第61話 次なる目的地
第二章は第26話からです。
第三章は第46話からです。
では、引き続き無属性魔法使いをお楽しみください。
俺達は人魚の娘、シャルアをとりあえず宿屋ハンネスに預ける事が出来ないか相談する事にした。
「……というわけなんですが。」
「ああ、構わないよ? 家には一人娘のアネットくらいだからね。 また、娘が出来たと思えばどうって事ないよ!」
「有難う御座います!」
「じゃあアネット、シャルアちゃんをお風呂に入れて来て。」
「こっちですよ、シャルアさん。」
「はーい。」
アネットはシャルアを連れて風呂場へと移動していった。
「あ、そうそう皆なんだか元気が無さそうな顔してたよ? アルベルト君、男の子なんだから元気付けてあげなさいな。 家の娘もアルベルト君の事、まんざらでも無さそうに話してたしね!」
「そうなんですか、まあ皆の事は心配でしたし行ってきます。」
(え、ちょっと待って!? アネットもアルベルト様を好きに? 分からなくもないけど、そんな素振り一切見せて無いわよ!?)
「僕はニアミス達の居る部屋に行くから、アルベルト達はメルダの居る部屋をお願い。」
「私は待ってるね、メルダ……気に病んでるみたいだし。」
スラストに促され俺達はメルダの居る部屋へとドアを開け入る。
「アルベルト様……、私は……。」
「どうかしたのか?」
「皆様に謝らなければなりません……。 」
「何を?」
メルダは重い口を開いて俺に語りかけてくる。
「私はエリーシャ様とアルベルト様だけでも逃げてくださればと思い他の方々を犠牲にするつもりでした。 人として、仲間の命を天秤にかけてしまいました。」
「エリーシャを逃がそうとしたんだろ? 仕える人を逃がすならメイドとして当然の事だろ?」
「ですが!」
「何、メルダは悪くねえよ! もし、迷う事があるなら俺を頼れエリーシャがしたようにな! メルダを見捨てるような事はしないからさ!!」
「……アルベルト様。」
メルダの目からは大粒の涙が流れ始め、俺に抱き付いて来た。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃありません、しばらくこのままでいさせてください。」
アルベルトがメルダを宥めている頃、スラストはニアミス達の部屋で話し合っていた。
「ワタクシは今回の事で自分自身の弱さを知りましたわ。」
「アタシもあの魔物と戦うまでは、強くなったと思っていたが全く歯が立たなかった……もっと強くなあないトナ。」
「あたしも魔法吸収されて役に立てなかったし、これからどうしよう。」
「それならさ、ナルドレイクにでも行ってみない?」
「ナルドレイクって?」
「確か、4年に1度開催される闘技大会が有る国ダナ……そこなら力試ししながら戦い方が学べそうダナ。」
「明日、アルベルトに相談しようか。」
そんな中、部屋のロビーからシャルアの声が聞こえてきた。
「や~だ~!」
「待ちなさい! 躰を洗うだけじゃないですか! エリーシャさん、捕まえてください!」
「はい、捕まえた。」
俺達はシャルアの声を聞き、ロビーへと集まった。
「何があったんだ? うおっ!」
「アルベルト様、見てはいけません!」
突然、俺の目の前はメルダの手で視界が遮られる。
「今のシャルア様は裸なので失礼とは思いますが、このままで!」
「お、おう……。」
(さっき、アネットがバスタオル姿だったような。)
「それで何が有りましたの?」
「だって、何か変な臭いのする白いのをびゅーっびゅーっと出してあたしに付けようとするんだもん!!」
何やら卑猥な言い方だが、おそらくはボディーソープの事を言ってるのだろう。
「それって、ボディーソープ?」
「いい? シャルア、人間になるって事は人と同じ暮らしをする事だから色々我慢しなきゃいけないよ?」
スラストはシャルアを宥め始め、段々とシャルアもスラストの言葉に納得するようになった。
「うん、分かった……。 でも、耳尖ってる人も入って……。」
「そうですね、スラストさんお願い出来ますか?」
「じゃあ、僕も入ってくるから待ってて。」
アネットとシャルアとスラストは、そのまま風呂場へと向かって行ったようだ。
「なあ、メルダ……。」
「なんでしょう?」
「もう目隠しはいいんじゃないか?」
俺がはそう言うとメルダは慌てて手を離し、俺の視界が良好になる。
「申し訳御座いません! アルベルト様になんて無礼を!!」
「いや、別に構わないが……そうだ! これからの事なんだけどさ、ナルドレイクに向かおうと思ってるんだ!」
次の目的地を言うと何故か皆キョトンとした目になっていた。
「「「あっはははは!!」」」
すると同時にニアミス、シェスカ姫、トレーシィが大笑いし始めた。
「丁度アタシ達もナルドレイクに向かう話をしていたンダ!」
「ワタクシ達は、まだまだ未熟ということで強くなる為に向かうのですわ!」
「あたしは、役に立てなかったから魔法の使い方を極めないとって思ったからだよ!」
「そっか、躰を休めて疲れが取れたら出発しよう!」
俺達は、こうして次なる目的地をナルドレイク王国へと決めた。
一方、風呂場ではアネットとスラストがシャルアを風呂に入れていた。
「ねえねえ、何で耳の尖ってる人は女の子なのに胸が小さいの? ねえどうして?」
「うっ!!」
(それは、こっちが聞きたいよ!!)
「シャルアちゃん、止めてあげてください! 世の中には聞いて良い事と悪い事があるのですよ!!」
「そーいうもの?」
「そう言うものです。」
風呂場ではスラストがシャルアに言葉で傷つけられていたのであった。
何時も読んでくださり有難う御座います。
楽しんでいただけたななら幸いです。




