第72話 本戦出場と不安要素
第二章は第26話からです。
第三章は第46話からです。
第四章は第66話からです。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。
「これより、Cブロック予選を開始させていただきます! 準備はよろしいでしょうか、では始め!!」
審判の掛け声により、出場者は一斉に前々回の優勝者グラニデの方へと向かって行く。
「あれ、皆アイツのとこに向かって行ったな。 てっきり、初出場の俺を狙うと思ってたんだが。」
流石に優勝経験が有るだけ、向かって行った出場者はグラニデが腕を振るうだけで大半が場外へ落ち脱落していく。
「やっぱ、前より強くなって帰って来てやがるな。 残念ながら俺では勝ち目はなさそうだが、やるだけやってやる! うおおおお!!」
先程、俺に話しかけてきた出場者がグラニデに向かって走って行く。
「アイツ、そんなに強く感じないんだけどな……。 大丈夫かな、あの人。」
しばらくすると俺以外の出場者はグラニデ一人に全滅されていた。
「だーはっはっはっ! 俺は4年前の雪辱を雪辱を果たす為に強くなり帰って来たのだ! 本戦出場権は貰った!!」
「やっぱ、あんたが残ったか。」
「ん、何だ見ない顔だな初出場か?」
「ああ、そうだ。」
「うーむ、そうだな……初出場で何の見せ場も無く退場させるのは可哀想だな。 そうだ、一発だけチャンスをやろう!!」
グラニデは少し考えて、何か思い付いたのか俺に一発だけ先に攻撃させてくれるらしい。
「チャンスって?」
「もし、俺を一撃で倒せたら本戦の出場権を譲ろうってわけさ! 痛い目に合いたくなければ、そのまま場外へ降りても構わないぜ? さ、どうする?」
心底馬鹿にした顔付きで俺を挑発してくるが、生身の人間相手に手加減する練習になると思い俺は拳を構える。
「そんじゃ、お言葉に甘えて。」
「ほう、やる気満々じゃねえか。 良いぜ、来な!」
「そらよっと!」
俺はかなり力を抜いてグラニデの腹に一撃を入れるが、思っていた以上に脆く感じ拳が腹の中に入っていく感覚を覚える。
「うっ!?」
「あっ、やべ!! 力入れすぎたか!?」
グラニデは膝から崩れ落ち倒れ込み、審判が死んでいないかの確認をし始める。
「息はありますね、アルベルト・ブラウン選手! 本戦出場決定!」
「ふう、良かった…生きてた…。」
俺は控え室に行くとニアミスは俺の方に手を置き、本戦出場を喜んでいるようだった。
「やったな、アルベルト! この調子でアタシも本戦出場と行くカナ!」
次々と試合が行われていき、宣言通りニアミスも本戦への出場が決定する。
「では、これよりFブロック予選を開始させていただきます! 出場選手は舞台へお上がりください!」
「Fブロックっていえば、確か前回優勝者のバゼラードって奴の試合ダナ。」
「一撃でグラニデってのを倒したって師匠が言ってたな。」
俺はバゼラードの試合を陰から見る事にすると、バゼラードは出場選手から一斉に狙われていたが、なんと腕を組みながら足で押し出す様に選手達を場外へと飛ばしていた。
「すげえな、アイツ。」
「そうダナ、見る限り全く力を出していなイナ。」
「順番通りに行くとニアミス、バゼラードと当たるが勝てそうか?」
「いや、勝てる見込みが見えなイネ……それよりアルベルトの方も、あのBブロックの本戦出場者に勝てそウカ?」
「やってみなきゃ分かんねーな、確かバルディッシュって呼ばれてた気がする。」
Bブロックの本戦出場者もバゼラードと同様に紅い目をしており、筋肉質の大男だ。
しばらくすると予選が終わり、本戦出場者の名前が読み上げられる。
「Aブロック本戦出場者は、クレ・グレゴリオ選手! Bブロックの本戦出場者はバルディッシュ選手! Cブロック本戦出場者はアルベルト・ブラウン選手! Dブロック本戦出場者はレニー・マークフィンガー!」
「あれ、もしかして俺……あの女の子と戦わないといけない?」
「Eブロック本戦出場者はニアミス・ドレスティ! Fブロック本戦出場者は前回優勝者のバゼラード選手!」
「残りのGブロックとHブロックは大した事無さそうダガ、初戦の相手が優勝者とハナ。」
「武闘大会、拳闘士の部は明日が本戦となります! 昼より、戦士の部を開催致しますので出場選手はお忘れなく!」
そして本戦出場選手達は、体を休めるべく帰って行く者や戦士の部を見る為、観客席へと移動する者などが目立っていた。
「俺達も観客席に行こうか。」
「そうダナ、席が埋まると困るシナ。」
俺とニアミスは戦士の部に出場するシェスカ姫の試合を見る為、師匠達の座っている客席を探す。
「アルベルト、あの席じゃないか?」
「あ、アルベルト様! こっちこっち!!」
エリーシャが手を振って見物していた場所を教えてくれる。
「アルベルト様、凄かったわ! あのグラニデって人、前々回の優勝者なんでしょ! アルベルト様ならバゼラードって人も倒して優勝間違いなしよ!!」
「エリーシャ様、落ち着いてください、アルベルト様がお困りです。」
「あはは、まあ応援してくれるのは嬉しいけどバゼラードには勝てるかどうかは分かんねーかな。」
「なんだか、自身無さそうだね…どうかしたの?」
「やっぱアルベルトから見ても力を隠してる様に見えるか。」
「師匠の事だから、俺と戦わせて力を計るつもりなんだろ?」
俺は師匠の考えは、よく知っている。
過去に稽古を付けてくれた時だってそうだ。
あの時は一見意味の無い様な訓練をさせられていたが思い返すと俺に合った訓練方法だったな。
「アル、勝ち目無いの?」
「やれるだけは、やってやるさ! でも、その前にバルディッシュって奴と当たるな。」
「バルディッシュという方も、アルベルトさんは強敵と判断しているのですか?」
「ああ、この大会で見た限りバルディッシュとバゼラードは特に格が違うな。」
「そんな事より、シェスカ……じゃ無かっタナ。 シェリーの戦士の部に居る、紅い目をした女も警戒した方が良いんじゃなイカ?」
ニアミスは不安な表情でシェスカ姫の出場する戦士の部に参加している黒髪で紅い目をした女性に警戒しているようだ。
「考え過ぎじゃないか? シェスカなら大丈夫だろ!」
「だと、良いと思ウガ。」
あっという間に時間は経ち戦士の部が開催され出場選手は皆、控え室へと足を運んで行った。
何時も読んでくださり有難う御座います。
楽しんでいただけたのなら幸いです。




