表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】無属性魔法使い〈番外編追加〉  作者: クソラノベ量産機
6/166

第6話 マナドレイン

洞窟の最奥地に行く話です。

 俺は、大きく深呼吸をし自分を落ち着かせ冷静に助けた女性に成り行きをかたる。


「実は、君はキスしなければいけない程の重傷を負っていたんだ。 それにポーションで回復させようにも間に合わないと判断し、最も最適な方法を施し怪我の完治に成功したってわけだ。」


あからさまに疑いの目を向ける女性は一度、目を閉じ頷き再び視線を俺に向ける。


(いけるか……?)


「成る程、それでキスをしたと……。」


「そうなるな……。」


バチンと女性にビンタされた。

やはり、何も知らない女性に対して許可なくキスをする行為は俺自身も最低な事だと自負している。


「見苦しい言い訳しないでください!! ま、一応助けてくれたみたいだから、これくらいで勘弁してあげます!」


しかし、その行動に苛立ちを隠せなかったのかエリーシャが女性に対して口を開く。


「何てことをするんですか貴方は! アルベルト様がキスしてなかったら死んでたんですよ!!」


突然の出来事に何を言われているのか理解できないのか驚いた顔で女性はエリーシャを見ている?


(え? 何で私が悪いみたいになってるの?)


「ああ、いや別に君は悪くないよ、許可無くキスをしたのは事実だから。」


「そんな、アルベルト様は悪くありません!! 状況的に悪いのは私になるんですから!」


「そうよ! 私がビンタされるべきだったんです! 今からでも遅くありません、私にもビンタを!!」


まるで状況を理解できていない女性は、あたふたとどうすれば良いのか慌てふためいている。


「エリーシャ、そんな事より何故俺が彼女にキスしなきゃならなかったのかの説明をだな。」


「そ、そうね…実は私は体内のマナを使うことでしか魔法が使えないの。」


「なら、貴方がキスすれば良かったのでは?」


女性は最もな意見を言うがエリーシャは自身の体内ではマナを造りだせない事を告げる。


「それは無理ね私は自分自身でマナを造りだせないわ。 でもアルベルト様は違うわ、マナを無限に造り出せる体質だもの。」


それを聞いた女性は未だに疑いの目を止めないが少なからず納得した様で謝る。


「そこの人の説明の方が大分納得できるわね。 最初から分かり易く説明してくれないかしら。」


女性は呆れた様に溜息を吐き、これからの事を話す。


「う~ん、流石に一人で洞窟内を動き回るのは危険ね。 と言うわけで、迷惑をかけたついでに一緒に行動しましょうか。」


女性は共に行動することを提案する。


「まあ、危険なのは変わらないし良いよ俺はアルベルトだ、よろしく。」


「私はエリーシャよ、よろしく。」


女性は手を差し伸べながら言う。


「アネットよ、荷物持ちとしては優秀なんだから魔物に襲われそうになってたらちゃんと守ってよね?」


俺達はアネットと握手を交わし、ナルデナ洞窟の最奥地へと足を進めるが一向に魔物が出てこなかった。


「魔物、嘘の様に出てきませんね。 さっきのキマイラの気配で逃げて行ったのでしょうか?」


「さあなぁ、俺とエリーシャで結構な数倒しまくったからなあ。」


「ふふっ、初めての共同作業というやつです!」


何気ない会話をしながら歩いて行くと洞窟の最奥地に着いたようだ。


そこには、人工的に創られたかのような扉があり、その扉の両側には人の手の形をした窪みがある。


「アルベルト様、両手を窪みにはめると良いのでしょうか?」


そう言いながらエリーシャが窪みに手をはめるが何も起こらなかった。


「ちょっと! 何考えているんですか!! トラップとか発動したらどうするんですか!!」


「もしかして……エリーシャ、今度は俺がやってみる。」


エリーシャに変わり、同じように窪みに両手をはめ魔力を流すと地響きが鳴り、扉が開き始める。


「きゃっ!」


地響きに耐えられなかったのか、アネットはバランスを崩し俺にしがみ付いてきた。


俺の右腕がアネットの胸に吸い込まれるような感覚がしたが地響きが収まるまでアネットは離れようとしない。


「そろそろ、離れてくれないか? エリーシャに睨まれてるから……。」


「むー……。」


エリーシャは、プクーッと頬を膨らませ俺達を睨んでいる。

そして、地響きが収まるころには扉は完全に開かれていた。


「あれって、祭壇ですかね?」


アネットが、そう口にするがエリーシャはそれよりも気になることを指摘する。


「アネットさん? いい加減アルベルト様から離れても良いのでは!?」


「あら? ごめんなさい、私としたことが。」


その言葉を聞き、アネットは俺から離れる。


「とりあえず、あの祭壇の石板みたいな物を調べるか。」


石板に触れると眩い光を放ちだし、頭の中に無属性魔法“マナドレイン”の魔法が入ってきた。


「………様。」

「アルベルト様! 大丈夫ですか!?」


「アルベルトさん! さっきからボーッとして、どうしたんですか!!」


石板に触れた瞬間、意識が暫くの間飛んでいたようだ。


「ん、ああ…大丈夫だ! 問題無い。」


「それにしても妙ですね、普通こういった場所を守る主のモンスターが居るはずですが……。」


アネットは不思議そうにあたりを見回すが主らしき魔物は存在しない。


それもそのはず、ナルデナ洞窟の主はキマイラであり、すでにアルベルトが倒しているのだから。


「まあ、そんな事より新しく無属性魔法を覚えたぞ! その名もマナドレインだ!!」


「マナドレインって相手の溜め込んだ魔法を自分の物にする魔法じゃない!!」


「何だ、エリーシャ知ってるのか?」


俺達は目的を達成し、エリーシャの屋敷に戻る事にした。


「あっ、そうだ! もし良かったらだけどアネットもエリーシャの屋敷に招いても良いか?」


「勿論、構いませんよ! アネット次第ですが!」


「そうですね、お言葉に甘えてさせていただきます。」


こうして、アネットが仲間になり平和な一時を満喫するのであった。

次回は、追放側視点になります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ