってねえだろ、それともアンタもヤれば良いのか?」


「ひっ! Bブロック予選、バルディッシュ選手本戦出場決定!!」


「バルディッシュってのが勝ったのか、ん? 俺様ヤバくね、本戦でアイツと当たんじゃね?」


 そう考えるとクレメンスの顔はみるみる内に青ざめていくのであった。

今回は追放側視点でした。

何時も読んでくださり有難う御座います。

楽しんでいただけたのなら幸いです。

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